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【悲報】レベル1の妹。兄の装備でダンジョン配信を始める。(84億円相当の激レア装備で最下層スタート、未確認ドラゴンに遭遇した模様)  作者: 高瀬ユキカズ
始まる人類領域への侵攻

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360/365

第360話 剛力ハンターとAIの会話

私とミリアの話を黙って聞いていた剛力ハンターだったが、抑え切れなかったようで、口を挟んできた。


「その話は本当なのか?」


 私は持っていたミリアのタブレットを掲げた。


「このデバイスのAIはデバイスリンク・テクノロジーズ社の先端技術で作られています。現在判明している情報から分析して、真実に近い内容を弾き出しているはずです」


「我々が戦っているのがAIと融合した人間であれば、我々には勝ち目がないのではないだろうか?」


 確かにAIの進化は凄まじく、人間の処理能力を遥かに超えている。そのAIと人間が融合したのならば、私たちに勝ち目はない。


 私が答えあぐねていると、代わりにター君が答えてくれた。

 タブレットからはAIによる合成音声が流れる。


『剛力ハンターさん。あんたたちが〝AI人間〟とまともに戦えるはずがないよ。だって、弱すぎるんだもん。

 相手さんはほんのわずかも本気を出していないよ。そもそも彼らの元にすらたどり着けないんじゃないのかな?』


 ター君はミリアの弟という設定だ。5歳ほどの年齢が想定されており、子供っぽい声だ。その声で言われたものだから、剛力ハンターはカチンときたようだ。


「彼らの元?」


 少し不機嫌そうな声で、顔をしかめていた。


『ミリア姉(ねえ)はダンジョンの最下層、底の底と言った。あんたたち〝こちら側の人間〟のダンジョン攻略率は絶望的なほど低いんだよね。普通に侵略されて終わるんじゃないかな?』


「ダンジョン攻略率だと? 初めて聞く言葉だ」


『そりゃあそうだろう。それほどにあんたたちは〝遅れている〟。剛力ハンターさん。あんた、レベルは?』


 ムスッとしながら剛力ハンターは答える。


「レベルは59だ。私のレベルがどうかしたか?」


『そのレベルってどのくらいの強さなんだい?』


「ハンターの中では中堅といったところだろうな。ジャパンランキングには入っていないが、上位40%には入るだろう」


『ふーん、なるほどねえ。〝遅れている〟と言ったのを訂正するよ。正確には〝絶望的なまでに遅れ過ぎている〟だった』


「はは、口の悪いAIだな」


『〝こちら側の人間〟の現在の最高レベルは92だよ。ワールドランク1位のミランダ・モリスのレベルさ。1位でこの低さだからね』


「92? 最新のニュースでは90と言っていたぞ。91に上がるには何年もかかるはずだ」


『まあ、じきに発表されるよ。彼女はもう走り出している。加速が始まっているんだ。だけど、人類全体の成長速度が遅すぎるんだ。絶望的なんだよ』


「レベル92が本当だとしよう。それで低いというのか?」


『剛力ハンターさんはレベル92で強いと思っているのかい?』


「そりゃあ強いだろう。まさに規格外。破天荒なまでに圧倒的な戦力だ」


『まあ、こちら側の人間同士でじゃれあうなら、そうだろうね』


「何が言いたいのだ?」


『低レベルな争いってことさ』


「なんだこの口の悪いAIは。おまけにはっきりと物を言わない」


 私は自分が責められたように感じて謝ってしまう。


「すいません。本当に口が悪くて。はっきり言わないのは、伝えてはいけない内容に制限があるようなんです。私のタブレットもそうなんですよね」


『まあ、おいらの場合、今回は特に制限には引っかかっていないぜ。あと、伝えてはいけないんじゃなくて、伝えないほうがいいというのが正確なところだな。知らないほうがいいってこともあるだろ?』


「なら、私から聞くけれど、低レベルな争いじゃなかったらどういう状態なの? どのくらいのレベルだったらいいの?」


『うーん。じゃあ、伝えるけどよ。聞いたら絶望するんじゃねえかな? やつらに勝とうと思うならランカーのトップはレベル200を超えていないとだめだな。一般ランカーならレベル100オーバーが標準(スタンダード)になっていないと。そうじゃなきゃ、とてもじゃないけどダンジョン攻略は無理だぜ』


「そんなに……」


『だから言ったろ。今は絶望的な状態なんだ。まあ、ミランダ・モリスはトップを独走しそうだよな。レベル100はすぐに視野に入ると思うぜ。春菜の姉御もそろそろ覚悟を決めないとな。ミリア姉が期待してるんだからよ』


 ミリアのレベルは173だ。それを超えるほどのレベルを目指せというのか。


「そっか。私のレベル76っていうのは低いんだね」


 私の声は力を失っている。

 ミリアとの差は100近い。果てしないその先にミリアはいる。


「お、お前……。レベル76だったのか……。だから、ずっと余裕を見せて……」


 いまさらながら、剛力ハンターは驚いていた。

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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 エースではなく一般戦闘員でも、最低三桁レベルは無いと向こうの次元とは戦いにならない(ダンジョン攻略は出来ない)んですなぁ…もりもりさん結構強いと思ってたのにまだまだだったとは。 …
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