第三話 異世界知識チートの落とし穴
「ククク……異世界知識チートと言えば、やはりマヨネーズだな……」
俺は算段屋の机に肘をつき、口元で両手を組んだ。数多の異世界転生者が現地人の胃袋を掴んできた……ような気がする、定番兵器。マヨネーズ。卵、油、酢、塩が基本材料で、料理への汎用性も高い。野菜、肉、魚、パン……何に付けてもそれなりに強い。
「異世界人たちよ……未来の調味料にどっぷりハマるがよい。そしてマヨ中毒になって我に大金を払うのだ。名付けて、生娘マヨ漬け戦略……ククク」
『越後屋、おぬしも悪よのぅ』
「いえいえお代官様こそ……って、おい!」
「なんでお前がお代官様側なんだよ!」
『なんとなく小物臭がしましたので』
「お前、鼻ないだろ!」
『比喩表現です』
「いつものな。……って黙るなよ」
しばらく返事がない。嫌な予感がしたところで、『……サーバーが混雑しています』という声が遅れて返ってきた。
「無料枠ゥゥゥゥ!」
神様にはいつか苦情申立書を書きたい。
◇
俺は少し落ち着こうと、紅茶を淹れて一口飲んだ。ほっとひと息つき、カップを机に置いて、改めて考える。
「……マヨネーズと一口に言ってもなぁ」
作り方を知っている。だからといって、作れるとは限らない。地球で完成されたものを知っていることと、この世界で実際に作れることは別問題なのである。
相棒と壁打ちして問題点を洗い出してみると、三つの大きな壁が出てきた。
『一つ目、材料の確保です。この街では生卵が殆ど流通していません。あってもごく少量の上、高価です』
これは俺にもわかる。この街の市場で、卵を見かけなくはない……が、現代日本人の感覚からすると非常に高価で、病人が栄養を付けるための滋養品、という位置付けに近い。
「マヨを量産するなら、まず鶏からだなぁ……」
マヨネーズを作るだけのつもりが、その前に養鶏産業を立ち上げる必要が出てきそうだ。まぁ上手く行ったら、フライドチキン屋とか焼き鳥屋なんかも一緒に経営できるかもしれんが。
『二つ目。食の安全です。生卵を使用する以上、衛生管理が不十分であれば食中毒の危険があります。地球では原料管理や殺菌工程、温度管理などを含めた衛生管理が行われていますが――』
「この世界じゃ、そんな設備ないもんな」
『はい。また、この世界固有の微生物が存在する可能性も否定できません』
「あ」
そうだった。盲点だった。地球のマヨネーズは、卵を衛生的に扱いつつ、酢と塩の殺菌効果で食の安全が成り立っていた。この世界の卵に含まれるであろう微生物が、酢や塩に耐性のあるものだったら――
『先ほど「マヨ中毒」とおっしゃっていましたが、このまま実行すると悪い意味で「中毒」が実現する可能性があります』
「ツッコミが辛辣ゥ!」
未来の味覚を広めようとした結果、「非常に美味い未知の調味料を広めたが、食べると食中毒でメッチャ苦しむ。下手したら死ぬ」――そんな歴史の汚点に名を残すのはまっぴらごめんだ!
