さみしがりや
よほーい。
みんなはげんきー。
りせた。だよー。
今日も、しゅんっとしてるよー。
だってコメントこないからね。さみしいのである。
そう。
実は、筆者は、さみしがりやなのだ。
これは、要因を考えると、幼少期の頃に遡る話だ……と、思う。
何歳の頃なんだかは、記憶には……ない。
だが、状況的に考えると。2歳か3歳か、それぐらいの頃だと思う。
筆者はいつも、暗い部屋で、独り寝かされていた。母屋から少し距離のある、離れの一室だ。
「おりこうさんに寝れるよね?」
母親に、おそらく……毎晩なんだろう。そう言い聞かされていた記憶は、薄っすらとある。
変な夢を見て、起きても。
……そこには、誰もいなかった。
あるのは——闇。
ぼやりと、見える——箪笥、畳、カーテン、襖。ただ、黒い。
たとえ泣いても、誰に聴こえることも——ない。
筆者は、その頃に、さみしい想いを抱えたのだろう。と、思われる。
その後、やんちゃになっていったのも、大人の気を引きたかった心理の表れによる行動だったのだろう。かまってちゃんというやつだ。
だが、それは——その想いが——叶うことは、終ぞなかった。
そのうちすっかり悪い道へ進むことになるのだが……。その話は、もう前に書いたからいいか。
とにかく。
そんなこんなで、筆者は、さみしがりやなのだと思っていたのだ。
性根の部分に、満たされなかった幼少期の承認欲求を抱えているのだから。
——しかし。
以前の職場で。
「はぁ~。さみしがりやって、いちいちめんどくさいよねー」
同僚の女性が、そんなことを言い出した。
「そっかー。オレもさみしがりやだからなー。気を付けんとやなー」
面倒な人間は、関係性を絶たれるものである。気を付けねばならぬ案件らしい。
「……え? りせた。が、さみしがりや? ないないない! 無理があるってソレ!」
女性は、手と首をブンブンと左右に振っていた。……取れるぞ、首。
「えー? こういうのって自己申告制じゃないの?」
「はぁー? あのさー。ほんとのさみしがりやって、次長みたいなひとのこというんだって」
「あー……。あのひと、毎日朝と帰りに必ず電話してくるわ」
内容は、わりと無いよう。おそらく、暇電というやつだな。まぁ、相談事の日もあるけど。
「ほら! そうやろ? りせた。は、そういうことせんやん」
「いや、だってそんなことする相手もおらんしさー」
そもそも、他人に出来る相談事って、限られるだろうに。ちゃんと答えをくれるひとだって、あんまり居ないしな。大体のことは、自分で考えねばならんだろ。
「それに、ひとり出張好きやん?」
「あー。めっちゃ好きやな」
嫌な上司やら、嫌な同僚やらから解放された上で金が貰える素晴らしい時間だろうよい。控えめにいって最高だろーが。
「独りでご飯屋さん入れるんやろ?」
「そりゃそうやん」
「ほら、さみしがりやはそんなこと出来んって」
……独りでご飯屋さん入れるかどうかは、さみしがりや関係ないだろ。周りにどう見られてるかが気になるってパターンだと、見栄やんけ。お前はソレだろ。だからこうしてわざわざ昼飯付き合ってやってんだろに。それともお前は、『めんどくさいさみしがりや』なのか?
——などと思ったが。そんなこと言えば、キレるだろう。
「ってかさ、りせた。は、独り時間大事、みたいに言ってなかった?」
「え、大事やん」
リラックスって重要だろうよ。
「ほら。さみしがりやは、そんなこと言わんって」
「……ふーむ。そっか」
自分の中で、寂寥感なんかをどう感じて、どう処理するのかって話なんだと思っていたが。まぁ、反論するのが面倒だったので、言葉にはしなかった。
しかし、こうして解ってもらえないってことは、毎度毎度さみしいものなんだけどね?
まぁ、ずっとそうだったから、他人に解ってもらえないものだとは、とっくに実感してるんだけど。
それって、さみしいこと……だよね?




