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凡人の異世界転移物語  作者: 小さな枝切れ
第二章 冒険者
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死者の王

「ここには人が近寄れぬよう魔術を施しておいたはずだが…これは一体どういう事だ?」

「一つ聞く。

貴様は魔導王バルロッサのリッチで違いないな?」

「…!

儂を知っているとはお前は何者だ?」

「フン、やはりそうか。

愚かにも兵を派遣してまで喧嘩を売ってきた相手をよもや忘れたか?」

「な!お前まさか赤帝竜ルースミアだと言うのか⁉︎」


ふ、なんか凄い光景を目にしてるぜ。

赤帝竜と死者の王か。

なんか因縁があるようだが、あいにく俺は部屋に入ってリッチが俺らを見た時点で全身麻痺起こしてるぜ!


全身麻痺はしてるが話は聞ける。

どうやら勝手に危険視して兵を派遣してルースミアを殺そうとしていたのは生前のバルロッサで、当時この辺りに国を持つ魔導王だった。

結局、無駄に突撃し過ぎて国の防衛もままならなくなり、他所の国によって滅ぼされたと、その他所の国がレドナクセラ1世、今の帝国の初代さんらしい。


「なぜ我を攻撃したか?

我は一度たりとも人間の領域に迷惑をかけた覚えはないぞ!」

「今となっては後の祭りよ。

あの時お前を倒せばその膨大な財宝や魔法の物品が手に入り、世界を儂のものに出来ると思っておった。

故にお前を危険視し討伐の指示を出した。

だが、お前は儂の想像以上の強さだった。

英雄と言われた者も勇者と崇められていた者もお前には歯が立たなかった。

精鋭の兵全1000名を投じても誰1人戻ってこなかった。

臣下の連中にも止められたが、当時の儂は引っ込みがつかなくなっていた。

気がつけば儂の守り手はいなくなっており、レドナクセラめが攻め入った。

もはや防ぐ手立ても無くなり、儂は奴ら諸共隕石を降らせ自らの手で国を滅ぼした」


その後巨大なクレーターが出来て湖になったらしい。

想像以上に凄い魔法だ。

水没するまでにバルロッサは部屋に籠り死者となり、残された僅かなこの遺跡になったこの部屋で生き続けてきたらしい。

外に出ようにも水没していたため、ここで自分の領域を広げながら死者を作り上げ新たな死者の国を作ったと。


それって迷惑極まりないな。


その後魔法で出来ただけの湖は100年と持たず干上がり今に至るらしい。


「そこまで生に固執するのは我への復讐か?

それともレドナクセラへの復讐か?」

「最初はな。

だが既に死んだ儂が復讐した所で何の意味もないことに気がつき、途方に暮れていたところに[死の神ルクリム]が現れこの地を譲ることにした。

今はただの魔法の研究者よ」

「それで魔窟と化したか」


うへ、神が出てきた。

しかも死の神だよ。

って、何で俺を見るよ。


「儂のことは話した。

お前のことも話を聞かせろ。

なぜお前が人の姿で人間と一緒にいる?」

「貴様には関係ないことだ。

と言いたいところだが、貴様も元は魔導王とまで言われた人間だ。

聞きたい事があって来てやった」

「儂に聞きたい事だと?

お前にわからぬ事があるとはな。

で、聞きたい事とはアレの事か?」


アレ呼ばわりですか。

って、体が引っ張られる!

クイッとするなクイッと!


「我のものに手を出すな!」

「ん?我のもの?

そうか、そういう事か。

ワッハッハッハッハッハッハ。

分かった。ならば安心しろ手は出さぬ。

お前を怒らせて朽ちる気はない。

竜に見初められし者よ、お前何者だ?」


次の瞬間、ルースミアがボッと顔を真っ赤にし否定する。

俺は全身麻痺しながらもアウアウと誰がお前のものだと否定する。


「ち、違う!勘違いだ!

それに返事しようにも貴様の顔を見て固まってるだろうが!」

「む?おお、そうだったか。

ククク、これは面白い、久方ぶりに面白いぞ」


ぜんっぜん面白くねーわ!っと、お?


「麻痺が解けた…」

「で、聞きたい事とは何だ?」


俺は転移の事を話していいものかとルースミアの方を見る。


「案ずるな、ただの屍にすぎん」

「ただの屍はなかろう」


それじゃあと最初から説明をし、ルースミア同様いろいろ聞かれて疲れた。


「異世界からの転移か。

お前の言う転移だとか転生と言う話は、少なくとも儂の知る限りでは聞いた事もないな」

「無駄足だったな。

主よ、そこの財宝を持ってさっさとここから出るぞ」

「誰がやると言った。

奪うというのであれば、儂も殺られる前にせめて小僧だけでも殺るぞ?

それに儂の話も最後まで聞け」

「ヌゥ、他に何が言いたいと言うのだ」

「儂は生前に愚かな欲のために民や臣下に多大なる迷惑をかけた。

だが、今となってはそれを謝る術もない。

そして赤帝竜ルースミア、お前にも多分な迷惑をかけたと思っている」

「当然だ!」

「…。

謝罪したい」

「謝罪するなら財宝をよこせ」

「…。

小僧、苦労するな」

「あはははは…

でもバルロッサ様は生前は良い王様だったんでしょうね」

「なぜそう思う?」

「地位のある人物が下の者に謝罪出来るってそう出来る事じゃないですよ」

「そうか…

サハラと言ったか。

お前の手助けになるものをやろう」


おお!リッチにリッチなアイテム貰えちゃうぞ!



「儂がここで研究し作り上げた魔法の指輪だ」






今日は調子よく描き進められたら、もう1話アップします。


逆に更新できない時もあるかもしれません。

その時はごめんなさい。

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