↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
14/20

よし、がんばるぞ…!

中央の時計台が18:00を知らせる。平良はその音に顔を上げると、いつもの調子で全員を振り返った。


「おぉ、もうこんな時間か!明日も早いし、今日はこの辺にするか。みんな今日は来てくれてありがとうな!」


「こちらこそありがとうございました!すごく楽しかったです!かわいい服も買えたし…ね、ゆりねさん!」


笑ってゆりねを見る透子に、ゆりねもまた笑顔で返す。


「そうね。私も透子ちゃんと買い物できて楽しかったわ」


「うむ、俺たちの絆もまた一段と深まったと思う!いや、確実に深まった!なぁ八神!」


「はぁ、そりゃよかったな」


皮肉を言う元気も残ってないのか、八神が力無く返す。


「じゃあ私と平良は香辛料を買ってから帰るわ。また連絡するわね」


「は、はい!」


「またなー!」


食品売り場へと向かう2人を見送りながら、透子と八神もまた、改札の方へと向かった。


◇


「いやー楽しかったねぇ。色々あったけど、可愛い服も買えたし…!着るの楽しみだなぁ」


「俺は疲れた」


「あはは、でも最後まで付き合ってくれたじゃん!今日だってわたし、八神さん来ないかと思ってたのに…」


疲労を微塵も隠さない八神に透子が詰め寄る。八神はいつも以上に背中を丸めながら、あくび交じりに答えた。


「まぁちょっとな。見たいもんもあったし」


「見たいもん?」


「や、なんでもない。つーかお前はもっと同年代と絡んだほうがいいんじゃねーのか?俺は言うまでもないが、あいつらだって歳上だろ」


「や、八神さんにまともなこと言われた……」


「あ?俺はずっとまともだ」


八神の珍しく真っ当な指摘に透子は肩を落とす。


「そ、そうなんだよね…で、でも今週は語学の初授業あるし…!語学のクラスは人数少ないし、新入生だけだから…うん、いけると思う!」


「まぁなんとかなるだろ。最悪友達なんざいなくても卒業はできるしな」


「最悪のシナリオにならないようにがんばるの!」


透子は眠そうに目を擦る八神を見上げる。


(八神さんって悪い人ではなさそうだけど、変だしなぁ…大学生って感じじゃないし…平良部長もゆりねさんも優しいけど、先輩だし…)


八神の言葉を反芻しながら、透子は視線を落とす。


(同年代の友達かぁ…)


高校時代。引っ込み思案な自分を変えたくて自分なりに色々試してみた。


(初手で失敗して、そこからなかなか馴染めなかったなぁ…最初が肝心なんだよね…)


慣れないギャルを演じたり、無理に明るく振る舞ってみたり。それでも、いやそのせいか、全然うまくいかなかった。


(でも、もうあんな失敗しない…!普通に…普通にすればきっと大丈夫…!)


「よし、がんばるぞ…!」


「なーんか空回りしそうだな、こいつ…まぁいいか」


八神は小さくガッツポーズをする透子を横目に、再びあくびをした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。