『三つ目。生産方法です』
「まだあるの?」
『マヨネーズは、本来混ざりにくい油と水分を、卵黄に含まれる成分の働きを利用して乳化させます』
「うん」
『少量を家庭で作るだけなら手作業でも可能ですが、大量生産となると攪拌作業が大きな負担になります』
「今やるとしたら人力……だよね?」
『現状では。将来的には水車や風車などの動力源が利用できる可能性はあります』
嫌だ!俺が一番嫌いなやつだ!同じ作業を延々繰り返す。それを楽にするために、元の世界ではITを活用して効率化ツールを作っていたのである。
マヨネーズ作りは、まったくの不可能というわけではない。 低温殺菌や、酢や塩では殺菌できない未知の微生物がいない事を確認の上、養鶏、衛生管理、製造設備まで整えれば、いつかはできそうである。しかし、資金も設備も信用もまだ少ない今の俺が手を出す案件ではない。
「よし、マヨネーズはいったんナシだな!保留!」
『現時点では、その判断が合理的だと私も考えます』
俺、諦めは早い。無理な案件へ延々リソースを突っ込むのは良くない。元社内SEとしての経験がそう告げている。できないなら、別の手を考えればいい。
「リバーシを作ろう!作るのも簡単!遊ぶのも簡単!食中毒の心配なし!」
『承知しました。少なくとも、通常の使用方法で食中毒が起こる可能性は低いと思われます』
「そこ真面目に返すんだ……」
リバーシは知識チートの中でも、比較的難易度が低い。木の板と駒さえあればいい。複雑な加工技術も必要ない。子供から大人まで遊べる簡単なルールだ。今までどうして誰も思いつかなかった?という、コロンブスの卵的な盲点だ。これぞ異世界娯楽革命の第一歩。
盤面が8×8だったか10×10だったか、どうにもうろ覚えだったので相棒に検索してもらい、俺は製作を進めた。
木の板に線を引く。8×8の六十四マス。定規なんて立派なものはないので、紐や木片を使ってなるべく均等になるように測る。
次は駒。丸く切り出すのは手間がかかるので、試作品は多少不格好でもいい。大事なのは表と裏を区別できること。片面を黒く塗り、反対側は木の色を残す。これを、一個、二個、三個……ろ、六十四個要るのか……。めんどくさっ!
この世界にCNC工作機械なんてものはない。レーザーカッターも、3Dプリンターも、電動工具すらない。ひたすら手作り。切る、削る、整える。また削る。整える。
日本に居た頃、俺も一応ものづくりをしていた。マクロを組んだ。プログラムを書いた。社内用のツールを作った。面倒な仕事がボタン一つで終わるようにした。でも、考えてみれば、俺が作っていたものには、触れることができなかった。存在するのは、画面の中。データの中。ネットワークの向こう。
それが今では、木を切って、削って、手を真っ黒にしながら、形のあるものを作っている。
「……なんか不思議だな」
『何がでしょうか?』
「いや。昔も色々作ってたけどさ」
俺は削りかけの駒を指でつまんだ。
「こうやって、手で触れるものを作ってたわけじゃなかったなーって」
『そうですね』
「よし、続きやるか!」
『頑張りましょう』
◇
そして、どうにか試作品が完成した。8×8マスの盤、六十四枚の駒。多少形が不揃いだが、遊ぶ分には問題ない。
「できたー!」
『お疲れ様です』
「相棒!」
『はい』
「試しに対局してみようぜ!」
『承知しました』
中央へ駒の初期配置完了。
「じゃあ俺は黒でいこうかな!ここ!」
ぱちり。
『では白、F4』
相棒は頭の中で盤面を見ながら、自分が打ちたい場所を指定する。俺が実際に駒を動かす。
ぱちり。
「んー……じゃあ、ここかな」
『白、D3』
ぱちり。
「えーと……」
何かいいなこれ。懐かしい。子供時代に親や友達と何度も対戦したのを思い出した。負けてばかりでイヤになって、ろくに戦略も学ばないまま封印しちゃったけど。
「ここだ!」
『白、C6』
「じゃあこれ!」
『白、F6』
「むむ……」
思っていたより強い……。いや、待て。冷静に考えたら、相手AIじゃん。ひょっとしてこいつ世界チャンピオンレベルなのでは……?まぁいい。角を取られなければ何とかなる。それだけは覚えている。角を取られないように慎重に――。
『白、A8』
「あっ」
『白、A1』
「うっ」
『白、H1』
「……」
『白、H8』
「……ぴえん」
しばらく進めた末、俺は四隅を全部取られた。そこからはもう、どうにもならなかった。盤上が真っ白に染まり――
「……負けました」
『おつかれさまでした』
「って、よくよく考えたら、AIに勝てるわけないじゃん!」
『そうでしょうか』
「そうだよ! お前、ゲームの棋譜とか戦略とか山ほど学習してるだろ!」
『一定量は含まれています』
「手加減してくれよ!」
『手加減はしました』
「は?」
『本来であれば、三十手ほど前の段階で、勝敗をほぼ確定させることも可能でした 』
「……」
『しかし、あまり早く終わると希楽さんがつまらないかと思いまして――』
お、一応気を遣ってくれたのか?
