↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【悲報】レベル1の妹。兄の装備でダンジョン配信を始める。(84億円相当の激レア装備で最下層スタート、未確認ドラゴンに遭遇した模様)  作者: 高瀬ユキカズ
始まる人類領域への侵攻

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
337/365

第337話 出店

 もりもりさんとの通話を終えた。今から私たちは装備を集めて出店することになる。


「湊、春日井君。もりもりさんに8億1千万DPを借りてしまったね。もりもりさんは同額で返してくれればいいと言っていたけれど、私は増やして返したいと思う」


 このことには2人とも同意してくれた。


「おお、いいと思うぜ。もりもりさんは結婚資金だと言っていたしな。豪勢な結婚式になったら俺たちも鼻が高い」


「そうだね。でも、春菜にはそれ以上の意図があるんじゃない?」


「うん。お兄ちゃんへの当てつけもあると思う。お兄ちゃんはもりもりさんを選べばよかったと思ってる。だって、ミランダとかいうわけのわからない女だよ」


「ミランダさんって、すげー強いらしいな。モンスターを倒しまくるって噂だぜ。きっと俺なんかよりゴツい体で、とんでもないパワー系なんだろうな」


「私としてはもりもりさんみたいな綺麗で優しいお姉さんが良かった。でも、お兄ちゃんが選んだのだから仕方ないよね。これは、私なりの意趣返しの意味もあるかもしれない」


「うし。俺も協力するぜ。もりもりさんには倍にして返そうぜ」


「春菜、私も協力するよ」


「ありがとう、ふたりとも。じゃあ、さっそく行動開始。まずはエンチャント・オーブを集めないとね」


 エンチャント・オーブの現在の市場価格は1万DPほどだ。装備が灰になってしまうことを考えると割に合わないため、安く市場に出ている。


「春菜、エンチャント・オーブは簡単に集まると思う。私と春日井君でオーブ集めをするよ。春菜はとにかくエンチャントができる装備を集めて」


「わかった。じゃあ、分担して行動開始。30分後に集まろう」


 私たちは別々に行動を開始する。


 湊ちゃんはSNSに〝エンチャント・オーブを買います〟と告知した。金額は相場より若干高く設定した。

 エンチャント・オーブはお遊びアイテムとして使われることがある。ギャンブル性があるので、ダンジョン配信でもネタとして採用される。

 たまにエンチャントが成功するので盛り上がるのだ。逆に、高価な装備を灰にしてしまうと、それはそれで盛り上がる。

 だから、エンチャント・オーブを集める人がいても不自然ではなかった。


 私は手持ちの資金を使い、エンチャントが可能な装備を探していく。幸いにもここはフリーマーケット状態だ。次々に商品を物色していった。


 途中で湊ちゃんから連絡が入った。


「春菜、無在庫出品をしよう」


「無在庫出品?」


「在庫として商品が手元にないのに値段をつけて販売するの。買い手がついてから商品を仕入れる売り方のこと」


「なるほど。中程度の武器や防具なら市場にたくさんあるから、エンチャントできるものが必ず見つかるね。先に買い手を見つけるわけか」


「そうやって資金を稼いで、それから超レア装備の高額アイテムを買おう」


「わかった。了解」


 そうして私たちは在庫がないままエンチャント装備を売りに出し、相場より若干安い値をつけた。買い手がついた装備品から優先的に集めていった。


 30分後。湊ちゃんと春日井君と合流し、私たちのフリーマーケットが始まった。


 舗装された地面にブルーシートを広げる。そこに実体化したアイテムを並べていく。並ぶ商品はすべてエンチャント済みの武器や防具ばかり。すでに買い手がついているものは値段とともに売約済みの札を掲げる。値段をつけたのはお得感を客に知らせるためで、売約済みの札はすでに買い手がついていることを示すためだ。


 私たちの前には100を超えるエンチャント装備が並んでいる。


 インフェルノ・ブレードのほかにも、インフェルノ・ヘルメット、インフェルノ・アーマー、インフェルノ・グローブ、インフェルノ・ブーツとフルセットで揃えてある。これだけの品揃えはまず他では見ないだろう。


 インフェルノ装備一式以外にも、フォレスト、フローズン、マリンディヴァイド、アクエリアスなど、通常では見られない珍しい装備がある。


 しかも、これらのエンチャント装備は見た目も違っている。


 インフェルノ装備の場合、金属の表面には燃えるような映像が波打っている。まるでコンピューターグラフィックスで作り出したような幻想的な炎のエフェクトが、金属表面に投影されているようだった。


 もしもこの装備で全身を固めたら、それはもう見事だろう。ただし、フルセットで揃えるとなると2億はくだらない。贅沢な装備だとも言えた。


 そうした見た目の効果だけでも目を引くエンチャント装備が、私たちの店にはずらっと並んでいた。前を通ったハンターが足を止めないわけがない。


「え……。これって……」


 言葉を失い、私たちの即席店舗の前で足を止める。1人、また1人とハンターは増えていった。


 これらの装備は単純な強さだけではない。

 エンチャント装備には魔法が付与されている。魔法が使えないハンターであっても、かなり強力な魔法を使えるようになる。魔法による攻撃、魔法による防御、そしてすべての装備をエンチャント化することで総合力は飛躍的に増すことになる。


 これまでエンチャント装備自体があまり市場に出ていなかった。ギャンブル性のあるエンチャント・オーブが高級装備に対して使われることがほとんどなかったからだ。


「これだけのエンチャント装備。見たことがない……」

「しかも、そんなに高くないよな?」

「相場高騰前の値段? いや、少し割安か?」

「この値段だと、転売目的で買う人もいそうだな。もう少し高く値を付けてもいい気がするのだけれど……」


 確かに転売されそうなくらいの価格設定だった。だが、これからエンチャント装備が数多く市場に出ていくことになる。やがてアイテム相場は下降するはずだ。


 気がつくと私たちの店の前には多くのハンターが集まっており、数千万DPの装備がぽつぽつと売れ始めていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 エンチャント作戦(?)は今のところ成功かな? また春菜ちゃんの悪い癖というか、変な不運を呼び込まなきゃ良いんですが。 それでは今日はこの辺りで失礼致します。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。