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101 〈現夢〉で営む束の間の安らぎ

 ル=グルゥの街を襲った不幸な事件を解決し、俺達は帝都へと戻って来た。これから先のことは、帝国に任せておけば良い。俺達は気ままな生活に戻ろうと、解決した喜びと共に意気揚々と帰ってきたのだが、俺を待っていたのは不在のうちに溜まってしまった仕事と、頼りない足元を必死に動かして、笑顔で歩いて来るイオンの姿だった。

「イオン、歩けるようになったか!」

 無邪気な笑顔を浮かべて近づいて来るイオンを、俺は膝立ちになって迎える。あと少し、というところで、躓いて転びそうになるイオンを、慌てて飛び込み、受け止める。

 怪我はないようで、腕の中でキャッキャッと喜ぶイオンを抱き上げ、立ち上がると、ヴィオーラが隣に並び、髪を梳くように優しく撫でると、頬にキスをする。

 くすぐったそうに身を捩り、しかし嫌がることなく笑うイオンに、ヴィオーラの眼も喜びで細められた。

「離れてみて分かったけど、やっぱり我が子の存在って偉大だわ」

 俺の腕からイオンを引き取ると、ヴィオーラは慈しみを込めて抱き寄せた。俺はイオンを世話してくれていたアマルセアに礼を言う。

 アマルセアは笑顔でカーテシーを決める。そこに、シェアトやマフデト、シブといった女神たちと、リィアとワルワラの巫女コンビも現れる。

「漸くル=グルゥの街も落ち着いてきたから、暫くはゆっくりできそうだよ」

「良かった。皆も無事で安心したわ。ちょっと想定外のこともあったけど…」

 シェアトはそう言って視線を向けるのは、身重の胎を持ちながら、悠然と佇むシブだ。大きさからすればそろそろ出産なのではないかと思うのだが、シブ曰く、常に懐妊状態らしい。神様スゲーな。

「時が来れば、自ずと生まれるもの」

 そう言って愛おし気に胎を撫でる姿は、神である前に、母であるのだなと思う。それを見たシェアトが羨ましそうに唇を噛むと、

「ヴァイナス、事件も解決しましたし、私もそろそろ子が欲しいです」

 と言い、マフデトも、

「姉様が産むなら、我も産みたい」

 と上目遣いに俺を見る。彼女たちは何時でも産めるらしいが、一応俺に許可を得てから産むことに決めているのだ。

「そうだなぁ、イオンも乳離れするころだし、いい時期かもしれないな」

 イオンの様子を見ながら呟いた声に、女神たちの表情が輝く。

「その言葉に偽りはありませんね!? それでは早速子を成しましょう!」

「姉様、抜け駆けはいけませんよ。我とて子を成したいのは同じです」

 俺の両腕を左右から抱き込み、連行しようとする二柱の神に、

「おいおい! 待ってくれ! 帰って来たばかりだし、仕事もあるんだ、もう少し落ち着いてからに…」

「ていうか、貴方達、何時でも産めるように子種をストックしてるんでしょう! 態々する必要はありません!」

「私達だって産みたいし、協定どうり順番でするべきじゃない?」

「それに関しては、もう一度話し合いが必要なのよね。新しいヒトが増えてるから」

 女神たちに待ったを掛ける女性陣。その横では頬を赤らめつつ、静かに微笑むインファンタの姿がある。あれ? インファンタ、いつの間に? 確かに一緒に住むとは言っていたけど、人魚って結構肉食系?

