↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【悲報】レベル1の妹。兄の装備でダンジョン配信を始める。(84億円相当の激レア装備で最下層スタート、未確認ドラゴンに遭遇した模様)  作者: 高瀬ユキカズ
大統領の依頼

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
273/392

第273話 地下172階

 護衛のハンター60人をその場に残し、私たちは地下172階へと降りてきた。ここが依頼の目的地だ。


 現在のパーティ構成は以下のようになっている。


 まず、ドラゴンをモチーフにしたような装備が大統領。グリーンに光る見事な鎧に、腰には大剣をぶら下げている。

 エリ先生は地味な青銅装備だ。青みがかった鉄が錆びたような見た目で、武器は携帯していない。おそらく戦闘時に実体化するのだろう。

 この2人のレベルは不明だ。情報が開示されていないからだ。


 私はお兄ちゃんの神王装備を身に着けている。黄金に光り輝くこの装備は相場で84億円。よくぞまあ、こんな高価なものをお兄ちゃんは貸してくれたものだ。そして私のレベルは76。

 クラスメイトの湊ちゃんは青く輝くオリハルコン装備。ブルーメタリックと白のアクセントパーツがかっこいい。レベルは58。

 同じくクラスメイトで、席が隣の春日井君。レベルは60で、ミスリル装備を身に着けている。金色が鈍くなり、灰色がかったような色だ。


 私を含めた3人が千の宮中学校からやってきている。


 ミリアは全身がピンクシルバーに輝くエンジェル装備だ。天使を思わせる可愛らしい羽根がアクセントになっている。レベルは規格外の173。この数字は人間なら桁違いだが、ミリアはモンスターだ。


 サキュバス・クイーンと呼ばれるモンスターで、男性を魅了するスキルを使うことができる。しかし、私たち女性に対しては何もできない。特別な攻撃力があるわけではなく、男性を操って配下にしてしまうのがサキュバスだ。戦いは全部男にやらせる、そういう存在なのだ。


 この6人に加えて、私が召喚したモンスターのラビちゃんがいる。

 ラビちゃんのレベルは1。

 そして勝手にこの階層に来てしまい、今は行方不明。


 本来であればダンジョン・ポジショニング・システム、通称DPSにより、正確な位置がマップアプリ上に表示される。


 だが、この階層ではおかしなことが起こっているようで、ラビちゃんの位置がわからない。


 そう――。この地下172階では異常な事態が起こっているようなのだ。

 この階層の調査、それが大統領からの依頼だった。


 大統領が私たちに話しかけてくる。


「君たちのデバイスでも同様の症状が起こっているはずだ。マップアプリ上で、この階層の一部が虹色に歪んでいることだろう。そして、この領域に立ち入ることができない。入ろうとすると跳ね返される」


 湊ちゃんが大統領の言葉を聞きながら頷いていた。会議でちゃんと話を聞いていた湊ちゃんは、私と違って内容を覚えている。


「見えないゴム風船がそこにあるような感じなんですよね? もしくは水風船のような空気の泡のような。ぽよんって跳ね返されてしまうって言ってました」


 入れないのはおよそ半分のエリアだ。

 残りは通常通りで、本来なら強力なモンスターが存在する。


 この階層のモンスターたちはあらかた倒されていた。護衛の60人のハンターで一掃しておいたのだろう。

 エリ先生はなごやかな感じで私たちに語りかけてくる。


「そうなのよ。そこを突破する手段がないの。別にこのエリアに入れないからといって、支障があるわけではないのだけれどね。無視をして下の階層に行くこともできる。でも、大統領としては、何かあってから対応するのでは遅すぎる。だから、あなたたちに依頼を出したということなのよ」


 春日井君は腕を組みながら渋い顔をする。


「俺たちにどうにかできるのでしょうか? 俺もやっとレベル60になったばかりですし、筑紫だって俺より上だけどレベルは76なわけだし」


 春日井君が言いたいことも分かる。現在トップを走るのはワールドランク1位のミランダさんだ。ミランダさんのレベルはそれまで人類未踏であったレベル90に到達している。


 今はもりもりさんがこのダンジョンにいる。だからミランダさんがいてもおかしくないし、彼女に依頼を出したほうが解決は早い気もする。


「ははは……」


 大統領は乾いた笑いを漏らした。


「レベルの問題ではないのだ。私たちはこの現象の正体を調べる必要がある。マップ上で虹色に変化するこの領域が何を意味するのか。モンスターを退治することが今回の目的ではない。あくまでも依頼内容は調査なのだ」


 だからといって、ただの中学生である私たちに依頼する理由は謎でしかない。

 ふいに、ミリアが私にしがみついてきた。


「ミリアは嫌な予感がするのです……。ラビちゃんの行方なのです……」


 ここにいない唯一のパーティメンバー。スローラビットのラビちゃん。行方不明なのだ。


 地下172階に降りてきたところまではデバイスで確認していた。


 それが今はどこにも表示されない。

 だからといって死んでしまったわけではない。


 HPの表示は100%のままだし、死んでしまったらデバイスが通知してくる。

 なにより、召喚が自動的に解除されるわけだから、私がまっさきに察知することができるはずだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。