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りせた。小噺 ~温度差で風邪ひくエッセイ集~  作者: りせた。


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少し昔ばなしをしようかな[数は大事]


 

 はろはろー。

 みんなげんきー?

 りせた。だよー。


 今日もちょっとエッセイ病の症状が重くってさ。

 なんかつい書いてる。まぁ、お付き合いくだされ! 公開はしてるが、後悔はさせない!

 ってことで、よろしゅーに。


 ってかさ。

 数って概念あるやない。

 もう、現代社会を支配してるといっても過言ではないほどの、すんごい概念だよね。


 成績もそう。給料もそう。デジタルもそう。

 もうほんと、ありとあらゆる場面が数だもんな。


 そんな、『数』なんだけど。

 筆者が、その凄まじさを肌で感じた事件があったのを、ふと思い出したんだ。


 あれは、筆者が高校生……15歳頃のことだったと思う。


 冬も近付き、山から吹き下ろす風が強く、冷たくなり。肌寒くなってきた、そんな季節。

 筆者は、その日。駅前のロータリー付近で屯していた。

 別にやることがあったわけではない。

 と、いうよりも。そうして屯していることが、"やること"だった。


 ——ドゥルン! ボボボ……


 数人程度で、歩いていると。地面を擦るような大きく低い音が、ロータリーに響いた。バイクだ。音の低さ的に、アメリカンタイプだろう。


「よっすー」


 そのバイクに跨っていたのは、当時の知り合いだった。


「ああ、お前か。ってか、ソレどしたん?」


「え? いいだろー? 買ったんだよ」


「マジかよ……」


 低い車体、広いハンドル。やはりアメリカンタイプだった。国産車だが。

 まぁ、その男、学年でいうとタメだ。16歳になっていたとしても、中免しか取れないはずだ。本物のハーレーは大型免許が……ってのは、どうでもいい。バイク乗ってやがる。いいなぁーー!! 乗りてぇーー!!!!


「めっちゃいいなー。貸してくれー」


「え?! いや、買ったばっかだし……」


「なーんでだよー! オレも乗りたい! 貸してくれー! すぐ返すからよー!」


「えぇー? ってか、乗り方わかるのかよ?」


「バイクの乗り方くらい、中坊の時から知ってるわ」


「はぁー……。まぁ、そこで待ってるからよ。……ちょっとだけだぞ? 壊さんでくれよ?」


「お、マジ?! さんきゅー」


 そうして、筆者はバイクを借りたのだった。


 ——ドルゥン!


 エンジンをかけると、腹に響く。気持ちのいい音だ。アクセルを吹かすと、少し遅れてマフラーが啼く。レスが、遅いようだ。アメリカンってこんな感じかー。


「ちょ、あんま吹かすなって!」


「えー? なんてー?」


 微かに聴こえてはいたが。聞こえないフリをした。まぁ仕方がない。気分がいいのだから。


「んじゃ、いってきまー」


 ガチャンとギアを落とし、少しアクセルを開けながら、クラッチレバーを緩める。

 少しグイっと後ろに引っ張られる感覚。風が顔を撫でた。やはり、バイクは気持ちがいい。

 

 クンッとアクセルを開ければ、轟音が響く。このまま空気を割いてやる。

 

 ……と、思ったのも、束の間。場所は駅前なのだ。幾重にも並んだ信号に、すぐ捕まる。

 

 はぁ……。

 もう少し直進しようかなーと思っていたが……。ちょっと先に見えるのは、警察のカブじゃなかろうか。何だか、濃紺の制服だぞ?

 赤信号で腕組みしながら、そんなことを考えた。


 そして、信号が青に。


(ま、帰るか。あんまり遅いと、パクったとか心配するだろーしなー)


 そう思いながら、よく乗るバイクのように、Uターンしようとした。


 ——ガリガリガリッ……


「……あ、やっべ。そういや車高低いんだっけ」


 ステップを、擦ったらしい。アスファルトに、チカッと火花が飛んだ。


(うーん。アメリカンって、日本の道路向きじゃないなー。アイツ、怒るかなぁー。まぁ、とりま謝るかぁ……)


 そんなふうに考えながら、ロータリーに侵入した。手前側には、交番がある。


 ——ブォン! ブォン! ブォブォブォン!


 交番の前で、一旦止まって、アクセルを吹かしまくった。コールというヤツだ。だが、アメリカンなので、音切れが悪い。でも、音量だけはデカかった。

 ——あんなところに警察が居なかったら、Uターンしなかった。復讐だ!

 とは、特に思っていなかったのだが。後で返すときに、そう言おうと思った。


 グルリとロータリーを回って。ヤツが居るだろう辺りへ……と、思ったところで。


 ガラの悪そうな集団が、ふと目についた。……ってか、こっちに向かって来てないか?


 先頭には、金髪のオールバックで、白のファーレザーを羽織った厳つい男がいた。その男が、道路に——のしのしと歩み出て、道を塞ぐように——立った。


 ——キイッ……!

 

 慌ててブレーキをかけた。ガクンと、身体が慣性に引っ張られる。


「おい、お前、どこのモンや。今、吹かしとったやろ?」


 その男がおそらくリーダーなんだろう。そのセリフの間に、筆者の周りには取り巻きたちが囲いを作っていた。 見渡している間に、ハンドルを掴まれた。


 ——やっべ。ものすごい数だぞ……。何人いんだ? 20人超えてねぇ? 無理無理無理。てか、こんなみっちり囲まれたら、逃げれもせんやんけ。轢くわけにもいかんしなぁ。どうすっか……。


 数は、大事である。


「あー。〇〇のモンっすわー。ちょっとこの単車借りたんで、走ってたんすけど。……なんかマズかったっすか?」


「○○か……。なるほどな。まぁ、元気があってよろしい。俺ぁ△△の頭、□□ってんだ。お前んとこの頭に、よろしく言っといてくれや。でもな、今からウチは集会だかんよ。ここで吹かすのはカンベンな」


「うっす。これ返したら帰るんで、大丈夫っす」


 そう。

 筆者が所属していたチームは、地元ではわりと大きくて有名だったのだ。


 やはり、数は大事である。

 


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