フラグきたー?
これを持ってけと指輪を放り投げる。
おおお!まさかこの指輪あれっすか!あの火山まで配達しに行くやつですな!
「守りの指輪だ」
おおう…
名前からして防御力アップの指輪っぽそうだ。
「それを身につけていれば、あらゆる状態の異常を防いでくれるはずだ」
おおおお!お?
「はず、ですか?」
「作った通りであればな。
識別する術がないから確証はない」
「主よ、貸してみよ。
魔力感知、物品鑑定、魔法識別…
ふむ、ちと違うな。
あらゆる状態の異常に抵抗力を持つ指輪だな」
「さすが赤帝竜よな。
儂の自信作であったが、まだまだ研究が必要か」
「いえ、十分助かります」
深々と頭を下げて礼をしておく。
内心はショボいとガッカリ。
いや、ゲームとかじゃ十分凄いアイテムなんだけどね、ルースミアがくれた賢人の腕輪が凄すぎたね。
「で、我には謝罪だけか?」
「お前には迷惑をかけただけで、損失はないだろう?
むしろ得るものの方があったはず、にもかかわらず、儂の財宝まで寄越せと言うのか?」
「我が種族が財宝を見て欲しくなるのは当然だ!
それに今の貴様には無用の長物だ」
何かやばい?
「…。
仕方無かろう。
その代わり書物や魔法の物品などは渡さんぞ」
「そんな物はいらん」
そう言うとまた謎の竜族の秘密の力だとかで、見事なまでに金や宝石だけを魔法の鞄に入れてしまった。
ルースミア、やっぱりあんた邪悪だねぇ。
「バルロッサよ、貴様の謝罪確かに受け取ったぞ」
ホクホク顔でルースミアはそう言ったが、俺もそうだが、バルロッサも呆れているようだった。
なんとなくだけど。
要件も終わったと言わんばかりに帰ろうとするルースミアをよそにバルロッサが俺に声をかける。
「サハラよ、元の世界に戻りたければ、可能性があるのはやはり神に会うしかないと思うぞ。
異世界に迷い込むなど人知を遥かに凌駕している」
「出来れば神には関わりたくないんですよね」
「うむ、確かに神は常に対価を求めるからな。
まぁ最後の手段と思っておくと良い」
俺は頷くとバルロッサの住処を出て行った。
遺跡に入って結構な時間を過ごした俺たちは、一旦街に戻って今後のことを話す事にした。
のだが…
「む」
「ルースミア、どうしたの?」
「うむ、迷った」
おいいいいいいいいいい!
分かっててここに来たんじゃないのかよ。
「まぁ適当に行けば何とかなるだろう」
「いい加減だなぁ。
じゃあ、時間はかかるかもしれないけど、右手沿いか左手沿いにずっと進むしかないね」
どうしてこうなった?
地上に出るはずの俺たちの目の前には下る階段がある。
どうしたものかと思っていると、階段を上ってくる2人の人影が見えてきた。
どうやら冒険者のようで、向こうから声をかけてきた。
「そこにいるのは冒険者ですか?」
「え、はい」
「お願いします、助けて下さい」
2人のうち1人は血まみれで、声をかけてきた女性に支えられながら近寄ってくる。
酷い有様で血まみれの方の男は片腕を切られたと言うより、食いちぎられたような感じで失っていて、腹からは内臓がぶら下がっていた…
ウプッ、ウゲエエエエエエエエエ
やってしまった。
ルースミアはそんな俺を見てやれやれといった顔をしている。
吐けるだけ吐いて落ち着いたところで見てみると、ルースミアが女性に首を振っていた。
「既に息絶えておる」
「え?そんな…」
そんな声が聞こえた。
直視出来ん…
「とりあえず、そいつは既に息絶えている。
荷物になるし、あやつが吐いて仕方がないから何処かへやってくれんか?」
「そんな!酷すぎます!
せめてご主人様を街まで、いえ地上まで連れていって報告と埋葬をさせて下さい。
私にはその義務があるんです」
「そうは言ってもな…」
哀れんだ顔で俺を見やがる。
でも悔しいが何も言えない。
と言うかご主人様?奴隷か?
お、獣耳だ!獣人族か。
焦げ茶色のショートの髪の毛にまだ幼さが残ってる可愛らしい顔立ち、15〜16歳ぐらいかな?
「ん?貴様はその人間の下婢か?」
「え?下婢…はい、奴隷です。
獣人族犬種のカイです。
この方は私のご主人様のヴェン様です」
「死んだ者の名などどうでもいい。
それより地上に戻る方向はわかるか?」
「…わかります」
「ならば連れて行け。
変わりにそれは我が運んでやる」
そう言うとルースミアはヴェンという名だった死体を軽々と肩に担ぐと俺に戻るぞと声をかけた。
奴隷であるカイが持ちますとルースミアに言ったけど、移動に時間がかかるということで大人しく従っていた。
いよいよハーレム化始動!
ってなるかまだ決めてません。
仲間増やした場合、ルースミアの正体とかパワーの桁違いやドラゴンらしさ?を出しにくくなるので迷っています。
読んでる人たちはどっちがお好みなんでしょうか?




