真実
ブックマーク40件超えていたので感謝の気持ちを込めて1話追加です。
「お、戻ってきやがったぜ」
階段を上がって第一声がこれか。
「宿に戻ろう。話はそれからで」
戻った俺の顔を見たスレイドを含め皆んなは、それ以上声をかけることなく馬車に乗って宿屋に戻った。
「何があった!」
ルースミアが部屋に戻って早々、俺の肩を掴んで尋ねてきた。
力入れすぎで痛いよ。
「順を追って説明するよ」
そう言って、皆んなをテーブルにつかせる。
無駄に高くて豪華な宿屋だったけど、寝るだけでなく商談なども出来るようなテーブルなんかもあるこの宿屋で良かったな。
カイがお茶の用意をし、皆んなに配り終えると俺は話し始めることにした。
「まず、創造神にあった。そこで俺は[自然均衡の神スネイヴィルス]に始原の魔術を教わった」
「始原の魔術だと!」
さっきから怖いよルースミア…
「サハラ様、始原の魔術とは何ですか?」
「魔法の大元、自然の力だ」
「あ、うん。それ」
「それってのはつまるとこ、何だぁ稲妻とか竜巻とかそう言う類のことか?」
「そうだ」
「ルー姉さまさっきから怖いよ」
レイチェルのおかげでルースミアはすまないと言って黙り込んだ。
「んで?何で創造神はサハラにその始原の魔術?を教えたんだ?」
「そこなんだけどね。説明が、ちょっと、ね」
「仲間にも話せねぇってことかよ!
そんなに俺ら信用出来ねぇのかよ」
皆んなが黙り込んじゃったよ。
俺はルースミアを見る。
『ルースミア』
「言語翻訳『言うのか?』」
『うん。受け入れてもらえなかったら、ルースミアは一緒に来てくれるかな?』
『その時は我と新天地を求めれば良かろう』
『分かった。ありがとうルースミア』
ルースミアと話して覚悟を決めた。
「2人して内証話か。
どうせ俺らは足手まといだもんな?」
「スレイド様言い過ぎです」
「スレイド、少し待とう?ん?」
「いや、スレイドが怒るのは当然だよ。
今からこれで終わるかもしれないけど全て話すよ。
ただ、これから話すことは誰にも言わないで欲しい」
「言えば殺す」
「ルースミア、それはダメだ」
こうして俺は皆んなに異世界から来た事を話した。
俺のいた世界の話をいろいろし、証拠となるスマホの電源を入れて見せた。
もちろん驚かれたさ。
音楽プレイヤー起動して音楽を流したら、スレイドの奴アーティファクトだとかぬかしやがったよ。
少し懐かしいスマホのバッテリーは10%近くまで減っていた。
まるで俺の元の世界の思い出の残りのように感じた。
「それでサハラ様は初めて会った時奴隷の事を分からないと言ったのですね」
何だか随分前に感じるな。
あの時カイに奴隷なのに何で優しくって言われたっけ。
「それじゃあ、あの時考え事で相談に乗った時に、故郷に帰るとか探すってこの事だったのね」
そうだったな。レイチェルと話してこの世界に残る事にしたんだったよな。
「なんか皆んな美談があるんだな」
「スレイドは喧嘩ふっかけてきただけだからな?」
「いや〜それはだな。あれだ。ルースミアちゃんが可愛かったからだ。うん。
それはそうと、じゃあルースミアちゃんもサハラと同じくなのか?」
コイツうまく話そらしたな。
さて、ここからが最大の問題点だな。
「俺がこの世界に吹っ飛んできたのは言ったよね。その吹っ飛んだ先にいたのは、赤帝竜ルースミアなんだ。
つまり、ルースミアは本物の赤帝竜ルースミアだよ」
「うむ」
「何だってーー!」
当たり前だけど、それぞれ驚きの声をあげる。
そんな中カイだけが俯いてブツブツと言っていたかと思うとルースミアに向かって叫びだした。
「人殺し!お父さんを返して!
なんでサハラ様は助けてお父さんは殺したの!ねぇ!なんでよ!」
こんな反応のカイは初めて見たな。
それとカイのお父さんってば冒険者だったの?
なんか想定外な事になってきたぞ。
「知らんな」
そっけない態度で答えたルースミアにカイが腰の短剣を抜いて刃を向ける。
「お父さんの仇ー!」
うわ!切り掛かった!じゃない、止めないと!
