第8話:ごく普通な学園生活 (3)
入学後から3日経った。桜が雨のように散り始めた頃も講義が続いている。今回受けている講義は、モンスターについて。
「冒険者として活動するにおいて、モンスターは最大の宿敵だ。死なないためにも、危険度について知る必要がある」
角刈りでガタイの良い教授がそう熱弁しながら、チョークを手に取って黒板に板書し始める。
「まず危険度というのは、モンスターの強さを表す指標みたいなものだ。これを決めたのは魔物研究所って施設で、この指標は基本的に1〜10まで決められている」
「危険度って言われてもどれくらい強いか、学生の内だと実感分からないだろう。そこで、危険度ごとの適正ランクを書いたから、しっかり覚えとけよ」
黒板には丁寧な字でこう書かれている。
⦿1=E上級〜E初級
⦿2=D上級〜D初級
⦿3=C初級〜D上級
⦿4=C中級〜C初級
⦿5=C上級〜C中級
⦿6=B初級〜C上級
⦿7=B中級〜B上級
⦿8=A初級〜A中級
⦿9=A上級〜S初級
⦿10=S中級〜S上級
「=で結んだ危険度とランクは同格って意味だ」
「E〜Dランクは駆け出しレベルで、Cが一般的な冒険者だな。Bが玄人で、Aがプロの冒険者だな。Sランクは英雄みたいなもんで、国に1人いるかいないかだ」
殆どの冒険者のランクはA止まりで、これでも国に数十人程度。にも関わらず、Sランクを毎年数人輩出しているこの学園はまさにエリート中のエリート校と言える。
しかし冒険者ランクの話で例えられても、いまいちパッとしない。
ここで教授が危険度について触れた。
「危険度1と2はぶっちゃけ雑魚だな、農具持った村人でも倒せるレベルだ。こいつに苦戦するなら冒険者に向いてない。」
「3が最もありふれた危険度で、野生動物で例えると熊くらいだな」
「危険度4はそこそこ強いし、厄介な特性をもつ奴が多い。この草原で有名な奴だと、飛竜だな。やつは尻尾に毒を持ってる上、群れで行動するし獲物を掴んで落下死させる」
そんな強いモンスターを瞬殺したアルバを思い出す。アルバは冒険者ランクで言うとC上級くらいだろうか。
「6以降からは、食物連鎖の頂点捕食者って枠づけされている。こいつらを単独で倒すのは難しいから、腕に自信が無い限りは挑まないほうがいい。この草原で有名な奴だと、地竜だな、Cランク1人じゃ即死ぬ」
さっきアルバをCランクと予想したが、地竜相手にまだやれそうな感じだったし、もしかしたらBランク以上?
「そもそも、モンスターをモンスターと定義するものは何だっただな。その指標は3つあってな」
教授はさらに板書を続ける。
「魔力を持っているか、人を積極的に害するか、高い適応能力を持つか。この3つのうち2つ当てまった生物がモンスターと認定される」
「そもそもモンスターは、魔力の影響で肉体が変質している。そしてその性質から、魔物の高い適応能力を持つ」
炎が吹き荒れる溶岩地帯なら、魔物は炎への耐性を持ち、極寒地帯なら冷気への耐性を持つなどだろう。つまり過酷な環境ほどモンスターは強くなり、この環境が常に争いが絶えない場所なら、そのモンスターは高い戦闘能力と経験を持つようになり、恐ろしい怪物となる。
「基礎的な部分はまずここまで、こっからは大草原に生息するモンスターの種類についてだ。これは次の講義でテストするから、よく復習するようにな」
ちなみに冒険者の等級は単純な強さだけではなく、経験の豊富さも含まれる。そのため同等級の強さを持つ学生と冒険者が戦っても冒険者が勝つ。
◯現時点での等級
リト:C初級
ノーチェ:C初級
アルバ:B中級
エーデル:B中級




