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りせた。小噺 ~温度差で風邪ひくエッセイ集~  作者: りせた。


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タイミング



 やふーい。

 みんなげんきー?

 りせた。だよー。


 この前さ。


「ちょっと頼みたい仕事あるんだけどー」


 って、起業した元上司から電話があったんよね。

 

 でも残念。


「いや、今就活してんだけどー」


 と、答えたわけさ。

 なんで今やねん。と思ったのよね。タイミング悪いなーって。


「いやいや、どうせリーマンは性に合ってないだろぉー? いいやんかー」


「それはそうやけど。まぁ人生考えると、ここいらがラストの転換点だと思うからさぁ」


 とは返したけど。

 まぁ、一旦話は聞きに行くことにしたんだ。一応ね。就職決まるまでのバイト的に出来るかもだしさ。いつ決まるかわからんしね。


 でも。

 これ、一年前なら、ヌルッと請けてた気がすんだよなー。

 やはりタイミングってのは、大事である。


 なんというか、それこそが"運"と呼ばれるものな気がするなぁ。


 就活してると、「ご縁がありましたら」なんて言葉を投げられるし、投げる。

 これも、結構タイミングで左右される気がするんだよね。

 その企業が、その時に欲しい人物像に見えるかどうかって感じだろうからさ。


 他にも。

 恋愛や結婚も、そのご縁というやつだけど。

 やはりタイミングと語られたりもする。

 

 いつどうやって出会ったか。そして、関係構築に至るまでの周囲の状況も、大いに影響する。つまりはそんな話だからだろう。


 ……ん?

 具体的に?


 そうねぇ。


 Aさんは、モテモテの女子です。でも、たまたまその時はフリーでした。

 B君は、真面目が取り得の優しい男子です。密かに、Aさんには淡い想いを持っていました。


 ふたりは、大学生。

 同じサークルに所属していました。


 その日、サークルの飲み会があって。

 Aさんは、少しキツめに酔ってしまいました。モテモテ同士で付き合った元カレの事を思い出したのでしょうか。呑むペースは早く、少々荒れ気味でした。男たちは、慰めるフリをしながら、更に煽り散らかしました。

 B君は、少し離れた席で、その光景をチラチラと見ていましたが。心配そうにソワソワするのみでした。

 

 居酒屋を出た帰り道。千鳥足を通り越して、道に座り込んでしまいました。

 B君は、そんなAさんを放っておけず、持ち帰ろうとする他メンバーたちを強引に帰すと、水を買ってきてAさんに渡し、そっと隣に座っていました。終電がなくなっても、ずっと。


 そんなB君の優しさに触れ、酔っぱらって鈍った脳で、「あ、このひといいかも……」と、Aさんは思いました。


 次の日から、Aさんは、あざとくさりげないアピールを開始。

 B君は、すぐに陥落しましたとさ。

 

 おしまい。


 みたいなやつさ。

 タイミングの勝利的な感じよね。

 

 まぁ、この後もしあわせが続くかは知らんけど。

 それも、タイミング次第。


 会社とかで、B君にすり寄る小悪魔が現れるかもだし。

 Aさんが、イケオジに口説かれるかもだし。


 それも、パートナーと険悪になってるタイミングだったりすると、危ないわけで。

 やはり、世の中タイミングは重要なのだと思う。


 筆者が車に轢かれたのだって、タイミングなわけだしな。たった30秒違うだけで、轢かれてないんだもん。

 そしておそらく、轢かれても生きてるのも、そういうタイミング的な何かなんだろうね。……アレもランドセル背負ってたから、平気だったんだろうしさ。無ければ御陀仏さんだ。


 間が悪い、とかいう言葉と、運が悪いという言葉と、結構近いのかも知れないね。


 いつも混んでる店が、たまたま空いててヌルッと入れたりしたら、タイミングよかったなーってなるよね。たまには、そんなこともあるけどさ。

 

 あの日あの時あの場所で、宝くじでも買うんだった!

 とか。

 この株上がってんじゃん! 買っとけばよかった!

 的なことを、後から思っても。


 我は、究極的に間の悪い者……そう、間王なり!

 

 当然いい結果は生まれないッ! のだ……。


 ふぇぇ。


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