スレイドも止めようとするが位置的に距離があり、もちろん間に合うはずもなく、カイの短剣がルースミアの頭目掛けて振り下ろされ突き刺さ…
ガキッ!
らなかった。
「そんな物で我が傷つくとでも思ったか?」
うわ、脳天突き刺ししたのに刺さってねぇ。
スレイドもこりゃあマジもんだとか言って固まっている。
レイチェルは顔を手で覆ったままだ。
「返して!返してよ!」
カイは諦めずに突き刺そうと突き込むが、ルースミアは動く事なく攻撃されるがままで…なかった。
3度目に突き込もうとした時ルースミアが片手を突き出しカイを吹っ飛ばした。
そして倒れているカイにゆらりと近づく。
直感的にヤバいと思った俺はルースミアを止めようとしたが、ルースミアが我に任せておけと一言言うとカイに向かう。
「貴様の父親か何かは知らんが…勝手に人(竜)の住処にやってきて、勝手に攻撃しかけてきて、それを撃退して何が悪い。
我はこの世に生まれてから一度たりとも人の領域に迷惑をかけた覚えはない!
むしろ我の方がいい迷惑だ。安心して住めなくなり、新たな住処を求めて旅する羽目になったのだぞ!」
呆然とカイは聞いていたが、スレイドは毛の無い頭を掻きながら頷いていた。
毛が無いのになんでこいつはフケが落ちるんだよ。
「カイちゃんには悪りぃけど、こればっかりは自己責任だ。
名声か財宝のためかはわからねぇが、確かにルースミアちゃんからすればただの略奪者にすぎないぜ」
「分かってます。分かってました。
取り返しのつかない事をしてしまったことも…」
「カイ、またくだらぬ事を言い出すつもりではないだろうな?」
「ですが!」
「カイ、これ以上俺を困らせないでくれ。
ルースミアも許してくれるよ」
お、効果あったか?まぁ実際これ以上は勘弁だよ。
「カイよ、本来であれば許さぬ。
だが貴様はサハラの奴隷であり我らの仲間だ。
今回の事は戯れだった。それでよかろう?」
「う、うぅ、ルースミア様、ありがとうございます」
何とか落ち着いたのかなぁ…
「なぁ、だけどなんでルースミアちゃんはサハラは助けたんだ?」
「話をしたからだ」
「はぁ⁉︎」
「我の元に来たものは有無を言わさず攻撃を仕掛けてくる。それに対してサハラは、まぁ死にかけてもいたが、我と対話をした」
スレイドが大きなため息をついた。
その後は赤帝山を出てヴァリュームまで来たところまで話した。
さすがにバルロッサの事まで言う必要はないだろうとそこは省く事にした。
「それであんなに調査の依頼を躊躇してたってわけか。
でもよ、サハラはなんでそんなに強いんだ?杖術だったか?元の世界って所は平和で争いごとはなかったんだろ?」
いや無いわけじゃ無いぞと思ったが、面倒だからそういう事にしておこう。
賢人の腕輪、さすがにこればかりは言いたくはないが、もし何かしらで失った時を考えたら言っておくべきか。
「実はルースミアに賢人の腕輪と言うものを貰った」
賢人の腕輪の能力を教え、言葉の問題と身を守る為に共通語と杖術を得た事を伝えた。
ルースミアの話で俺には元々杖術の天才があった為、グランドマスター級の腕前がある事も言うとスレイドも納得していた。
「それで話を戻すけど、元の世界での知識をこの世界で創造しない条件で、自然均衡の神スネイヴィルスが監視役になって、俺が均衡を保っている限りは対価として自然均衡の神スネイヴィルスの力を貸して貰えることになったんだ」
皆んななるほどと納得したようだ。
「つまり神に何かを成し遂げるように強いられたりはしていないのだな?」
「そう言ったことはなかったね」
ルースミアはそれを気にしてたのか。
でもまぁ、創造神には、ね…
突発で申し訳ありません。
ブックマークが40件超えていたので、感謝の気持ちを込めて1話追加しました。
次回更新は変わらず明日の17時です。
1話追加したのでちょうど明日で第4章終わりになります。
土日はお休みをいただいているので、第5章は来週月曜日からとなる予定です。




