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【悲報】レベル1の妹。兄の装備でダンジョン配信を始める。(84億円相当の激レア装備で最下層スタート、未確認ドラゴンに遭遇した模様)  作者: 高瀬ユキカズ
始まる人類領域への侵攻

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第366話 ドラゴン召喚とクエストクリア

「ふう……。やっと止まった……」


 戦闘機は泥水を跳ね飛ばしながら着陸したため、私もミリアも泥だらけだった。前に立っていたのはミリアだから、私よりも被害は甚大だ。


 ジャイアント・ワームを倒して用無しになったため、戦闘機の召喚は解除した。ポリゴンの粒子となって消えていく。


「お姉様。次なる敵はどこでしょう? ミリアはブレイズキャノンを撃ち足りないのです」


 全身を真っ茶色にしながらミリアはガントレットを構えているが、残念ながらミサイルの残弾はない。


「ミリアの装備って私のメタル魔法で改造してるのね。ミサイルは補充しないといけないんだ」


「じゃあ、補充をお願いするのです」


「補充してもいいんだけど、私の残りMPが少なくて。ここにいるリザードマンはフレイムドラゴンに倒してもらおうと思ってるんだよね」


「つまり、お姉様はミリアよりもドラゴンを選ぶと。ミリアに使うMPはなくとも、ドラゴンに使うMPはある、そうおっしゃっているのですね?」


「違う違う。ミリアも鏡を見ればわかると思うけれど、全身が泥まみれだよ。ドラゴンにリザードマンを倒してもらっている間に洗おうよ」


「お姉様も泥だらけなのです」


「よし、じゃあ、要塞に戻ろう。あとの処理は全部フレイムドラゴンに任せる」


 魔法陣が描かれ、真紅の巨体が現れる。

 圧倒的な威圧感を放つその姿。大木ほどの太い脚、ビルのようにそびえ立つ胴体。長い首を持ち上げ、空を切るように翼が広がっている。頭上の棘は鋭く、睨むような双眸が光を放っていた。


 見上げるほどに大きなフレイムドラゴンは、私の指示を待っていた。


「さあ、フレイムドラゴン。行って、敵意を向けてくる者、すべてを倒してきなさい! 人間だけは殺しちゃ駄目だよ。わかった?」


 私の言葉を理解したのか、巨大な首を下げた。それからすぐにフレイムドラゴンは翼を大きく広げ、飛び立った。さっそく最初のリザードマンを見つけ、ブレスの炎で焼いていた。


「じゃあ、私たちは要塞に戻ろう。体を洗わなきゃ」


「はい、なのです」


 私たちが要塞に戻ると、柳井ハンターを筆頭に、ハンターたちが敬礼をして迎えてくれた。


「春菜さん。ご苦労でした。見事な戦いぶり、あれほど簡単にジャイアント・ワームを倒してしまわれるとは」


 柳井ハンターの後ろには25人のハンターが並んでいる。剛力ハンターと鈴原ハンターもその横にいた。


「楽勝ですね」


 答えながら、私とミリアは渡された水のボトルで体を洗いはじめた。


「ところで、空を飛んでいたのは戦闘機ですか? あれも春菜さんが?」


「はい、私が召喚しました」


 周囲からは「おお……」とざわめきが起こる。互いに顔を見合わせる者もいれば、私に尊敬の眼差しを向ける者もいた。


「少し気になったのですが、わめき声が聞こえたようなのです。あれも、春菜さんが……?」


 柳井ハンターの言葉に、私は動きを止める。

 すん……

 そんな擬音がぴったりの私の無表情が全員の視界に入ったはずだ。


「お姉様は飛行機が大得意なのです」


 水で洗い流されて、全身ピカピカになったミリアが胸を張りながら答えた。


「なるほど、大得意……。てっきりなんらかの非常事態でも起こったのだと思ったものですから。私たちも弓やボウガンで援護射撃をいたしました。余計なお世話だったでしょうか」


 鈴原ハンターまで心配していたんだと訴えてくる。


「春菜さん、もしかしたら高所恐怖症なのかなって。私、心配したんですよ。そのまま戦闘機ごと落っこっちゃうんじゃないかって」


 剛力ハンターは深く頷きながらこう言った。


「あるいは苦手ななにかがあって、我々も応戦しようと口々に言い合ったのです」


 他のハンターたちもその時のことを思い出しながら口々に話しだした。


「そうそう、飛び方も少しおかしかったしな」


「なんか、変なトラウマでも抱えているんじゃないかと」


「これはもう墜落もあり得ると思って、俺たちがなんとかしなきゃって……」


 この場がざわめき始めたので、私は焦点の合わない虚ろな目で弱々しく反論する。


「何を言っているんですか、みなさん……」


 もちろんハンターたちの言葉は止まらない。


「いや、絶対なにかがおかしかったんだって……」


 私はそれを制するように、手のひらを彼らに向けた。


「私、飛行機得意ですが、なにか?」


 無表情で抑揚のない私のセリフを最後に、クエストクリアが宣言された。


 すべてのリザードマンがドラゴンの手によって倒された。


 フレイムドラゴンに出した命令。


――敵意を向けてくる者、すべてを倒してきなさい。


 これがのちに少し厄介な事態を引き起こすことになる。


 ゲートにより生まれたこの世界は消え、私たちは渋谷の交差点に戻ることになった。


 すでに民間人は避難を終え、この場にはいない。

 代わりに私たちを取り囲む存在。


 ゲートからモンスターが渋谷に放たれてしまったときのための備えとして、自衛隊の戦車部隊がそこに配置されていた。


 そして、見上げると渋谷のビル群の上空に真紅の巨体。私が召喚したフレイムドラゴンが大きく翼を広げて飛んでいた。


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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 >火竜が東京上空に マズいですよ!?このままだと一部界隈でクソゲー扱いされてるドラッ○オンドラグーンの最後みたく、東京タワーにドラゴンが刺さって百舌のはやにえ状態になっちゃ↑~う…
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