奴隷って難しい
地上までの道案内のため先頭にカイ、そして俺がその横を歩く。
後ろから付いてくる形でルースミアが死体を担いでついていくことになった。
そうする事で俺が死体を見る心配がないからだ。
一応死体には魔法の鞄にあったマントで包んであって見えないようにはしてある。
正直情け無いと思うが、ただの死体じゃなくて惨殺された死体だ。
平和な日本から来た俺には慣れろと言われて、はいわかりましたとすぐに慣れれるはずはない。
移動する前にルースミアには任せてしまい申し訳ないと言っておいた。
「あの、大丈夫ですか?」
「あ、はい、たぶんもう大丈夫ですよ」
「…。」
「?
俺なんかよりもカイさんの方こそ大変だったんじゃないですか?」
「…。
私、奴隷なんですよ?」
「みたいですね」
「そうではなくて、なぜそんなに優しく接してくれるんですか?」
「何でって…」
「サ、サハラは初めて接する相手にはいつもそんな感じだ」
初めて名前呼んだぞ⁉︎
主→サハラ、ランクアップか!
マズイ、マズイですぞ!俺の貞操!
けど、ルースミアには本当にいろいろ助けてもらってるし、下手に正直にお断りを言って勘違いだったら、俺ただのバカだし下手したら殺されかねん。
「ですが、奴隷は物同然なんですよ?」
「正直俺、奴隷ってどういうものか、どう接したらいいのかわからないんですよね。
それに種族は違うけれど同じ人間じゃないですか」
歩きながらそんな話をしていたら、それ以降カイは黙り込んでしまった。
こちらもマズイな。
本気で奴隷との接し方なんてわからないんだけど、最後の同じ人間のくだりは不必要だったかもしれない。
しかも背後から微妙に視線?殺気?を感じる。
「あ、来ます!」
「へ?」
「主よ、屍だ」
カイとルースミアの言葉で俺もすぐさま棒を構え正面を見据える。
ノロノロと近づいてくる4人の人影が棒にかけてあった灯りの魔法の範囲に入るとその正体がわかる。
ファンタジーのアンデッドのど定番ゾンビでやっぱりアーウー言いながら来る。
映画で見た様な生々しさはなく、半ミイラみたいな見た目のため吐き気も起こらないで済んだ。
やっぱ頭部破壊だよなぁ。
棒を剣の様に構え叩きつける。
グチャと頭が割れて何か見えそうだったため、直ぐに次の標的に視線を移し側頭部を横薙ぎに払う。
気色悪い感触が棒から伝わってくるが、そのまま次の標的へと棒を振るい呆気なく倒し切る。
ゾンビは床に倒れて動かなくなったが、脳みそを撒き散らしていて吐き気を催すが、さすがにまた吐くわけにもいかないだろうと気合でこらえた。
「す、すごいです…」
「そ、そうですか?もっと奥まで行ってたんだからゾンビぐらいは余裕じゃないですか?」
「私、ウィザードが魔法ではなく杖で殴り倒すのを見たのは初めてです」
そっちかい!
「あー、俺、ウィザードじゃなくて戦士なんですよ」
「え?あ、ごめんなさい。
杖を持って外套着ていたのでてっきりウィザードだとばかり思ってました」
「そう言えばこちらの自己紹介してませんでしたもんね。
俺は人族のサハラです。前衛を一応やってます。
で、彼女が同じく人族のルースミア。
魔術師のソーサラーです」
「サハラ様とルースミア…様ですね」
うん、ちょっとルースミアの名前で思うところがあったんだねー。
あえて突っ込んで聞いてこないのは、カイの性格かそれとも奴隷だからってとこかな。
「それにしても急に来ますってビックリしましたよ」
「あ、えっと獣人族犬種は鼻が効くので、索敵の役割をご主人様に任されてました。
その時の癖でつい…
差し出がましいことをして申し訳ありませんでした」
「別に教えてくれたのだから、謝らなくてもいいですよ。
むしろ助かりました、ありがとう」
「…。」
あ…。
また黙り込んじゃった。
移動を開始しようとカイを見たらゾンビの体を弄っている。
うわぁと思ってたら、俺の元に来て何か黒い物体を4つ渡そうとしてきた。
「な、何それ?」
「ゾンビの体の一部です」
「え?あ、冒険者になりたてでそういうの全然わからないんですよ」
流石に一瞬はぁ?と言う顔をされた。
「そうなんですか?
全てではないのですが魔物の部位に有効活用出来るものがあるので、それを持ち帰るとギルドで換金して貰えます」
あ、そういうのあったのね。
そりゃそうか、じゃなきゃ金稼げないもんね。
そういや魔物の本に細々とあった気がしたっけ。
その後は他の冒険者も見られる場所になり、遭遇戦もなく地上まで戻れた。
通りまーすってね。
いつもありがとうございます。
仲間増量するかどうかで悩んでまして、あと2話以降の進みが止まってしまいました。
色々思案してますが、更新遅れてしまったらごめんなさい。




