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凡人の異世界転移物語  作者: 小さな枝切れ
第三章 旅の仲間
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新たな一歩

第3章はじまりです。

更新しない間も見に来てくれている人が沢山いてくれて嬉しかったです。

ありがとうございます。

ルースミアにこの世界で生きる宣言して一夜明ける。

目が覚めるとルースミアもすぐに体を起こし、あくびをしている。


「おはよう、ルースミア」


思えばここ数年1人っきりになってから、言う事のなかったおはようの挨拶をすると妙な懐かしさを思い出すな。

まるで家族ができたような…

それはダメだろ。


「おはよう、と我も言えばいいのか?」


ヤバい仮にもドラゴンとはいえ、人の姿で返事を返されると嬉しさが込み上がってきやがる。

俺は照れ隠しに大きく伸びをし、今日これからを伝える。


「今日は朝食を済ませたら、冒険者ギルドに行って魔術師について聞こうと思うんだ」


俺は昨日考えた事をルースミアに話す。


「ふむ、確かに今のサハラは腕輪の力だけで言語も強さも得られてるからな。

だがな、言語に関しては恐らく主本人が使っていくうちに身にもついていってるはずだ。

試しに腕輪をはずしてみるがいい」


そうなの⁉︎

慌てて腕輪をはずしてみる。


「どうだ?我の言葉がわかるか?」


おおおおお!

分かる分かるぞおお!


「わ、分かる。すごいなこれ」

「腕輪の力で0からいきなり100にはするが、はずしたら全くの0には戻らぬよ。

主自身が勝手に学んで理解をしていくからな」


って事は杖術もか?


「恐らく会話はこの期間でほぼ理解出来たのだろうが、読み書きは恐らく出来ないはずだ。

杖術と言ったか?

それは分からん」

「なんで⁉︎」

「我が人の扱う武器など分かるか」


さいでした。


「どちらにせよ、主がこの世界で生きると決めたのだ。

魔法も使いたいと思うのならやればいいだろう」


俺は頷いて返事をする。


と、コンコンと扉をノックする音が聞こえる。

扉を開けると宿の主人がいた。


「お客さんに使いの者が来てますよ。

フェガスさんという方の使いの奴隷のようですが、覚えがなければ追い出しますが?」


フェガスの使いってカイか。

いったいこんな朝早くから何の用だ?

まさか早速朝食にって事は無いよな。


宿の主人に知ってる人だから大丈夫と伝えて、すぐに支度して行くと伝えた。


「主よ、恐らく下婢の事だが、この先ここで生きていくなら、一時の情に流されないように気をつけよ」


そうだよねー。

でも情に流されるなって言うけど人の生き死にに関わるって分かってて見捨てるなんて…

でも責任も持てないでそれは偽善でしかないのか。

うわー知ってたら言葉なんて交わさなかったよ。



支度を終え重い足取りで宿の外に出る。

案の定カイが待っていて、俺を見つけると頭を下げてくる。

なんか耳がペタンとなってる。


「こんな朝早くから申し訳ありません。

フェガス様からの言伝で、ヴェン様を運んでくれたお礼をしたいので是非来てくださいとの事です。

場所は私が案内するように言われています」


これはどうするべきか。

カイを寄越してまでって事は社交辞令とは違うのかな?

フェガスははっきり言って嫌いだけど、人脈は大事だ。

いつどこで助けてもらうことがあるかも分からない。


「分かりました。

まだ朝食済ませてないので、それからでもいいですか?

何ならカイさんも一緒にいかがです?」

「いえ!私は結構です」


かと言ってここで待っててもらうのもアレだしなぁ。

じゃあ中に入ってロビーで待っててもらおう。


「それではロビーで待っててください。

すぐに済ませますから」


一瞬カイが曇った表情を見せた後、了承をしたので俺は食堂に向かった。

昨日のお礼をと思ったが、レイチェルの姿はなかった。

朝は当番じゃないのかな?

ルースミアと席に着きさっさと朝食を済ませてロビーに急いだがカイの姿はなかった。

案の定外に出たらカイは宿の外で待っていた。

奴隷ってどんだけの扱いなんだよ。


その後カイに言われるまま付いて俺とルースミアはフェガスの家に向かった。



正確にはフェガスの親の料理屋なんだけど、辿り着くとフェガスが待ってましたと言わんばかりに飛び出してきた。


「朝っぱらからわり〜な。

まぁ呼び出したのは俺じゃねんだけどよ」


と後ろを指差す。

4人の中年の男女がいて、大方フェガスとヴェンの両親であろうと予測できた。

今日中にヴェンを埋葬するらしく、こんな朝早くのお礼になってしまったと謝罪もしてきた。

正直ルースミアが運んだのは確かだが、それ以上に頑張ったのはカイだ。

ただそれを言ったところでどうせ奴隷で済まされると思ったため口に出さなかった。


つーかよ、お礼だけなら宿までお前ら来いよな。

とは思ったがまぁ大事な息子が亡くなったんだから出来るだけ最後の瞬間までそばにいてやりたかったのかもな。

そう思っていた俺がバカだった。


「本当にありがとうございます。

もしあなた達が連れてきてくれなかったら、埋葬も出来ませんでした。

お礼と言ってはなんですが、息子の形見分けにその奴隷を是非貰ってやってはくださいませんか?」


はい?それって程のいい…


「おばちゃん、その言い方じゃ程のいい厄介払いにそいつ取っちまうよ」


そうそうそれだ。

って、お前に俺の何がわかる!と言いたいところだがその通りだ。


「いいか?まず奴隷は物だ。

それを前提で話すぞ。

オメーにお礼がしたいが、正直なとこ礼が出来るほど金に余裕がない。

んで、そうなるとオメーに役立てるようなもんっつったら奴隷しかなかったつーわけよ」


だからと言って奴隷を喜んで貰うと思うか普通。

1つ確認してみるか。


「俺がカイさんの受け取りを断ったらどうするつもりですか?」

「それは我が家の奴隷として働いてもらうつもりです」


死なせるとか奴隷商人に戻すはしないか。

そうなると後はカイの気持ちだけど、下手に選択させて俺を選んだら、それはそれでまだ俺の今後の身の振り方も仲間を集めるかも決まっていない状況では困る。

何よりも、奴隷の扱い方が分からない。


仲間を増やすかを運で…カイの判断で決めるか…


「カイさん、カイさんはどうしたいですか?」

「え、私ですか?」

「はい、俺としてはカイさんの気持ちで決めてほしい」

「私の気持ち…」

「返事は今すぐでなくていいです。

ヴェンさんの埋葬が終わるまでと短い時間しかないですが、その間に決めてほしいと思ってます」


俺と来るのなら宿に来てくださいと伝えると、ヴェンの両親にお悔やみを申し上げてその足で冒険者ギルドへと向かうことにした。




3話先まで出来てから毎回更新するようにしていて、第3章からは想定外の話が加わった事で毎日更新はちょっと厳しいかなと言う状況になっています。


ちょっと1話ごとが長くなった気が…


次回更新は1週間以内を予定しています。

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