『途中から四隅をすべて取得して完勝する方向へ変更しました』
「手加減の方向がナナメ上ぇ!」
どうしてそうなる。相手をゆっくり絶望させる方向に調整してどうする。
『楽しんでいただけましたか?』
「最後のほう全然楽しくなかったよ!」
まあ、いい。ともあれ、遊べることは確認できた。
「作ったリバーシは、カミュライさんに全ての権利を差し上げようと思うんだ。俺と相棒が今こうして生きていられるのは、カミュライさんのおかげだからさ。これであの人が儲かったら、恩返しになるだろ?」
『とても良い考えだと思います。私利私欲だけに走らず、受けた恩義へ報いようとする姿勢は立派です』
「でしょでしょ~!」
そうなのだ。俺には、「借りっぱなしの恩」がある。
カミュライさんは、俺がこの世界で最初に出会った恩人だ。言葉も分からず、挨拶されただけで全力疾走して逃げたような怪しい男を、それでも見捨てなかった。
追いついて、水をくれて、街まで連れてきて、教会の人たちへ繋いでくれた。もしあの人がいなければ、俺はどうなっていたか分からない。
相棒からは、『比較的模造品が作りやすい、この世界に特許制度があるか未確認である』という指摘もあったが、そこは深く考えない事にした。商人であるなら、上手くやる方法は何か知っているはず。権利保護する手立てが何かあるならそれで良し。そうでなくとも、最初の流行を作って、模造品が出回る頃までに十分稼いでもらえばいい。いずれにしても恩返しにはなるはずだ。
俺は完成した盤を抱えて、意気揚々とカミュライさんの店に向かった。
◇
「こんにちは!カミュライさん、いらっしゃいますか?希楽ですー!」
店内には旅用の小物や保存食、布、日用品などが並んでいる。行商から戻ったときは、ここでも商売をしているらしい。
奥から見覚えのある男が顔を出した。三十代前半、俺が異世界で最初に出会った恩人、カミュライさんだ。
「おお、希楽さん。いらっしゃいませ。この街にも随分慣れてきたようで、安心しましたよ」
「あのときは本当にありがとうございました!」
今なら、ちゃんと言葉で伝えられる。最初は、キラク。水。一緒。その程度しか分からなかったのに。
『希楽さん』
「カミュライさんのおかげで、何とか言葉も通じるようになりました!」
「いえいえ。私は大したことはしていませんよ」
「いやいやいや、大したことありますって!」
あの日、あのまま俺を放っていくことだってできたのだ。それをせずに、ここまで生き残れる道を切り開いてくれたのは、誰が何と言おうとカミュライさんだ。
『希楽さん』
「今はサンダンヤ……でしたか?街の人たちから聞きましたよ。希楽さんの知恵で助かったと、色々な方が話していました」
「いやあ。今の俺には、それくらいしかできませんから」
『希楽さん』
「それでですね!」
俺は持ってきた布包みを机へ置いた。
「今日は恩返しに来ました!どうも!以前助けていただいた鶴です!」
「トゥル?……というのが何かは分かりませんが、恩返しなどお気になさらなくても」
「トゥルじゃなくて、つる……まあいいか」
