↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【悲報】レベル1の妹。兄の装備でダンジョン配信を始める。(84億円相当の激レア装備で最下層スタート、未確認ドラゴンに遭遇した模様)  作者: 高瀬ユキカズ
始まる人類領域への侵攻

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
358/366

第358話 ミリアの新しい装備

 ゲートに入ってから5分が経過しようとしていたが、ほどなくして先発隊と合流することができた。

 すぐに合流できたのは、お互いに連絡が取れることが大きい。先発隊は入口近くに戻ってきていた。


 広いゲート内を探し回ることになっていたら、見つけるのに時間がかかっただろう。


「助かった。君たちの勇気がなかったら、柳井ハンターはどうなっていたことか」


 その柳井ハンターはまだ治療の途中だ。高級ポーションとはいっても、一瞬で治るわけではない。まだ完全に回復しておらず、ポーションの効果を待つ必要がある。

 重症だったこともあり、しばらく柳井ハンターは動けないだろう。


「クエストクリアを急ぎたいですね」


 私は周囲を見回した。

 今いる場所は背の高い草で囲まれており、視界が悪い。


 モンスターの場所はデバイスで確認できる。突然襲われることはないのだが、先発隊は25人いる。


 私1人で全員を守ることは難しい。剛力ハンターと鈴原ハンターも加えたら27人になる。27人の中には深手を負っている柳井ハンターもいるのだ。


 その柳井ハンターだが、鈴原ハンターが治療に加わっている。


 鈴原ハンターは回復師(ヒーラー)だ。ミリアを背中におぶったまま、魔法を使っている。ポーションに頼り切るのではなく、少しでも早く回復させるためだ。


「ミリア、鈴原ハンターの迷惑になるから、降りなさい」


「お姉様がおんぶしてくださるのなら」


 ミリアは鈴原ハンターの背中でタブレットを操作し、動画を見続けている。


「まだそんなことを言うんだ」


 私はミリアの後ろから覆いかぶさるように抱きついた。鈴原ハンターは回復に専念している。その隙に、ミリアの持つタブレットを操作した。このタブレットは私のものだった。


「ミリアに新しい装備があるのだけれど」


「新しい装備、なのですか?」


 ミリアが興味を示した。動画を見ていたタブレットから顔を上げる。


 最後にミリアが身につけていた装備はエンジェル装備だった。ピンクメタリックの可愛らしい装備だったが、大統領に返却しなければならなかった。


 新しくミリアのために用意した装備――。


 フリーマーケットで獲得したポイントと私の魔法を使って生み出した、誰も持っていないエンチャント装備だ。


「まだね、ブーツとグローブしか揃っていないんだけど……」


 既存の装備に改造を加えたもの。

 それはミリアの弱点を補うための装備だった。

 私のメタル属性の魔法を使用して作成しているため、アーマーとヘルメットは製作途中だった。


「興味があれば実体化するんだけれど、どうする?」


 私の言葉に、ミリアは動画のアプリを終了させた。どうやら興味を示したようだ。


「お姉様、お願いするのです」


「じゃあ、実体化するね」


 タブレットの操作により、ミリアの手足には重厚なメカニカル装備が装着された。ミリアは可愛らしいフリルが幾重にも重なったワンピースを身にまとっている。その可愛らしい出で立ちとは裏腹に、足元と両腕は異質な存在感を放っていた。


 足に装着されているのは、フロート・ゲイルブーツ。重厚な金属製のブーツの側面には、複雑な配管とエネルギーラインが走り、靴底には無数の小さな噴射口がある。

 この噴射口から風魔法によって空気の奔流が発生し、水面を浮いて歩くこともできる。


 両腕にはめられているのは、ブレイズキャノン・ガントレットだ。漆黒の金属で覆われた巨大な籠手は、まるで小型の攻城兵器のようだった。拳部分には複数の砲口が搭載されている。そこから灼熱の炎を纏った魔法ミサイルが射出される。


「すごいのです、お姉様。ミリアの両手両足がメカのようなのです。ミリアはすごく強くなってしまった気がするのです」


 ミリアは鈴原ハンターの背中から降り、沼地の水面に立っている。フロート・ゲイルブーツの能力により、水に浮かんで立つことができるのだ。


「そのブレイズキャノン・ガントレットもすごいでしょ? 攻撃能力がないミリアに武器を持たせたかったんだ。でも、通常の武器だと無理みたいだった。だから、私の魔法を組み合わせて作ったんだ」


 ミリアは通常の武器を使うことはできない。私のメタル属性の魔法で作り出した近代兵器に近いものなら、ミリアでも使えるのではないかと考えた。


「お姉様、これは拳の先からミサイルを発射するのですね。ミリアはまるで兵器になったようなのです。これで、戦車でもロボットでも倒せそうなのです」


 ミリアは興味津々といった様子でブレイズキャノン・ガントレットを動かしている。ガントレットの先端には3つの砲門がある。そこからミサイルを発射する。


 ミリアは沼地の水面をスケートでもするかのように滑りながら進み、ブレイズキャノン・ガントレットを振っていた。


 フロート・ゲイルブーツもブレイズキャノン・ガントレットも大木ほどの太さがある。重すぎないかと心配したが、ミリアは軽々と扱っていた。


「これはいいのです、お姉様。ですが……」


 ミリアは水を蹴って、私の近くへと滑るように近づいてきた。


「この腕ではタブレットを持つことができないのです。動画を見ることが……」


 そう、ブレイズキャノン・ガントレットには大きな欠点がある。腕は完全にガントレットに収納されており、物を持つことができない。


「動画が見たい時は、私がタブレットを持てばいいじゃない」


「お姉様。ハメましたね……」


 ジト目でミリアがこちらを見てくる。


「いやいや、違うから。そんなつもりはまったくないから」


 私は顔の前で手をぱたぱたと振って否定する。


 もちろん、そんなつもりがまったくないというのは嘘だった。まったくないわけではない。

 ぶっちゃけ、タブレットを持つことができないことは最初からわかっていた。


 想定外だったのは、ミリアがそのことにすぐ気がついてしまったことだ。

 知恵をつけたモンスターはなかなか厄介なものである……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。