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凡人の異世界転移物語  作者: 小さな枝切れ
第二章 冒険者
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八つ当たり?

地上に出ると夕方になっていて、あれだけ仲間待ちなどで賑わっていた入り口も閑散としていた。

そんな中1人の男がこちらへ駆け寄ってくる。


「おい!お前ヴェンの奴隷だろ。

ヴェンと仲間はどうした?

その2人はヴェンの仲間じゃなかったろ」


仲間?ヴェンしかいなかったよ?


「黙っててもしょうがないだろ!」

「それならここにあるぞ」


と、ルースミアがドサっと肩から死体を落とす。

下ろすじゃなく落とした。

落とした時にマントがはだけ、ヴェンの死体が…

おおう、ウップやべぇ


「な、死体だと⁉︎

なんで奴隷のお前が生き延びてヴェンが死んでんだよ!」

「申し訳ありません、フェガス様。

私が身代わりになれませんでした」


必死に頭を下げ謝罪するカイ。

そのカイを足蹴にしようとした瞬間、俺はそいつの足に棒で当たらない様にそらさせる。


「なんだオメェは!」

「まず理由を聞きましょうよ?

理由も聞かずに罵声を浴びせて足蹴にしても何もわからないじゃないですか」

「うるせー!テメーに関係ねーだろうが!」

「一応死体を運ぶ手伝いをしたんですから、全く無関係と言うわけにはいきませんよ」


チッと舌打ちすると少し間をおいてから、カイに説明を要求した。

カイはゆっくりと説明し始める。


要約するとこうだ。

5日前に遺跡にカイを含む5人で入り、デプス3まで行った。

仲間の1人が休憩と食事を取っている時に、用を足してくると行ったきり戻ってこなかった。

すぐに荷物をまとめて捜索開始したが見つかることはなかった。

前衛2人のうちの1人であったため、これ以上の捜索は危険と判断し帰還することにした。

早く戻り救援を要請しようと強行してデプス1まで戻ったが、全員疲労困憊だったため一度休憩と睡眠を取った。

ちょうど先にカイと前衛の戦士が眠っていた時にジャイアントリザードが現れ、多少武器の扱いが出来た神官が応戦し、ヴェンが2人を起こしたらしい。

カイが起きた時、既に神官は息絶えていて、ヴェンは片腕を食いちぎられてたところで前衛の戦士が攻撃に加わり、カイが回復の薬をヴェンに渡しに駆け寄った所を尻尾に薙ぎ払われ壁に叩きつけられて気を失った。

目が覚めたら、ジャイアントリザードの姿はなく、ヴェン以外は消え去っていた。

その段階でヴェンは脇腹に大怪我をしていて、危険状態だったため残った回復の薬を使ってから地上まで連れて行く途中で俺たちにあった。


話し終えると、フェガスはヴェンの遺体の傷跡などを見ていた。


「2人、いや3人か。

腹がいっぱいになって満足して巣に戻ったんだろうな」


なんかルースミアが詳しそうだ。


「3人⁉︎

なんで3人なんだ!」

「あいつらは移動は遅いが、狙った獲物に対して延々追跡する習性がある。

休憩を取ったのは間違いだったな」

「クソッ!なんでヴェンが…

おい奴隷!カイだったか?なんでテメーが生きてんだよ!

テメーも死ね!今すぐ死ね!」


カイは腰にある短剣を手に取ると分かりましたと自分の首に刺そうとする。

おいおい素直すぎだよ。


「カイさんちょっと待って!

カイさん生きて地上に戻ったのは義務だからだっていったじゃないですか!」


カイの手が止まる。


「義務だ?

奴隷が主人が死んで生き延びる義務なんかねーよ」

「…。

ヴェン様が…」

「聞こえねーよ。ヴェンがどうしたってんだ?」

「地上に戻っている時のことです。

こんなところで朽ち果てたくない。

地上まで連れて行ってくれ、ちゃんと埋葬されたい。

とおっしゃられました。

埋葬はフェガス様にお願いいたします。

これで義務も果たせましたので心置きなく死ねます」


そう言うとカイは手に力を入れ…


「待てよ。

まだ義務が終わってねーだろ」


まさかのフェガスが止めた。


「前々から言ってたんだよ、そのセリフ」


そう言うと聞きたくもないどうでもいい話をベラベラ話し出した。

正直こいつにはムカついてた。


「ヴェンはよ。

冒険者やって稼いで魔法極めるんだってよく言ってた。

俺がそれより先に死ぬかもしれないぞと言うと、そうかもしれない、でもその時はダンジョンとかじゃなくて仲間に見送られてちゃんと埋葬して貰えたらいいな。

とか笑って言ってたんだよ」


泣きながらフェガスは続ける。


「だからよ。

お前は奴隷かもしれないが、一緒について回って仲間の1人と見なされていたんじゃないかって思う。

じゃなきゃお前に埋葬を頼むわけがねぇ。

ヴェンの埋葬に付き合え。

そんでその後はお前が考えろ。

そもそもお前は俺の奴隷じゃないんだから、俺の命令を聞く理由ないんだぞ」


あれだけ死ね死ね言っておいて何を今更お前が考えろだ。

そんな俺の気持ちを代弁するかのようにルースミアが伸びをしながらこう言い放った。


「御託は終わったか?」


流石である。


今後の予定です。

この後2話で第2章終了になります。

(既に完成してます)

最終チェックが完了し次第本日中に更新する予定です。


区切りもいいので第3章は1〜2週間間をいただきます。

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