↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【悲報】レベル1の妹。兄の装備でダンジョン配信を始める。(84億円相当の激レア装備で最下層スタート、未確認ドラゴンに遭遇した模様)  作者: 高瀬ユキカズ
始まる人類領域への侵攻

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
336/367

第336話 もりもりさんと通話

 今はタブレットでもりもりさんと音声通話をしている。


 もりもりさんの装備の中でエンチャントが成功するものはブーツのみ。成功確率が10分の1だから、1つあるだけでも幸運だった。


 これを交渉材料に、もりもりさんからダンジョンポイントを借り入れるつもりだった。エンチャントが可能なアイテムが1つでは交渉が難航するかと思われたが、もりもりさんはあっさりと了承してくれた。


「いいですよ。私の手持ちのすべてを春菜さんにお預けします。実は結婚資金にと貯めておいたポイントがあって、それを全部お渡しします」


 もりもりさんが送金してくれたポイントは8億1千万。

 かなりの大金を預かってしまったことになる。失うようなことがあれば、もりもりさんの結婚にも影響してしまうだろう。


「絶対に増やしてお返ししますね」


 私は緊張しながら返答をした。


「あ、同額で返してくれればそれでいいですよ。ブーツのエンチャントが可能だとわかっただけで、利子以上の価値があります」


「もりもりさんの他の装備もエンチャントできたらよかったのですが」


 全装備をエンチャントできたらとんでもない強さになる。

 エンチャント・オーブにより、装備の性能は3倍から4倍に向上する。全装備をエンチャントできたら、とんでもないことになるはずだ。


「春菜さんたちはそれが可能なんじゃないですか? ワンランク性能の落ちる装備であっても、全装備のエンチャントが実現できたらすごいことになりますよ」


 確かにもりもりさんの言う通りだった。私たちはエンチャントされた装備を売りつつ、そうして稼いだダンジョンポイントで、さらに強いエンチャント装備を作り出せばいい。最終的にはそれが自分たちの装備となるはずだ。


「強い装備を買うことばかり考えていましたが、全装備のエンチャントですか。私はそこまで考えていませんでした」


「それだけじゃないですね。春菜さんたちはエンチャントされた装備を売りに出すわけです。つまり、市場にはエンチャント装備があふれることになります。装備品全体の底上げが行われます。市場におけるトータルでの装備品の強さが上がるわけです」


 もりもりさんは装備の売買だけではなく、市場に流れる装備のことも考えていた。

 もりもりさんの言いたいことをすぐに理解したのが湊ちゃんだった。

 湊ちゃんが会話に加わってきた。


「つまりそれは、相場に影響を与えるということですよね。通常武器の価値が下がる。そうすると相場の高騰にもブレーキがかかります」


「そうですね。今までにない強い武器・防具が市場に流れるわけですから」


「投機目的でアイテムを買っている人もいるはずです。高値で買っても、さらに高値で売ればいい。そう考えている人もいると思います」


「そういう人にとっては涙目でしょうね。これから相場は下降していくでしょうから。春菜さんたちの手によって」


 もりもりさんと湊ちゃんの会話を聞いていて、私もなんとなくだが理解できた。私たちがやろうとしていることは、単に稼いで装備を買うということだけではない。アイテム市場全体に影響を与えてしまうことになる。


 このことは美沙さんにも教えておいたほうがいいかもしれない。もちろん、エンチャント・オーブのからくりは伏せておく。


 美沙さんは別のハンターにファイアーマジック・ソードを売っていた。同じようなことを繰り返していたら、美沙さんもそのハンターも損をしてしまうことになる。


 そのことをもりもりさんに話したら、心配することはないと返してきた。


「日本ランキング2位の西條美沙さんですよね? 私もその方を存じていますが、非常に頭の切れる方ですよ。市場の変化にも敏感ですし、だからこそ、そのハンターに剣を売ったのでしょう。西條さんなら問題はないと思います。むしろ西條さんから剣を買ったハンターですよね、心配なのは」


 美沙さんから剣を買っていた小太りのハンター。いかにも自分で考えて対応できるようなタイプではなさそうだった。

 私たちに対して横柄な態度だったことは気に障るが、それでも何千万も損をしてしまったら可哀想でもある。

 忘れなかったら、相場が下がる可能性があることは伝えておこうと思った。


「では、忘れなかったら、そのハンターにもそれとなく伝えておきますね」


 これから忙しくなる。忘れてしまわなかったら伝えておこうと思った。

 まあ、私は忘れやすい性格なので不安要素があるのだが、湊ちゃんも春日井君もこの会話を聞いていた。

 なので、大丈夫だろう。たぶん。


「そうですね。でも、相場が下がると決まったわけではありません。急がなくてもいいと思います」


「では、私たちは行動に移ります。まずはエンチャント・オーブを買い集めることですね。集められるだけ集めます」


「がんばってください。よい報告を期待しています」


「もちろんです。期待して待っていてください」


 もりもりさんは同額を返してくれればいいと言っていた。私は少しでも増やして返そうと思っている。


 もりもりさんには豪華な結婚式を挙げて欲しい。お兄ちゃんの浮気相手ではないかという疑惑はあるが、お兄ちゃんのことは忘れて幸せになって欲しい。増やして返すことで、少しでもその協力ができるというものだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。