少し昔ばなしをしようかな[私を連れてって]
やあみんな。
りせた。だよー。
お元気ですかー?
そろそろ、このエッセイ集も閉じようかなーって思ってたけど。
ちょっと思い付いちゃったんで、ついこうして書いてます。
筆者は、どうやら病気です。エッセイ病。治療法は、知らない。
でね。
何を思い付いたかというと。
正確には、思い出したって感じなんだけどさ。
まぁ、恒例 (?) の、昔ばなしって感じなんだけどね。
筆者は以前、スノーボードにハマってた頃があるんだ。
スノーボードといっても、グラトリとか、ジブトリがメインで、フリーランとかはあんまりって感じだったけど。
ハーフパイプとかは、全然だったけど。
そもそも使ってたのが、柔らかくて短いトリック用の板だったしな。エッジも落としてたしさ。だから、フリーランはまだしも、ハーフパイプは無理だったのだ。
そんで、パークによく居たわけだけど。
キッカーもあんまりだったなー。
人間は、飛ぶように出来ていないんだ! って、めっちゃ言ってたわ。キッカーの前で。
幼い頃は、あんなに空飛んでたのにさ。
てか。
キッカーってさ、ジャンプの飛距離と、キッカーのサイズが合ってないと、文字通り死ぬんだよなー。
飛距離足りないと、窪みに刺さるように墜落するし。
かといって。
ビビって、小さめのキッカーに入っても。
うっかりめっちゃ飛んで、降り口のところを遥かに飛び越えて、フラットのバーンに着地した時は……酷かった。
自分がどれくらい飛べるか——その実力に見合ったキッカーを選ぶのが、安全なのだ。しかし、残念ながら、見誤ってばっかだったけどな……。
とはいえ。
骨折したことは、ないんだぞ! スノーボードではな!
BOXに顔着した時も、レールにアバラ着して干された時も、後ろから来た奴に後頭部膝蹴りされた時も、折れてはないんだ! どこもな!
……血だらけにはなってたけど、たまに。ゲレンデが、赤く——染まる。ってな!
てな感じで。
どハマリしてた頃は、年間10~30回くらいは通っていたのだ。雪山に。
練習練習。ひたすら練習。
別にプロになりたいわけでもないのに。
練習練習。ひたすら練習。
大会なんて出ないから、本番なんて来ないけど。
練習練習。ひたすら練習。
ん?
小説は、練習してるけど、あわよくばプロ……というか、書籍化したくはあるよ?
とはいえ、テンション感はちょっと似てるかもね。
そんな頃の、ある冬の日。
「りせた。君って、スノボやってるんだよね?」
当時知り合いだった女の子に、そう訊かれた。
「ん? スノーボードならやってるけど? スノボはやってないかな」
その頃。
『スノボ』と略す輩は、『丘サーファー』のような——ファッションボーダーと揶揄される存在だと言われていたので、筆者はスノボとは言わなかった。スノーボードまたはボードと呼んでいた。
どうやら、ガチ勢に片足を突っ込んでいたのだろう。山に行くときは、『山で修行』と言って憚らなかった。
いや、実際修行だった。
何故なら、スノーボードを教えてくれた師匠と行くか、師匠の作ったチームの皆で行くか、独りで行くか……そんな感じだったからだ。
「あのさー。私もやってみたいんだよね、スノーボード。今度連れてってくれない?」
「……ん? いいよ。休み合うなら」
どうせ平日の休みは、全て山へ行くのだ。ついでに乗せて行くくらい、別に構わない。
それにまぁ、雪道走行は慣れてないと中々大変だしな。山道でスタックされても、道塞がるし、他のひとたちに迷惑だからな。アレは、後続車も登れなくなるんだ。そんな負の連鎖を起こされたら、厄介である。
そして、雪の山道は事故率が高い。ガードレールに突っ込んでる奴を、何人も見たからな。滑るのは、ゲレンデだけにしておく方がいいに決まっている。
「あ、じゃあ、この日は?」
「ああ、それ、行く日だな。んじゃ、5時頃迎えに行くわ」
そんな感じで、荷物をひとつ、積む事になったのだった。
▽
当日。
予定通り迎えに行き、出発。
雪の山道をひたすらに登り……。
目的地へと到着した。
「えっと、これ使っていいんだよね?」
「おー。まぁ、要らんヤツだし。お好きにどうぞ」
板がないということで、筆者のお古——最初に買って、もう使っていなかったもの——を貸したのだった。
「でさ、私、初めてだし……教えて欲しいんだけど」
「……え? まぁ、いいけど」
準備を終えて、ゲレンデに立つ。
快晴。そして、気温は低めだ。実にスノーボード日和である。
軽く準備運動のストレッチ。肺に冷たい空気が染み渡る。日常の中の、非日常だ。
「よし。じゃ、板置いて。右利きならレギュラースタンスでいいから、左足だけビンディング装着してみ」
「えっと、こう、かな……」
「んで、スケーティングするのだ。重心を落として、右足で蹴って、左足に体重乗せる感じで進む。リフト乗る時とか降りる時はコレだ。腰が高いとコケるからな」
「え、ちょ、難しいんだけど……」
「まぁ、感覚掴むまではそうかもな。んじゃまあ、一旦外して、あそこら辺まで歩いて登ろうか」
少し登った所で、一旦腰を下ろした。
「最初は、木の葉ってのを練習するのだ」
「このは……」
「身体は、ずっと正面谷側に向けたまま、右足と左足交互に重心移動して、スピードを出さんように下る感じ」
「うん……?」
「とりま、見本みせる」
少しだけ木の葉で滑り降りて、再び登る。
「わかった? ブレーキしたかったら、谷側のエッジを上げる感じだ。山側のエッジが効いたら止まるぞ。じゃ、頑張れ。オレ、リフト乗ってくるわ」
「え、うそ、行っちゃうの?」
「そらそやろ。オレも練習せなかんもん」
師匠から教わった時よりかなり丁寧に教えたから、大丈夫だろ。
師匠は、『一緒に滑りたかったら、せめてまずは普通に滑れるようになってこい』って感じだったしな。
こんだけ教えとけば、全然いけるはず。
そうして筆者は、一気に斜面を滑り降りると、リフト乗り場へ向かったのだった。
リフトから見下ろす銀世界は、太陽に煌めいて、とても美しいのだ。まさに、非日常。
ちゃんと練習すれば、近いうちにあのコも、この景色を見られることだろう。
▽
……という想い出話を、配信でしたらさ。
「それ、女の子、一緒に滑りたかったんじゃない?」
と、言われたんだ。
でも、一緒に滑れる実力ないんだからさ。
練習して、早く一緒に滑れるようになれって話だよな!?
一緒に滑っても、結局置いてくだけだし、つまんないだろうしな!
是非もなし!