 などと失礼なことを考えつつ、インファンタを交えた女性陣が俺を中心に『話し合い』を始めようとした時、突然の鳴き声に皆が視線を向ける。

 ヴィオーラの腕の中で、イオンが泣いていた。その眼は俺に向けられ、小さな手も俺を呼ぶかのように動いている。

「はいはい、皆には悪いけど、今日のヴァイナスはパパの日よ。我らが姫がご所望だから、ね」

 無垢なイオンの願いに、流石の女性陣も顔を見合わせ、俺を解放する。俺はヴィオーラからイオンを受け取ると、イオンは笑顔になり、無邪気な笑い声をあげた。

「…仕方がありませんわ。兎に角、諍いがないように決めておかないと。ヴィオ、悪いですけど話し合いには参加して頂けますか?」

「私としても、今日は水入らずで過ごしたいのだけど?」

 ヴィオーラが肩を竦めると、イオンは母が離れると思ったのだろう、再び表情を歪ませる。それを見たシェアトは慌てて首を振り、仕方がない、と肩を落とす。

「…今日はイオンに免じて、解散としましょう。ヴァイナス、ヴィオ、ゆっくりと休んでください」

 シェアトが眦を下げて言うと、ジュネも頷きつつ、

「ううん、こんなこと思っちゃいけないんだけど、やっぱりズルいわね。あの攻撃は反則よ。私も早く欲しい」

 と言う。女性陣は皆同意するというように頷いていた。俺は笑顔に戻ったイオンとヴィオーラを伴い、久し振りの我が家( ヴィオーラの別邸だが )へと戻るのだった。



 〈遙楽園〉に戻った俺達は、それぞれ忙しく過ごしていた。俺は溜まった仕事を片付けていたし、他の面々もそれぞれの生活に戻っている。

 サロスの街はシシーシャに任せているし、上手くやってくれているので問題がなかったが、〈遙楽園〉の管理を補佐する人材を確保しないといけないな。このままだと、俺が楽できない。

 というのは冗談だが、俺が探索に出ていると、仕事が滞るのは問題だ。シシーシャにも迷惑が掛かるし、サロスの街を利用する人々にも迷惑が掛かる。

 素質的にはアマルセアが適任なのだが、彼女は言葉を話さないので、意思疎通に関して少々問題がある。オーラムハロムにはスマホの自動翻訳なんてないし、筆談という方法を取ることになると、大量の羊皮紙と羽ペン、インクを常備することになり、大変だ。

 それに、アマルセアには俺やヴィオーラがいない時のイオンの世話をお願いしている。もっと大きくなれば手が掛からなくなるが、最低でも、あと数年はお願いすることになるだろう。


 …となると、あいつにお願いするか。


 俺は立ち上がると、説得するために外出の準備をする。果たしてうまく説得できるだろうか…。

 俺はサロスの街に向かい、目的の人物を訪ねる。ゲートを使っても良かったが、お願いする立場として、正面から訪問したのだ。

「おや、正面から訪ねてくるとは珍しいですね」

 俺を出迎えたのは、埋もれるほどに柔らかな、見るからに高級と分かる絨毯の上に寝そべり、微笑む女性だ。ただし、その身体は獅子である。

 俺が訪ねたのは、テフヌトだった。サロスの街が生まれ、街に居を移したテフヌトは、時折マジックアイテムを作りながら、悠々自適な生活をしていた。

「ああ、ちょっとお願いしたいことがあってな」

「お願い、ですか。それも珍しいですね」

 俺の言葉に、テフヌトは不思議そうに首を傾げる。確かに、テフヌトが知っている魔法は全て教わっていたし、マジックアイテムも自作できるようになってからは、態々頼むことはしていない。テフヌトも今の生活に満足しているのか、城を訪ねることは少なくなっていた。

