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神のから騒ぎ  作者: あすかはなび
第三神話 神との正しい接し方
26/29

#2

「(も、もうちょ……もう、ちょい……)」


 あれから、どのくらいの時間が経過しただろうか。

 俺は時間を忘れてしまうほどに、校長の幼い胸を夢中で探索し続けた。

 しかし、いまだに秘境へは辿りつけていない!

 そんな俺を嘲笑うかのように、小鳥のさえずりが聞こえる。


「……ん? 小鳥……」


 ここでようやく、俺は校長の胸から視線を外し、部屋の窓を見た。

 カーテンの隙間からは、日の光がこぼれている。


「朝じゃあ、ないか!」


 なんだ?

 俺はかれこれ五時間も、発育途上の幼い胸を凝視し続けたのか!?

 ……一体なにをしているんだよ、俺って奴は!!

 自分のしていた行為に、今更ながら罪悪感が芽生えた。

 それによって、俺の興奮度は、一気にトップからローへとギアチェンジされた。

 その反動なのか、自己嫌悪が嵐の如く襲いかかる。

 俺は頭を抱えながら校長を見た。

 こんな幼い子に……こんな……ん?

 ――校長と目が合った。

 心なしか、睨まれているような気がする。


「お、おはよう」


「……慎也。目が充血を通り越して、軽く流血しているぞ」


 校長は呆れたように言って、頭上に手を伸ばしながら欠伸をした。


「そんな日もある!」


「はぁ。貴様は行動力があるのだか、ないのだか、我にはよく解らん」


「そ、それってどういう意味?」


「……はぁ。貴様がずっと我を凝視していたものだから、気になって寝むれなかった。そのせいで我まで寝不足だ」


 校長は二度目の溜息を吐いて、更にとんでもないことを言う。


「…………しかも、胸を」


 ば、ばれていたのか!

 おかしいとは思っていたんだ。

 俺が校長を見続けてから、校長は一度も姿勢を変えることはなかった。

 つまり、校長も起きていたということ!

 だが解らない。

 校長は俺の視線に気付きながらも、どうして狸寝入りをしていたんだ?

 校長の性格を考えれば、すぐに拳が飛んできてもおかしくなかったはず。


「我の胸なんか、その、見ても面白くはないだろ? ……小さいし」


 校長は、ワンピースの裾を小さい手でギュッと抑えながら、上目使いで俺を見た。

 俺の目の前にいるのは、本当に校長なのか!?

 ヤバイ! ローにチェンジされたはずのギアが、またもやハイになっちまう!

 今の校長はなんというか……かわいすぎる!

 その一言に限る。


「胸を凝視していたというのは断固肯定しかねる! それと、胸の大きさに関しては申したいことがある!」


「……む」


「おっぱいの大きさには、それぞれに違った良さがあるんだ!」


「…………そうなのか?」


 校長は俺の言葉に圧されたのか、俺から少し距離をとった。


「大きな胸には包容力! どんなに辛いことがあったとしても、大きな胸に顔を埋めれば、脳に幸せエキスが分泌され、辛いことなんて吹き飛んでしまうことだろう! 平均サイズの胸には安心感! 大きくもなく、小さくもない。しかし、もし嫁が平均サイズの胸の持ち主ならば、俺は鳥が巣に帰るのと同じように、安堵を求めて真っ先にいえに帰ることだろう。そして、小さい胸には……夢や希望がある! もしかしたら、これから成長をするかもしれない。

『お前の胸は、必ず俺が成長させてやる!』がキャッチコピーの、おっぱい育成型ADVを楽しめることだろう! それになによりも、小さい胸には犯罪的な香りが…………どうして、俺からそんなに距離をとる!?」


 俺が夢中で胸の良さを語っていたところ、校長はベッドの隅ギリギリまで移動をして、汚物を見るような目つきで俺を見ていた。


「……このようなことを息継ぎなしで生き生きと語るとは、やはり貴様はゴミクズゲロ野郎だっ」


 なっ!

 今、俺は、――素で気持ち悪がられているッ!?


「まっ、今のは冗談なんですけどね! 俺が言いたかったことは、胸の大きさで女性の価値は決まらないってことさ!」


 俺は、すぐさま可能な限りに爽やかな表情を浮かべ、前言撤回を図った。


「……まぁ、良い。とりあえず、……慎也は小さい胸も好きなんだな?」


 ごにょごにょとハッキリしない言い方。

 もしかしたら、校長は俺の返答次第で更なる罵倒を浴びせてくるかもしれない。

 俺は校長の問いに対し、正直に答えるべきかを考えた。

 そして、俺が導き出した答え。


「大好きです」


 好きなものは好き。

 罵倒なんて、知ったこっちゃねぇ!

 さぁ、くるならこいッ!


「……ならよい」


 しかし、校長が俺に見せた反応リアクションというのは、俺が考えていたものとは百八十度違うものだった。


「朝食の支度をするから、その腑抜けた顔を洗ってこい!」


 校長の口調には、確かに辛さがあったのだが、顔は女の子がケーキを食べているときのように、甘い笑顔だった。



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