↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
閃光の勇者  作者: バジルソース
第1章:小さき光よ、蒼星を目指せ
8/29

第7話:ごく普通な学園生活 (2)

 

 

 チャイムが1限目の講義の終了を告げ、15分の休憩時間が訪れた。ちなみに2限目は神秘基礎学、3限目は冒険者ギルドシステムの解説、4限目が調合式錬金術の実践と、まさに冒険者になるためには欠かせない講義が続く。

 講義の内容もとても為になった。魔法の使用方法は村で教わったから、復習程度に聞いていたものの、上級以上の魔法があったことや、効率的な魔法の使い方など、様々な知識が得られて、退屈しない講義になった。(ちなみにアルバはうたた寝してた)

 

「アルバ、薬草は切り刻んだ後は絞ってね」

 

「おうよ」


 今は4限目の講義で、実験室で回復薬調合を実践してる所だ。

 アルバは慣れた手付きで薬草を微塵切りにしている。野宿で過ごしていたらしいから、こういう作業は慣れているようだ。


「そういやよ相棒、2限目にやってた授業って覚えてねぇか?」


「その時アルバ寝てたからね、祝福(ギフト)についてだよ」


「なんだそりゃ?」


 まさか丸々寝てたのか。呆れるがあまり思わず溜息をつく。


「経験を積むと与えられる、特殊な力のことだよ。積んだ経験の種類や戦闘スタイルにそった力に沿った物が与えられるらしいね」


 講義によると、その力を与えてるのは神だとされるが、その神がどんな神なのかまでは定義されていない。


「上段斬りばかり使ってると、上段斬りが強くなる祝福(ギフト)が貰えるのか?」


「まぁそんな感じじゃないかな?その効果は超常的な物で、魔法すらも上回るらしい」


「じゃあ祝福(ギフト)持ってるやつにな勝てねぇのか?」


「祝福(ギフト)自体にそこまでの力は無いんじゃないかな、教授も祝福だけが勝敗を決めないって言ってたし」

  

 神の贈り物が人の優劣を決めない。

 まぁ祝福(ギフト)を宿してる人はだいたい経験を積んだ実力者だし、戦って勝つのは困難だろう。ちなみに祝福(ギフト)は経験を積んで得られるとは言ったが、生まれ持って祝福(ギフト)を宿す者も居るらしい。いわゆる天才ってやつだろう。

 そう話してる内に、アルバは薬草を切り終えたようだ。


「ありがとうアルバ、次はその角をすり潰して」


「おうよ」


 後はすり潰した魔物の角と、さっき微塵切りにした薬草を聖水に入れて煮るだけ。

 一部の魔物の角には薬草の効能を促進される力がある。そして浄化作用のある聖水に混ぜて煮ることで、切傷を治す程度の回復薬(ポーション)ができる。使う薬草も雑草みたいに生えてるありふれた物だし、非常にお手軽。


「祝福(ギフト)の話に戻すけど、アルバが地竜(アースドラゴン)に使ってた突き技で、桜の花が浮かぶやつがあったよね」


「桜華突のことか」


「突き技自体は戦技だと思うけど、花はどうやって浮かばせてるの?もしかして祝福(ギフト)なのかなって思って」


「多分そうじゃねぇか?あの花は〘桜紋〙って呼んでてな、いつも決めた箇所に標準を合わせると浮かび上がるんだ。そこに突き刺すといつもより刀がよく入るんだよ」


 宿す祝福(ギフト)の種類は十人十色だが、ある程度は習得条件に一貫性があって名前も付けられている。

 例えば〘一点集中〙と名付けられた祝福(ギフト)は、急所に攻撃を当てると貫通しやすくなる。この祝福(ギフト)は、弱点を精確に突き続けると与えられる。アルバの祝福(ギフト)はその弱点を作るような物だろうか。


「強力だよね、どうりで硬い鱗にも効果があったわけだよ」


「結局勝てなかったからな〜。また再戦してぇもんだ」



―――――――――――――――――――――― 



 この世界には人間以外にも様々な種族が生きている。魔女、オーガ、獣人、蜥蜴人(リザードマン)、エルフなど、1つの種族だけでもそこから幾つもの亜種に別れており、その全てが人間よりも優れた特徴を持つ。これほど豊富な種族がいると誤解や争いが生じるため、多種族共存を掲げるこの国では異種族の正しい知識を身につけることを義務付けられている。

 

「……以上が紀元前から生きる古の種族、「源種」です。では今日はそのうちの1つである吸血鬼について深掘りしましょう」

 

「吸血鬼と聞いて、みんなどんな印象を抱いているのかな?」


 吸血鬼、その名の通り血を主食として生きる種族であり、昔はモンスターとして分類されていた。故に吸血鬼は恐ろしい怪物と認識されている。


「まぁだいたい予想は付きます。私も元は聖職者ですから、吸血鬼に関する相談を多く耳にしました」


 亜人類学を担当する初老の教授がそう語る。


「吸血鬼は身体能力と頭脳の両方が優れており、不死性を持ち合わせており500年の時を生きます。太陽と白魔力に弱いことから、アンデット種に分類されていました。ではここで問題、現在の吸血鬼の分類は?」


 起手したのは眼鏡のかけたノーチェだった。


「亜人種です」


「正解です。近年吸血鬼と人が手を取り合い始めたため、アンデット種から亜人種に修正されました」


「アンデット種は吸血鬼をモンスターと見なしていた時代の名残りですからね。この辺りで吸血鬼の不死性の秘密に触れていきましょう」

 

「吸血鬼の主食は血であることは衆知でしょう。不死性の秘密は吸血行動にあり、また吸血鬼の身体的特性は源種の魔女と共通している点があります。では、これから皆さんにはグループで固まってもらい、魔女と吸血鬼の共通点を探求してもらいます」


 教授が魔法で部屋の奥から試験管の詰まった木箱を2つ取り出した。


「グループの代表は木箱から試験管を2つづつ取ってきて貰います。この試験管に入っている血は魔女と吸血鬼の物です。机に置いてある顕微鏡に血を垂らし観察し、気付いたことを紙に書き込んで下さい」


 10分くらい経過した頃、各々は結果を書き終わった。それで分かったことは、吸血鬼と魔女の血は魔力で構成されていることだ。吸血鬼と魔女の生命力は魔力に依存するため、特定の物質を自身の魔力に変換する機能を持つ。人間が食べ物でエネルギーを得るのと同じ原理で、吸血鬼のそれは動物の血に当たる。

 

「今回の講義はひとまずここまで。2日後に小テストをするので、復習を忘れないように」




◯ギフト

本人が鍛えた技術や知識が昇華した特殊能力。

超常的な力を引き起こし、その力は実力差が激しいほどに強く働く。

しかしギフトを持ち合わせてなくても、実力が上ならギフトに対抗できる。

その力の源は、神の一部であり、また神が賭けた希望でもある。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。