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凡人の異世界転移物語  作者: 小さな枝切れ
第五章 レドナクセラ帝国の崩壊
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財宝浴びがしたい!

お待たせしました。

ヴィロームを奪還した後俺たち冒険者はヴァリュームに引き返し、騎士団はそのまま帝都まで奪還しに向かう事になった。

ダークエルフの脅威は取り敢えずオークのほぼ全滅により当面は問題はないだろうという事だ。


ヴァリュームに引き返した俺たちの報告で町は喜びに満ち溢れていた。

ただ皇帝が亡くなった事で今後この国がどうなるかという話題も出てきていて、完全に落ち着いたわけでもなかった。

また流通は止まったままなため、俺たち冒険者が狩猟を行ったりしながら帝都に向かったギャレット達騎士団の帰りを待った。



30日ほど経った頃にギャレット達騎士団が戻り、驚くべき報告をしてきた。

帝都はガウシアン王国に既に占領されていたそうだ。

ギャレットがガウシアンの王に掛け合ったところ、皇帝が死に無事な町が1つしかない国など国とは言わないと言われたそうだ。

まぁ分からなくもないな。

そして逆に城塞都市ヴァリュームの領主に降伏勧告を告げてきたそうだ。

ただし降伏条件は領主の命を差し出せと言うものだった。

当然死にたくない領主の確かゲプシタラ=ノミナオシュだったか?は降伏には応じることはなく、騎士団も領主の命により徹底交戦する準備に取り掛かっていた。

冒険者の俺たちには国の争いに参加する義務は当然ないため、ヴァリュームは騎士団のみの人数で戦う事になる。

ただ、ガウシアン王国の王の残虐非道な性格を知っている冒険者は、我が身を案じて1人また1人と足早に町を出る者も少なくはなかった。


なぜガウシアン王国がこのレドナクセラ帝国の危機を知ったのかとギャレットが言っていた。

俺はなんとなくスレイドが関わってるような気がした。


そんな状況の中、俺たちはレイチェルの両親が心配で町を出ることなく留まっていた。




「サハラ、我はもう我慢出来ん。もう良いだろ?」

「ルースミア、カイとレイチェルがいるからダメだよ」


今いる場所は宿屋の部屋でカイとレイチェルがいるのだ。


「別に居ても構わんだろう?」

「ルースミアは見られてもいいの?」

「別に見られても我は構わん」

「う〜ん…」


顔を真っ赤にして居辛そうにしていたカイが声をかけてきた。


「あの、サハラ様、その、お邪魔でしたら退室しますが…」

「え、うぇ!ち、これは違うんだカイ、レイチェル」

「じと〜」

「何が違うか!最後に財宝浴びして相当経ったんだぞ!」

「「ざ…財宝浴び?」」

「うん、そう、財宝浴び。

ドラゴンの性癖みたいなんだ」

「性癖ではない!習性だ!」


あー…聞き方によっては勘違いされるような会話だったな。


「そ、そうだったんですね。でしたらやはり退室しますが…」

「いや、たぶん広さ的に無理なんだよ」

「ならばあの屍のところへ行けばいいだろう」

「うへ、あそこまで行くの?」

「屍…えっと、どちらまで行かれるんでしょうか?」

「ヴァリューム湖の遺跡だよ」

「うむ、あそこなら日帰り出来る。今から行くぞ!」

「しょうがないなぁ」


バルロッサに貰った指輪のおかげで助かったんだからお礼もしないといけないしな。


ふと見るとカイが出かける準備をしていたため俺は慌てて止めた。


「悪い。そこは俺とルースミア2人で行ってくるから2人は待ってて」


カイは分かりましたとレイチェルはブーブー言っていた。

まさかリッチのところになんて連れて行けないだろ。しかも昔のここの王様だぞ。




ヴァリューム湖に2人で向かう。


「2人きりというのも随分と久しいな」

「そう言えばそうだね」

「で、創造神の対価は何を貰った?」

「やっぱり気がついてたんだ。ん〜まぁいいじゃん?」

「主がそう言うのなら構わんが…」


そんな事を喋りながらヴァリューム湖に辿り着き、遺跡の中に入り込むと中はえらい事になっていて、討伐されなかった期間に増殖した巨大ネズミが沢山いた。


「ネズミ達よ、此処を通らせてくれ」


俺がそう言うとネズミ達は一斉に道を開けてくれる。

すごい光景だな。


「見事なものよな」


ルースミアもその光景を見入っていた。

地下2階層になるとゾンビやスケルトンが現れ、これは倒さねばならなかった。

俺は腕輪無しにはなったが、少なくとも習得している杖術で戦ってみるとさすがにゾンビやスケルトンは余裕で戦えた。

おそらくエキスパート級ぐらいはあるのかな?

最も大半はルースミアがリストブレードで無双していたが…


そんなこんなでバルロッサのいる場所の扉の前まで来た。

ノックもせずいきなりルースミアがドアを開ける。


「ここには人が近寄れぬよう魔術を施しておいたはずだが…お前らか…何をしに来た」


おぉ!俺麻痺らないぞ!ゲームだと3レベル以下は麻痺だったっけか?って事は俺は3レベル以上になったのか!


「何、財宝浴びをしに来た」

「ふざけるな!儂の研究場所を何だと思っている!」

「あ?」

「ま、まぁよかろう…」


なんかルースミアが虐めてるみたいだな…

バルロッサが可哀想に見えてくる。

ルースミアが鞄をひっくり返すと金銀財宝が部屋中に溢れ出した。

そして服を脱ぎ捨てると財宝浴びを素っ裸でしはじめる。


「サハラだったか?お前も大変だな」

「いや、まぁ可愛いもんじゃないですか」

「!…お前しばらく見ないうちに変わったな」

「変わったのではなく、慣れたんですよ」

「なるほどな」

「そうだ、前に貰った指輪のお陰で助かりました。ありがとうございます」

「おおお!役だったか!ウムウム。

そうだ!新作があるのだが是非試してもらいたい」


このリッチの爺さん?すっかりただの発明家になってるわ…

でも貴重なマジックアイテムがほいほい貰えると思えば実に美味しいボーナスキャラだな。


「これなのだがな」


バルロッサが説明をしてくれる。

リングオブマナと言う指輪でバルロッサの現最高傑作らしい。ただ、その性能が装備者の体内に宿る魔法力の強さに応じて力を具現化させる、という物でバルロッサが身につけてみたが効果のほどが分からなかったそうだ。

意味ないな。

ただ最高傑作という事なので有難く貰っておいた。


ルースミアが財宝浴びを堪能したのか鞄に財宝を全てしまい、服を着終えるとその指輪を鑑定してみたが分からないという事だった。

取り敢えずルースミアが身につけてみたが、力は感じるが何も起こらないという事だった。

もちろん俺も身につけたが効果は感じなかった。

うーん、これが最高傑作のアイテムなのか?


ルースミアが財宝浴びを堪能し、俺もバルロッサに感謝も伝えたしヴァリュームに戻ろうとした時だった。


「サハラ、すまぬ…」




いつも読んでいただきありがとうございます。

まず次回更新は明日の17時予定です。



現在順調に下書きの執筆が進んでまして、第5章を書き終え、ついに最終章に入りました。

正直綺麗に終わらせられる自信は無いですが最後まで何とか頑張ります。


それでは

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