↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【悲報】レベル1の妹。兄の装備でダンジョン配信を始める。(84億円相当の激レア装備で最下層スタート、未確認ドラゴンに遭遇した模様)  作者: 高瀬ユキカズ
始まる人類領域への侵攻

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
338/367

第338話 大盛況

 フリーマーケットに出店した私たちは、SNSでもちょっとした話題になっていた。


》「よくこんなにエンチャント装備を集めたな」

》「さすがハルナっち。今度は商売人を目指すみたい」

》「エンチャントの成功率が高いのかな?」

》「ハルナっちの運の良さは常識を超えているからな」


 商品が売れるたびに、それを資金として仕入れに走る。私はほとんど店に立たず、湊ちゃんと春日井君が店番をしていた。


 商品は飛ぶように売れていったが、それにつれて、仕入れるアイテムも高いものを選ぶようになった。高額商品になるにつれ、さすがに売れ行きは落ち始めた。


 仕入れても売れなければ意味がない。私はいったん店に戻ることにした。


 とんでもない人で溢れていた。今売られている商品はどれも高額な物ばかりだ。ここにいるほとんどのハンターには手が届かないだろう。大多数はもの珍しさで集まっていた野次馬だった。


 私は「すいません」「ちょっと通してください」と声を掛けながら、人混みをかき分けていく。周りのハンターには嫌な顔をされてしまった。


「お嬢ちゃん、ここの店はエンチャント装備ばかりを扱っているんだ。お嬢ちゃんが買えるような物なんてないんだぜ」


 私は中学校の制服のままだった。とてもこの店の商品を買えるようなハンターには見えないだろう。


「私、ここの店の者なんで……。店員なんです」


「ははは。なに言って」


 思っていたより人混みが多い。声を掛けながら、なんとか前へと進んでいく。


「すいません、すいません。通してください」


 かき分けていくと、ハンターたちには露骨に嫌な顔をされてしまう。


「君に買えるような物はないよ」

「俺たちだって見たいんだよ。めったに見られない装備だし」

「順番を守ってほしいな。おい、押すなって……」


 私はこの店の人間なのだ。しかし、それをわかってもらえるはずもなかった。


 半分くらいまで進むと、なんとかハンターたちの隙間から前を覗き見ることができた。


 すると、前の方にはエンチャント装備を身に着けたハンターたちが何人もいた。それぞれ見覚えのある人たちで、なかには世界ランクに登録されているハンターもいた。


 そのハンターたちが私たちの商品の前で装備を選んでいるようだった。すでに私がエンチャントした装備を身に着けているが、さらに別の装備も買おうとしているようだった。


 見える範囲だけで5、6人はいた。有名ランカーたちが店の前にいるものだから、他のハンターたちは少し距離を取って周囲を取り囲んでいた。


 私はやっとのことで、人混みをかき分けてそのハンターたちのところまで行くことができた。


「ふう、やっと抜けられた」


 私は額の汗を腕で拭う。前に出ながら、商品を見ていたハンターたちに声を掛けた。


「いらっしゃいませー。お気に入りの物がありましたら、ぜひ手に取って見てください~」


 すると、そこにいた6人のハンターがいっせいに私に顔を向けた。鋭い目つきで見られたため、とっさに身を引いてしまった。


 湊ちゃんと春日井君が手を振ってくれる。

 

「あ、春菜。おかえり~」

「やっと店主が戻ってきたか。大盛況だったんだぞ」


 見ると、店頭に並んだエンチャント装備も残り20ちょっととなっていた。これを売り切れば私たちの店は閉店となる。


「君。君が店主か!? いったい何なんだ、この装備は!」


 肩を掴まれて、ぶんぶんと揺すられてしまう。目が回りそうになった。


「な、何って。エンチャント装備ですが……」


「違う! どうして1億近い装備品にエンチャント・オーブなんて使う気になれるんだ。燃えてしまうだろう! しかも! 1個や2個じゃない! こんなにたくさんも! いったいどれだけの資金を投じたらこんなことができるんだ。いや、損失のほうが遥かに上回るのだから、やるはずがないんだ!」


 確かにこのハンターの言う通りだった。例えばここにある神弓の鎧。これは名弓の鎧をエンチャントしたものだ。名弓の鎧は相場で9千万DPを軽く超えるから、エンチャント・オーブも気軽には使えない。


「そこはまあ、スポンサーがおりまして」


 この点に関する言い訳を用意しておかなかった。私はとにかく買ってくれるよう、胡麻(ごま)をするだけだ。


「どうですか? この神弓の鎧。見事でしょう。旦那にきっとお似合いですよ。この鎧を使えば誰でも弓の名手、きっと――」


「待て、待て。俺は弓なんて使わない。魔法による後方支援なんだ」


「あ、だったら、こちらのストームクラッシャー・シリーズなんてどうですか? 一式揃えたら攻撃力も桁違い。とんでもない破壊力でございます」


「いや、でも……。一式となったら20億を軽く超えてくる。さすがに手持ちが……」


「ですよね。じゃあ、鎧とグローブにしたらいかがでしょう。2品だけでもエンチャント装備の威力は発揮できますよ」


「うむ。まあ、それならぎりぎり手が出るかな」


「まいど! おおきに!」


 私は大阪の商人ばりに、満面の笑顔で装備を売った。売上金額は9億5千万DP。仕入れの分を差し引いても7億以上は儲かる計算になる。ボロ儲けだった。


 ダンジョンポイントを受け取ろうとタブレットを手にした時、後ろから別のハンターに肩を掴まれてしまった。


「待て待て。こいつは俺の店にいたガキンチョじゃねえか。美沙チー様が成功したエンチャント武器を見て、偽物を売ろうと思いついたんじゃねえのか?」


 いつの間にか私の背後に立っていたのは、美沙さんといっしょに店を出していた小太りのハンターだった。男の手には魔法剣――ファイアーマジック・ソードが握られていた。


「みんなー。このガキンチョはぜってー詐欺に違いねえぜ。だって、おかしいだろ。こんな小娘が、高額装備を扱えるように見えるか? 見えねえよな?」


 男はファイアーマジック・ソードを振り上げ、空に向けて突き出していた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 このデブが…!? やっぱり人の成功を妬むカスは、いつの時代だろうが何処の世界だろうが存在してますなぁ…○ね(直球 それでは今日はこの辺りで失礼致します。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。