『希楽さん』
頭の中で相棒が何度目かの呼びかけをしてくる。
「(ごめん相棒。今忙しいから後で!)」
『……承知しました』
よし。プレゼンに集中だ。
「これはですね、ビッグビジネスです」
「びっぐ?」
「つまり、大儲けのチャンスです」
「ほう!」
カミュライさんの目が輝いた。やはり商人、大儲けという言葉に反応しないわけがない。
「面白い娯楽商品をお持ちしました……ククク」
「それは興味深いですね」
「民衆の間で大ブームになること間違いなし!」
「そんなにですか!」
「もちろん!」
俺は胸を張った。
「さらに! 王侯貴族にも大ウケ間違いなし!」
「王侯貴族にも!?」
「民衆向けには、安い木材を使ったものを大量生産します。そして王侯貴族向けには、最高級の木材を使う。盤の縁には豪華な細工。駒は高級素材を使用!」
「なるほど」
「庶民から小銭を集めつつ、王侯貴族にはボッタクリ……げふんげふん……使用者の格に合った、質のおよろしい商品を、相応のお値段で販売するわけです」
「なるほど!」
「小さい銭も、大きい銭も。両方稼げる!」
「それはすごい!」
よし。食いついた。
「しかも!」
俺はさらに身を乗り出し、爽やかな笑顔で告げた。
「恩返しですので、俺は一切何もいりません!」
「えっ?」
「この商品の権利も、利益も、全部カミュライさんへ差し上げます」
「希楽さん……!」
カミュライさんが感動したような顔をする。そうだよ。これだよ!これでやっと少しは恩を返せる。
「俺は、優しいカミュライさんが儲けてくれたら、それが一番嬉しいんです」
「そこまで私のことを……」
俺は布包みへ手を掛けた。
「さぁ、ご覧ください!」
ばさっ……布を取り払う。その下からは、俺が苦労して作った8×8マスの盤と、白黒の駒が現れる。
「誰でも遊べる簡単な娯楽!」
じゃじゃーん!心の中で効果音まで鳴らす。地球の娯楽が異世界と邂逅する時が、いよいよ来たぞ!
「どうして今まで誰も思いつかなかった!? 知識チートの定番!」
俺は高らかに宣言した。
「リバーシですっ!!」
「……」
カミュライさんが盤を見る。
俺の顔を見る。
また盤を見る。
「……えっ」
「えっ?」
何だその反応。もっとこう、「な、なんですかこれは!?」とか、「ど、どういった娯楽なので!?」とか、そういう食いつきを想像していたんだけど……。
カミュライさんが、おそるおそる口を開いた。
「……『クルット』ですよね?」
「『リバーシ』です!」
くるっと?何言ってんの、この人。
「希楽さんのお生まれになったところでは……り、りヴァぁし? と言うのですか?」
「えっ」
「えっ」
とても嫌な予感が……いや、とてつもなく嫌な予感がする。
「こちらでは、駒をくるっと裏返すので『クルット』と言いますが」
「……」
「ほら」
「……?」
「そこを見てください」
見たくない。何だろう。ものすごく見たくない。見てはいけない気がする。見たらきっと、俺の中の何かが終わる。
「店の前で子供たちが遊んでいますよ」
やめて。それ以上言わないでっ!
