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凡人の異世界転移物語  作者: 小さな枝切れ
第五章 レドナクセラ帝国の崩壊
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ヴィローム奪還

ブックマーク50件超え記念

短い休憩を挟みながらも延々と走り続けると遂にヴィロームと思わしき場所の側まで到着したようだった。


「もう無理マジで無理」


そう言って大の字に倒れる。

足や脇腹が痛めばレイチェルに治されるが、疲労だけは癒せないため疲労はピークを超えきっていた。


にも関わらずギャレットは無情にも指示を出してきた。


「諸君!ヴィロームまでもう目と鼻の先だ!

ヴィロームはオークやダークエルフ共の本拠地となっているが、先の戦いで戦力はほとんどないと思われる!

ただし、ダークエルフが多くいると思われるため、決して油断せず死力を尽くして戦ってほしい!

一息ついたら突撃だ!奴らの息の根を止めてやろうぞ!」

「「「「うおおおおおおおぉぉお!」」」」


皆んな狂ってやがる。


俺たちヴァリューム軍はヴァリュームに防衛のため騎士を2千置いてきたため、現在では4千弱と言ったところで、対するヴィロームにいると思われるオークやダークエルフの数は不明というある種賭けに近い戦いになる。

そんな状況にもかかわらずヴァリューム軍は休息を取り食事をし、装備の点検などを行っていた。



「ヴィローム奪還を開始する!

決して無理な深追いはしなくていい、奪還が目的だ!

諸君の健闘を祈る!」


ギャレットがそう言うと周りは静まり返る。


「突撃ーー!」


掛け声と共に全員ヴィロームに向けて走り出した。

また走るのかよ…



ヴィロームが見えてくると報告のあった通り禍々しい町に変わり果てていた。

何ていうかな。ついこの間まで町として人がたくさんいたんだろうはずが、まるでずっと長いこと誰も住んでなかった町の様で、カラスも大量に見えて、何かをついばんでいたり、枯れた木にとまりカァカァと不気味に鳴いていた。

所謂死んだ町だった。


町に入ると中は静まり返っていた。

ある程度の数ごとにまとまり、一つ一つ家だったものを探り、オークを見つければ斬り殺し、中には子供を抱えて怯えたオークの雌もいたが容赦無く子供ごと斬り伏せていた。

もちろん俺は見つけ次第他の人に任せて足早に離れるが、嫌な悲鳴だけは耳に入ってきた。


また苗床にされたらしい女性達も見つかり、助かったとわかると喜ぶ者、泣く者それぞれの反応を示した。

だが、その中でも多かったのがオークの子を産んだか又はその身に宿している者達で、殺してほしいと懇願しているのを見たりもした。


「酷いな…」


俺は誰に言うでもなく呟いた。



「いたぞ!ヴィローム領主の館だ!」


そんな声が聞こえ一斉に向かい出す。

俺もここから一刻も早く立ち去りたかったため領主の館に向かった。


領主の館の前にはオークではなくハイオークが大量にいて、騎士団と冒険者相手に戦っている最中だった。

とは言え今回は俺らに方が圧倒的に戦力は上で、ハイオーク達は次々と殺されていった。

俺は先ほど苗床にされた女性達の酷い有様が忘れられず、腕輪を失ったことも忘れ怒りに任せて近くにいたハイオークに攻撃を仕掛けた。

背後で俺を呼ぶ声が聞こえたように感じたが、今の俺には届かなかった。


ハイオークが俺に気がつき不恰好な剣で斬りかかる、俺は棒を手首に突き入れ…かわされた!

その時になってやっと俺は腕輪を失っていたことを思い出した。

マズい!

ハイオークの剣が袈裟斬りに振り下ろされる。

目を閉じてしまい身構えるも剣が俺に振り下ろされることはなく、ガインッ!という音で目を開け顔を上げるとそこには


「えぃっ!」


盾で攻撃を防ぎ、そのまま盾で殴りつけるレイチェルの姿があった。

盾で殴られたハイオークが軽い脳震盪を起こしたのか頭を振っていて、レイチェルは盾をハイオークに向けて突き出していた。

そこへカイが短剣でハイオークの心臓を突き刺し、ルースミアが首をリストブレードで跳ねそのままハイオークは倒れた。


「間に合った!」

「サハラ様大丈夫ですか!」

「この馬鹿者が!」


3人から三者三様の言葉を言われちゃったな。


「ゴメン、ありがとう助かったよ」

「まったく、腕輪を失っていることを忘れるな」

「ん!」


何とか助かった。でも腕輪を失った俺の杖術はあまりに酷いもので、ハイオークに対応すら出来なかった。



「女のダークエルフだ!気をつけろ!」


前方の館に近い誰かが叫ぶ声が聞こえた。

その直後爆発が起こり何人かが吹き飛んだ。


ダークエルフ社会は女尊男卑の激しいところで、男性のダークエルフは住む住処を守る兵士でしかなく、女性のダークエルフは指導者として権力を持つ。

またダークエルフの女性は男性と比べて全てにおいて上回り、必ず先天的に魔力を持つ、そのためソーサラーのように魔法を使いこなすことが出来る。


火球(ファイヤーボール)を使ったか」


ルースミアがそう言うと続いて前方の一帯が暗くなり、その闇の中から悲鳴が次々と上がる。

ダークエルフは元々暗い地下に住処を作り生きるため、暗闇の中でも何ら変わりなく見渡すことが出来る。


「神よ!暗闇を取り払う光を照らしたまえ!光明(ライト)!」


誰かが神聖魔法を使い暗闇が取り除かれると女のダークエルフがいて、その周りは死屍累々となっていた。


「愚かな地上に住む者共よ!覚えておくがいい、我らは決して忘れはしない。

この屈辱いずれ返してやるわ!」


そう言うと女のダークエルフは消え去った。

闇が取り払われるまでたったの数十秒の出来事だ。にも関わらず、あっという間に数十人が死んでいた。


誰もが女のダークエルフに恐怖していた。あれだけの強さを目の当たりにしたのだから。


「か…勝った。勝ったぞーー!」

「「「「うおおおおおおおぉぉぉ!」」」」


死傷者はかなり出たが、俺たちヴァリュームの騎士団と冒険者達はついにヴィロームを奪還を成し遂げた。






読んでいただきありがとうございます。

ブックマーク50件超えました。本当に感謝です。


次回更新ですが明日更新はしますが、時間がはっきりできませんので、大変申し訳ないのですが時間は不明にさせてください。

ご迷惑おかけします。



第5章も終盤といったところでしょうか?第5章の次は最終章だったりします。

早い気もするかもしれませんが、これで第1部として終わらせようと思っています。

第2部の構想は既に出来上がっていて、第1部終了次第下書きが開始される予定です。



それでは


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