「頼みたいのは、〈遙楽園〉を管理するにあたって、俺の不在時には代わって管理して欲しいんだよ」

「それは…、また面倒臭そう…いえ、大変そうなことですね」

 今、本音が出たな。テフヌトはそう言うと、物憂げに尻尾を揺らす。明らかに気乗りしない様子だ。

「他に頼めそうな者がいなくてね。テフヌトなら、安心して任せられる」

「貴方との契約には、そんな項目はありませんよ?」

「だから、こうして『お願い』しているんじゃないか」

 俺はそう言って頭を下げた。テフヌトは眉根を寄せ、それでも承諾はしてくれない。

「私、今の生活が気に入っているのですが」

「やってくれるなら、俺の可能な範囲で希望を聞く」

「ほう?」

 俺の出した条件に、テフヌトの眼がキラリと光る。この辺りはギブ&テイクだ。テフヌトも無茶な条件は出すまい。

「でしたら、一つお願いがあります。それを聞いてくれれば手伝いましょう」

「助かる。それで、何が希望だ?」

「それほど難しいことではありません。サロスの街に、店を構えたいのです。その為の人員を用意して欲しい」

 店? マジックアイテムでも販売するのだろうか? そうなると商人が必要だな。それなら知り合いに話をして…。

 俺が考えていると、テフヌトは言葉を続けた。

「私が出したいのは、〈異邦人〉の料理人が料理を供する食堂です」


 …え?


 テフヌトの口から出たのは、予想外の言葉だった。食堂? 〈異邦人〉のシェフが営業する? 何故に?

 そこでハタと気づく。成程、こいつ地球の料理を作らせて、自分で食べるつもりだ!

「勿論、美味しい料理を作れることは当然ですが、様々な料理を作れる方が良いですね。別に複数の料理人を雇っても構いませんが」

 テフヌトの提案に、俺はどうしたものかと考えた。一応、帝都で知り合った〈異邦人〉の中に、料理好きの人や、現実世界でシェフをやっている人などに心当たりはある。話をすれば応じてくれるかもしれない。

 だが、彼らも探索者として活動したいだろう。兼業という手もあるが、それだと営業が立ち行かなくなりそうだ。どうしたものか。

「別に儲ける気はありませんよ。料理人には腕を上げて、美味しい料理を作って欲しいですが」

 こいつ、自分ではその辺りのコネが出来難いと分かって、俺に任せる気だな。俺は頷き、

「分かった。知り合いに話をしてみる。承諾して貰えたら、サロスに店を開こう」

「分かりました。店ができた暁には、貴方を手伝いますよ」

 テフヌトは満足そうに頷き、俺は知り合いに声を掛けるため、テフヌトの館を辞す。どうせなら、和洋中、バラエティのある料理が作れるようにしたいところだ。声を掛ける者のリストを脳内で纏めながら、俺は帝都へと向かうため、ゲートへと向かうのだった。



 料理人の他にも、生産系の〈異邦人〉に声を掛け、新たにサロスの街へと誘致を行った。北大陸最大の都市である帝都には、多くの〈異邦人〉が転移している。今まで面識のなかった人も、サロスの街のことは知っているらしく、俺の提示した条件に二つ返事で承諾してくれた。

「あんたが勝ち組のヴァイナスさんか。俺も肖らせてもらうぜ」

 そう言って差し出された手を握り返し、俺は何とも言えない笑みを返す。なんだ、勝ち組って…。

「あんな美人の嫁さんたちを貰って、今や一国一城の主だろ? いくらゲームみたいな世界だからって、そう上手くいくもんじゃないのは、これまでの生活で身に染みている。勝ち組ってのはそういうことさ」

 いやマジ尊敬するわ。そう言って笑う男に、俺は照れ臭くなり頬を掻く。彼の名はジンロン。帝都でレストランを開く料理人だ。彼は他のゲームでも生産職を好んでプレイしており、オーラムハロムでも最初から食堂をやるつもりだったらしく、探索にはあまり興味がなかったそうだ。

 〈異邦人〉である俺が手を掛けていることもあり、帝都に比べても珍しい食材が豊富に集まるサロスの街は、彼にとっては垂涎の的だったらしい。

「まさか、街を開いた人間が、同じプレイヤーだなんて思わなかったけどな。そもそも、そんな大それたことまでできる仕様だなんて思ってもみなかったからな」

「確かに、『何でもできる』はよくあるキャッチコピーだけど、ここまで出来るとは思わなかったよ。まぁ異世界だし」

 そこが、一番の驚きだな。俺は彼と頷きあう。彼も異世界であると知ったとき、驚きや恐怖、期待と不安が入り混じった何とも言えない気持ちになり、混乱しかけたらしいが、この世界に来てからの生活の中で、何となく今までのゲームとは違うと感じていたそうだ。

