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凡人の異世界転移物語  作者: 小さな枝切れ
最終章 見果てぬ夢
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レイチェル救出

ブックマーク60件突破感謝更新です。

宿を出て町の出口へと向かう。兵士達に冒険者証を見せると難なく町から出れた。

時刻はもう日が落ち始める夕方だった。


「取り敢えず、あの夜営した場所まで行って一休みしよう。

森に入るのは朝日が昇ってからだ」

「スレイドさ…スレイドはなぜレイチェル様を攫ったのでしょう?」

「考えられるのはこの鞄の中身だと思う。

ルースミアの全ての財宝がここにあるから、財宝とマジックアイテムが目当てなんだと思う」

「我の財宝はやらんぞ」

「それ以前にスレイドは許さない!」

「うむ、八つ裂きにしてくれるわ」

「私も剣を教わった恩はありますが、サハラ様を傷つけたこと、そして傷つけたのがお父さんの剣だったことを絶対に許しません!」

「でも2人共気をつけてくれ。あいつは間違いなく腕輪の力を使っている。じゃなきゃルースミアがいるのにこんな大胆な行動は取るはずがない」


2人は頷く。

俺はスレイドが腕輪の力で何を習得したのか考えてみることにした。

まずは武器に関してだが、あいつは既に剣はマスター級で習得の必要性はないはず、となるとやっぱり魔法になるはずだ。

まさか…始原の魔術か?


「ルースミア、始原の魔術は腕輪の力で習得可能だと思う?」

「始原の魔術は恐らく無理だ。あれは精霊と契約するか自然均衡の神の助力あって初めて可能となるものだ」


そうか、少し安心したな。そうなると考えられるのはウィザードの魔法か神聖魔法か騎士魔法か。

騎士魔法はまず間違いないな。ギャレットの戦いを見て思ったけど、やっぱり武器を使っての戦闘では必須なぐらいの強さに感じた。

あとは神聖魔法、傷を瞬時に癒す力はやはりあって損は無いはずだ。

だけどルースミアを相手にする場合、それだけじゃ俺なら絶対に挑まない。

なら他に何がある?



いろいろ考えているうちに夜営地点までたどり着いてしまった。


素早く食事を済ませる。


「カイならどうする?」


唐突に聞かれカイが驚いたように俺を見るが、すぐに俺が聞きたいことを悟り答えた。


「そうですね。私ならルースミア様の弱点を狙います」

「我に弱点だと?」

「はい、ルースミア様には唯一弱点があります。それはサハラ様です」

「サハラが我の弱点だと?」

「はい、もし私がお父さんの剣でサハラ様を傷つけ鞄を奪い逃走したらルースミア様はいかがなさいますか?」

「ふむ、フローズンデスで斬られれば、急ぎ手当をしなければサハラが死ぬ。しかしそれは我の財宝が奪われるということか」


ルースミアはそれを聞くと黙り込んだ。

おい!そこ迷うところか?俺の命は財宝と迷う程度かよ。いやそうかもしれないけど、ルースミアって俺のこと好きなんじゃないの?


「財宝は集め直せばいいから、サハラを助けるだろうな」


おおお!財宝に俺は勝てた!じゃない!


「ありがとうルースミア。でもさレイチェルが攫われているんだから、レイチェルに治して貰えばいいだけじゃない?

それはカイに任せてルースミアはスレイドを追えばいいと思うよ?」

「そうなんです。そこでまずレイチェル様を傷つけます。その後サハラ様から鞄を奪い、サハラ様を傷つけ逃走すれば…」

「なるほどな」


これマズい展開になってきたな。


「鞄を持って来いとは言わなかったのですから、持っていかなければいいのではないでしょうか?」

「いや、鞄が狙いだったのに持ってきてなかったら、その方がマズいと思うよ」

「財宝は渡してやる。その後見つけ出し我から財宝を奪った後悔をさせればいい」

「…ルースミアがそれでいいならそうさせてもらえると助かるよ」

「決まったのならもう寝ておけ。我が見張っておいてやる」


自分がやりますとカイが言ってきたが、俺がルースミアは半分眠って半分起きていられることを説明して、明日に備えてほしいことを言うと渋々ながら納得してくれた。



翌朝になり食事を済ませると森の方角へ向かう。

一応俺を重点的に守るようにカイとルースミアに挟まれる形で歩いた。

そして森に入ってしばらく進むと木に縛り付けられたまま意識のないレイチェルが見つかった。

側にスレイドの姿はなく、また縛られたレイチェルの側には朝食の準備の途中なのか火が起こされていて、何かが焼かれていた。


俺はレイチェルの元に駆け寄ろうとした時だった。


「ガフッ!」


俺の背後から嫌な声が聞こえた。




読んでいただきありがとうございます。

次回更新ですが、一応月曜日の17時を予定していますが、場合により早まるかもしれません。明日とか…



それでは

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