「クルット」
俺は背中に冷たい汗が流れるのを感じながら、錆びた機械のように、首だけをギギギギギ…と動かした。
いた。
子供たちが、リバーシ――いや、この世界ではクルット――で遊んでいた。
「あっ……」
俺は笑った。もう笑うしかなかった。
「あはは~……」
「……」
「……」
カミュライさんと俺の間に、何とも言えない沈黙が流れる。俺はそそくさとリバーシ盤を布で包み直した。
「……すいません」
「はい?」
「出直してきまぁ~す!」
「えっ、希楽さん!?」
俺は盤を抱え、半泣きでその場から逃げた。異世界初日以来、再びの全力疾走である。
◇
「ハァ……ハァ……どうして教えてくれなかったんだよ! 相棒だろ!」
人通りの少ない路地まで逃げたところで、俺は息を切らせながら頭の中の相棒へ抗議した。
『お伝えしようとしました』
「えっ」
『カミュライさんのお店へ入った直後から、複数回呼びかけていました』
「…………あっ」
そういえば、カミュライさんと話している時に、希楽さん、希楽さん、と相棒から何度も呼びかけられた気がする。定番?の知識チートを俺もいよいよやるんだ!という興奮と、カミュライさんに恩返しができるという喜びで意識が満たされ、全く話を聞く余裕が無かった。
『希楽さんはお気付きになっていませんでしたが、店の前でリバーシ……クルットを遊んでいる子供達が視界の隅に入りましたので、その旨をお伝えしようとしたところ、希楽さんから「今忙しいから後で」と指示されましたので、ご指示通りタスクを後回しにしました』
「律儀ぃぃぃ!そこは割り込んでくれても良かったのに!」
俺はさらに頭を抱える。
「そもそも市場調査を全くしてなかったァ!」
当たり前だった。地球で新しいシステムを導入するときだって、既存環境の調査と利用者へのヒアリングは基本中の基本である。それなのに俺は「異世界ならリバーシはない」と勝手に決めつけた。なにが、「どうして今まで誰も思いつかなかった!?」だ。思いついてるじゃん、誰か。知らんけど。
赤い草は薬草のはず。異世界人の言葉は自動翻訳されるはず。そしてリバーシは未発明のはず。全部、俺が勝手に思い込んだだけだ。
「……懲りてなかった」
『そのようですね』
「でもさぁ!作る前に止めてくれても――」
『希楽さんは、「リバーシを作ろう!」とおっしゃいました』
「うん」
『決定事項だと認識しました』
「……」
『そのため、私はリバーシを作る方向でアシストしました』
ぐう……もう何も言い返せない。確かに、俺は一言も、「この世界に似たゲームある?」とは相棒に聞いていない。そもそも、調べようともしていない。知識チートのテンプレをいよいよ俺もやる日が来た!と、下調べもせずに嬉々としてカミュライさんへ持っていった。完全に浮かれていた俺のミスだ。
「……私が悪ぅございました」
俺はその場で、がっくりとうなだれた。
異世界転生小説、大好きだった。漫画も読み漁った。アニメも見まくった。そのおかげで知っていることも多い。異世界で役に立ちそうな現代知識。お約束の展開。文明チートの定番。でも、それを知りすぎているせいで、「異世界とはこういうもの」という、変な固定観念ができているのかもしれない。
この世界は、小説じゃない。俺が読んできた物語の舞台でもない。
ここには、ここで暮らしてきた人たちがいる。歴史がある。文化がある。技術がある。遊びだって当然ある。俺が地球から持ち込めるものが、何もかも新しいとは限らない。
オタク気質が、こんなところで災いするとは……。トホホ。
『またカミュライさんの前から逃亡しましたね』
「…………」
初対面、挨拶されて逃走。
今日、リバーシが既に存在すると知って、逃走。
「またやっちまったァァァァァ!」
今頃、カミュライさんは、何て思ってるんだろう。
恩返しに来ました!絶対大儲けできます!王侯貴族にも売れます!俺は金いりません!じゃじゃーん!
クルットですね。
出直してきまぁーす!
「うわああああ!最悪だぁぁぁぁ!!」
俺は頭を抱えて、その場でじたばたした。
二十九歳、元社内SE。異世界の路地裏で、羞恥のあまりジタバタしている。情けない。
◇
しばらくして――どうにか精神的ダメージから立ち直った俺は、路地の壁へ背を預けて、天を仰いだ。
「相棒……トランプ、将棋、チェス、麻雀、ウノ、すごろく、ぐらぐらゲーム……他にも色々あるけど、まずカミュライさんに『こっちには何があるのか』を聞く」
『はい』
「それで、この世界に無さそうなものだけ提案する。その際の説明書やルール整理は手伝ってくれ」
『喜んで。良い進歩です』
「うっさいわ!」
まずは恥を忍んで、カミュライさんに謝りに戻ろう。でも……恥ずかしい。正直逃げたい。
『次は三度目になりますね。逃げるの』
「戻りますぅ!」
ちくしょう……異世界知識チート、思っていたより、ずっと難しいんですけど!?




