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【悲報】レベル1の妹。兄の装備でダンジョン配信を始める。(84億円相当の激レア装備で最下層スタート、未確認ドラゴンに遭遇した模様)  作者: 高瀬ユキカズ
始まる人類領域への侵攻

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312/365

第312話 ロイヤルストレートフラッシュを狙うミリア

 ポーカー勝負の1回目が始まった。先に3勝した者が勝利となる。


 ミリアの手は、


[Q♦] [K♦] [A♠] [A♣] [A♦]


 最初からA(エース)のスリーカード[A♠][A♣][A♦]ができていた。


「ミリアすごい。強運かも――」


 私は心の底から感心する。

 マフィアの男がカードを場に放った。


「俺は3枚チェンジだ」


「ミリアは2枚なのです」


「だろうな」


 にやりと男は笑う。まるでミリアの手が分かっているかのようだった。


 男が手札を公開する。ストレートができていた。


「悪いな。俺の勝ちだ」


「いいえ、ミリアの勝利なのです! ミリアの強運を思い知るのです!」


 ミリアは自分の手を開いた。

 テーブルに開かれた5枚のカード。


[4♥] [J♦] [Q♦] [K♦] [A♦]


「ろいやるすとれーとふらっ、なのです!」


 ロイヤルストレートフラッシュには1枚が足りなかった。


 ミリアはAのスリーカードができていたにもかかわらず、Aを2枚捨てていたのだ。ミリアの狙いはあくまでもロイヤルストレートフラッシュ。[J♦]を引くことはできたが、惜しくも[10♦]は逃していた。


「ロ、ロイヤルストレートフラッ、だと!?」


 男は驚いて立ち上がる。しかし、ミリアの手をあらためて見て座り直した。


「1枚足りないけれど、きっと強いのです!!」


「ブタじゃねえか」


 男はあざ笑い、周りのマフィアたちも煽り立てるように笑った。

 画面のこちら側にいる私たちは落胆していた。


「ブタだ」

「ブタだね」


 私と湊ちゃんがそろって肩を落とす。


『相手はいきなりイカサマをしてきたな。マフィアの男はミリアの手がスリーカードだと分かっていて、ストレートを揃えてきた』


 あいかわらず感情のこもっていないタブさんの声だった。


 ミリアの0勝1敗。

 負けるたびに脱がなければならないルールだ。


 ミリアは装備を解除し、ワンピース姿になった。

 男は舌なめずりをしながら、いやらしい目つきでミリアを見ていた。


「へー、かわいい服を着てるじゃねえか。まあ、それも脱がせてやるがな」


 2回目の勝負が始まった。

 ディーラーがカードを配る。


 画面越しにミリアの手札が見えている。


[9♥] [10♣] [J♣] [Q♣] [K♣]


「すごい! ストレート!」


 ミリアの手札は最初からストレートができていた。だが、ロイヤルストレートフラッシュのリーチでもある。


 ここは湊ちゃんが解説してくれる。


「これは[9♥]を捨てられないよね。だって、ロイヤルストレートフラッシュは狙えないよ。[A♣]はすでに出てしまったから。狙う意味はない」


 だが、ミリアは[9♥]をチェンジしてしまい、ストレートを崩してしまった。ミリアにはロイヤルストレートフラッシュしか見えていないのかもしれない。


「2連続でブタじゃねえか」


 ここでも、あっさりと負けてしまう。


 男と周囲のマフィアは笑う。だが、冷や汗をかいている様子は伝わってきた。なにしろ、あと1枚でロイヤルストレートフラッシュができていたのだ。やはり男はミリアの手を知っていたのだ。


「さて、そのかわいらしいワンピースを脱いでもらおうかな、お嬢ちゃん。下着姿になってもらおう」


 下卑た笑いを浮かべるが、ミリアはさっさとワンピースを脱いでしまう。


「ミリア!」


 私たちはいつでも飛び込む準備をして見ていたが、躊躇もなくミリアは脱いでしまった。だが、その下はまたもやワンピース。

 ん!?


 画面の向こうでも似たような反応だった。


「は!?」


 マフィアたちも困惑の声を上げた。

 なんともない様子で、ミリアは平然と告げる。


「ミリアはワンピースを2枚重ねで着ていたのです。さあ、次の勝負を始めるのです」


「ふ、ふざけんな! それも脱げ! 下着になるのが約束だろうが!」


「でも、ミリアはこれを脱いでしまうと何も着ていないのです。すっぽんぽんなのです。だからこれが下着なのです」


「お、お前……。ブラジャーもつけていなければ、パンツも履いていないということか……。まあ、その大きさの胸なら……。しかたないのか……。しかし、それにしても、パンツも履いていないとは……」


「さあ、勝負なのです!」


 ミリアは意気揚々と椅子に座る。

 ミリアの発言に対して、タブさんの解説が入った。


『ミリアはちゃんとパンツを履いておるぞ。我(われ)は何度かスカートの中を目撃している。ミリアは言葉で相手をコントロールしているのだ。なかなかの知性じゃないか』


 私は聞き逃さなかった。タブさんはしっかりと見ていたのだ。ミリアのスカートの中を。


「タブさんのエッチ」


『それに関しては不可抗力だ』


 これでミリアの2連敗となった。あとがない状況なのは変わらなかった。

 だが、ここで奇跡が起こる。


 ミリアはすごいカードを揃えてきた。


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