↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【悲報】レベル1の妹。兄の装備でダンジョン配信を始める。(84億円相当の激レア装備で最下層スタート、未確認ドラゴンに遭遇した模様)  作者: 高瀬ユキカズ
大統領の依頼

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
241/392

第241話 チョコレートを拾っていたミリア

 私たちはやっとのことで地下169階までやってきた。

 ここまで来るのに、休憩を挟みつつ3日はかかっている。途中でキャンプを張って、仮眠を取るだけで進んできた。

 みんな寝不足気味で、特に民間組織のハンターたちからは苛立ちのようなものが伝わってきた。


 私たちはモンスターと戦っていないので疲労感はほとんどない。とりわけ、ミリアとエリ先生は睡眠不足の影響を感じさせず、とても元気だった。


「ミリアはチョコレートがあれば元気なのです。チョコレートだけで生きていけるのです」


 エリ先生は呆れた顔でミリアを見ている。


「ミリアさんは偏食ですねえ。野菜もちゃんと食べなくちゃ駄目ですよ」


「エリ先生はチョコレートをまったく食べないのです。先生もチョコレートをちゃんと食べないと駄目なのです」


「私も、もう少し若ければ気にせずに食べていたと思います。ですが、この歳になるとチョコレートの誘惑よりも、自分の体型が気になるものなのです。ミリアさんも、私くらいの年齢になれば分かりますよ」


 会話を聞いていた私は疑問に思った。エリ先生は何歳なのだろうか? 女性に年齢を聞くのは失礼だろうし、知る機会もなかったのだが、エリ先生の見た目はとても若い。20歳だと言っても通用するのではないだろうか?


「ミリアはチョコレートこそが至上の食べ物だと思っているのです。チョコレートさえあれば、何もいらないと思うくらいなのです。無限に生きられるのです」


「確かに、非常食としては有用ではあります。でも、チョコレートばかりでは良くありませんよ。ミリアさんは少し食べ過ぎです」


「ミリアの体がチョコレートになってしまいますか?」


「なってしまうかもしれませんねえ」


「それは困るのです……。じゃあ、エリ先生。ミリアのチョコレートを預かってほしいのです」


「いいですよ。預かっておきます」


 そう言われてエリ先生が受け取ったチョコレートはすべて板チョコだったのだが、かなりの枚数があった。50枚以上はある。ミリアはいったいこの枚数をどうやって持っていたのだろうか?


「…………私はこれをずっと持ち歩くのですか……?」


「よろしくなのです。エリ先生」


 エリ先生は背負っていたリュックに板チョコを入れていく。中にはすでに食料や着替えが入っていた。その隙間になんとか押し込んだため、リュックはパンパンになっていた。


「ミリアさんはすでに何枚か食べたのですよね? よくこんなにたくさんのチョコレートを持っていられましたね」


「ミリアは持ち歩いていたわけではないのです。落ちていたのを拾ったのです」


「落ちていた?」


「はい、なのです。最初にこのダンジョンに来た時、お姉様の召喚したスローラビットに助けられました。ミリアはチョコレートをスローラビットにあげました。スローラビットがミリアたちの先回りをして、チョコレートを置いたのだとミリアは思っているのです」


 スローラビットは私が召喚したモンスターだ。今もなお、このダンジョンで生き残っていることが確認されている。

 ダンジョンのモンスターであれば、階層間の移動はできない。だが、召喚したモンスターであれば移動が可能だということだ。


 しかし、それにしてもここは地下169階。


 とてもスローラビットが生き残れるような環境ではない。ハンターと遭遇すれば殺されてしまうだろうし、他のモンスターから狙われる可能性もある。


 モンスターがモンスターを狙う? スローラビットは他のモンスターから狙われるのだろうか?

 ……いや……それは確認したわけではない。


 確かに、モンスター同士の戦闘は確認されている。それは周知の事実だ。しかしそれにも法則があり、同族同士の戦いは確認されていない。モンスターの間でも仲の悪い種族が存在し、敵対関係のようなものがあると言われている。


 だとすると、友好関係もあるのだろうか?


 このあたりの研究は意外と進んでいないのかもしれない。


 今はスローラビットとはパーティ設定が解除されている。パーティメンバーとして設定するにはスローラビットと直接遭遇しなければならない。パーティ設定をすればDPSを使ってマップ上に位置が表示されることになる。


 召喚を解除してしまうつもりだったから、スローラビットの居場所についてはまったく気にしていなかった。


 ミリアにチョコレートを届けるために私たちについてきているのなら、あるいは私たちの先を歩いているのなら、近くにいるはずだ。


 召喚を解除するか? あるいは見つけて話を聞くか?

 話を聞くにしても、スローラビットは言葉をしゃべれない。


 そういえば、ペットと会話ができるアプリなんてものもあった気がする。あれは犬や猫の鳴き声から人間に伝えようとしている気持ちを言葉にしたもので、実際に会話ができるわけではない。でも、あれをスローラビットに使えたりはしないだろうか?


 普通なら無理だろうが、高度に進化したAIのタブさんならできてしまうということはないだろうか。

 スローラビットと遭遇したら、タブさんに頼んでみよう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。