 そのため、自分の中で異世界についての折り合いがつき、落ち着きを取り戻してからは、より一層料理に精を出したそうだ。システムに捉われることなく、自由に料理できることに喜びを覚え、自らが学んだ( 彼は地球ではコックをしており、料理のシミュレートを兼ねてオーラムハロムで食堂を開いたそうだ )料理の技術と、オーラムハロムの料理を融合した、新たな料理を模索し、既に幾つかの料理を生み出している。

「この機会に、他の料理人と働けるのは、非常に有難い。俺の知らない技術や食材を知ることで、俺の料理人としては幅が広がるからな」

 せっかく自分の店を持っていたのに、他の料理人と共同でサロスの街で働くことに対する、ジンロンの答えはあっさりしたものだった。

 彼の他に三名の料理人を迎え、オーナーであるテフヌトに紹介する。オーナーがスフィンクスであることに驚いたようだったが、サロスの街のメインストリートに堂々と構えた店舗を見、自由に営業して構わないと知ると、ジンロンたちは契約もそこそこに移住を終え、食材を求めてサロスの街へと出かけて行った。

 心配なさそうなので、俺は早速料理を味わおうと待つテフヌトを引きずり、〈遥楽園〉の管理について詳細を詰めることにする。

 テフヌトは未練がましく抵抗していたが、管理を手伝うのが契約だ。俺も色々と忙しいし、引き継げることはどんどん任せて、運営が滞らないようにしないと。

 俺は容赦なく城へと戻り、テフヌトに説明をしていく。城まで来たことでテフヌトも諦めたのか、そこからは俺の話を聞き、質疑応答を交えて細部を詰めていく。

 引継ぎが粗方終わった時、ジンロンからテフヌトに連絡が入る。テフヌトはジンロンたち料理人に、直通の通話用マジックアイテムを渡していた。どうやら、店で出す料理のサンプルができたらしい。

 テフヌトはそれを聞くや否や【転移】の魔法で姿を消す。俺も気になったので、ゲートを使い店へと向かう。

 店につくと、テフヌトは既に料理を食べ始めており、一皿食べるごとに質問をするテフヌトに、ジンロンたちが丁寧に説明をしているところだった。テフヌトは頷きつつ、料理を味わう手を止めることはない。

 用意された全ての料理を腹に収め、満足そうに頷くテフヌトを見て、営業が始まったら、客として来ることにしようと心に決め、俺は店を後にした。



「それでは、改めて発表します。今後のスケジュールはこのようになります」

 城の応接間に集まったのは、俺と女性陣だ。代表して説明をするのはロゼである。今日は女性陣達の『話し合い』の結果を聞くために、この場に呼ばれていた。

 用意されたのはカレンダーと、そこにびっしりと書き込まれた『俺の』予定。〈遥楽園〉での俺の行動は、新進気鋭のワンマン社長もかくや、と言わんばかりの緻密なスケジュールが組まれていた。

「…あー、何というか、良く組まれたスケジュールだね?」

「はい、調整には苦労しました。何しろ、新たにも増えていますからね」

 俺の言葉に、ロゼはドヤ顔で胸を張った。周囲では他の女性陣が頷いている。しかし、これは…。

「それにしても、随分とタイトなスケジュールに見えるんだけど」

「皆の意見をできるだけ取り入れると、どうしてもこうなるんですよね」

 いや、俺、意見聞かれた記憶がないんですけど…。

 そう言葉を発する前に、ジュネがしたり顔で、

「皆、それぞれに忙しいし、やらなきゃいけないことも多いから、どうしても詰まっちゃう時間帯があるのよね」

 ソウダネ、なんだろう、この夕方から夜半にかけての部分は。美少女ゲームで複数の女性を攻略するのも真っ青なスケジュールである。これ、移動時間が考慮されていないよな…。あ、違う、俺は【転移】前提だわ。ゲートすら使わせて貰えないらしい。

 なんだろう、この入浴時間15分て。寮暮らしの学生になった気分だ。あ、でも誰かと入る時は長めに取られてるな。その分、睡眠時間が削られてるけど。

 食事の時間は取られているな。必ず誰かと一緒に、だけど。てかこれ、そのまま同衾だよな。全く時間に余裕がない…。

「質問いいかな?」

「何?」

「俺の個人的な時間が見当たらないんだけど…」

 俺の質問は、女性陣達の視線に段々と尻窄みになっていく。女性陣の何を言っているんだ? という視線に俺は何も言えなくなる。

「私達だって、妥協に妥協を重ねているのよ? 少しぐらい自由になる時間がなくたって我慢してね」

 ブリスがそう言って俺の肩に腰を下ろす。

 いや、少しって、その少しもないんだけど。僅かな隙間も見えないスケジュールに、俺は内心ため息をつく。仕方がない。これも俺が招いた状況なんだ。状況が変わるまでは、頑張るしかないな。

『また大きな事件があれば、貴方は飛び込んでいくでしょう? それを止めることはできないし、したくない。だから、その時までは、私達との時間を大切にしてほしい』

 リィアの言葉に、俺は頷く。確かに、何か事件が起こればそれに対応することになるし、今までの流れから、俺がやらないといけないイベントが起きるのは確定事項だろう。

 それがいつになるかは分からないが、それまでの時間を、皆と平等に過ごすとなると、こうなるのは当然だ。自由な時間がないことは、彼女たちと過ごす幸せに掛かるコストと割り切り、彼女たちとの営みを楽しむのだ、と前向きに考える。

 実際、嫌だというわけじゃないのだ。皆と過ごすことのできる時間は貴重だし、何にも代えがたいことであるのは間違いない。それにしても、

「シブとインファンタは分からんでもないが、ワルワラ、それにエメロードとマグダレナの時間まで取られているのはどういうことだ?」

 俺の質問に、女性陣からは何を言っているんだ? という視線が返ってくる。

「どうって、そのままよ? 皆、貴方と二人の時間を過ごしたいって」

 待て。俺が視線を向けると、ワルワラは恥ずかしそうに頬を染めるが、熱の籠った視線を俺に向け、エメロードとマグダレナもニコニコと笑っている。

 何がどうしてそうなった? 俺が呆然としていると、ワルワラが俺に近づき、見上げてくる。

「ヴァイナス様、あたい、今回の探索で分かったんです。ヴァイナス様への憧れは尊敬だけじゃない、って」

 そう言いながら、ワルワラの瞳は潤みを帯び、熱を含んだそれに代わる。そこにはハッキリと『女』を感じた。

「わたしも約束したでしょ? 解決したらお願いがあるって」

 エメロードはそう言って俺の胸に飛び込んで来た。そして、額を胸に擦り付けながら、熱の籠った瞳で見上げてくる。

「わたし、マスターの子が産みたい。お願い、聞いてくれるよね?」

 …えーと、どこで何がどうなって、この結論に?

 今まで意識したこともなかったエメロードの言葉に、俺は何も言えなかった。するとマグダレナも俺に近づくと、俺の右手を取り、胸に抱え込んだ。

「どうやら、私も適齢期を迎えたみたい。ヴァイナスなら、相手に申し分ない。皆も認めてくれてるし」

 そう言って微笑むマグダレナの言葉に、皆は頷きを返している。どうやら、そういうことらしい。

 ドラゴンや、ユニコーンと子作りできるのか? という疑問はあったが、人化した姿も彼女たちの形態である以上、子を成すことは可能らしく、幻想種と子を成す伝承は、大半が事実を元にしているそうだ。

 こうして、新たな『恋人』を迎え、俺の〈遥楽園〉生活は、タイトに進むことが決まったのだった。


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