↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【悲報】レベル1の妹。兄の装備でダンジョン配信を始める。(84億円相当の激レア装備で最下層スタート、未確認ドラゴンに遭遇した模様)  作者: 高瀬ユキカズ
大統領の依頼

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
232/392

第232話 2人で飛びます

 ミリアがじゃんけんに負け、戦闘機に2番目に乗ることになった。すると、湊ちゃんがかばうようにそっと寄り添い、ミリアに向けてやさしく声をかけた。


「かわいそうだよ。ミリアちゃんは飛行機が怖いんだから。私と一緒に乗ろうか、ミリアちゃん」


 ミリアは湊ちゃんの方を向き、不安げな表情を見せた。


「湊……。これはお姉様からの試練なのです。だから、ミリアは1人で乗らねば……。………………と思ったのですが、とても無理なのです。湊といっしょに乗るのです。そうすればミリアは目をつぶっていられるのです」


「そんなに怖いんだ」


 それでもミリアは拳を握り、なんとか気合だけでも入れようとしていた。


「がんばるのです。ミリアはじゃんけんに負けました。勝負には命をかけて臨むべきでした。それをお姉様に教えられました」


「そこまでのことじゃないと思うけれど」


「ミリアはこれから死地に向かうのです。よろしくお願いするのです、湊」


「わかった。じゃあ、春菜。座席を2人用に改造できるかな?」


 私は頷き、戦闘機の改造を始めた。タブレットを操作しながら「湊はやさしいなあ」と思う。湊ちゃんが一緒なら、ミリアも大丈夫だろう。


「改造はすぐに終わるよ。じゃあ、ミリアをよろしくね」


「うん」


 戦闘機のシートを2人用に改造し、前席にミリア、後席に湊ちゃんが座った。

 機内の様子はタブレットの画面を通して見ることができる。もちろん声もこちらに聞こえてくる。


「最初は私が操作していいかな? ミリアちゃん」


「よろしくなのです……」


「なんだか、声が暗いね」


「ミリアは目を開けているからです。これはお姉様からの試練なのです。ぎりぎりまで目をつぶらないのです。集中しているので、早く発進させてほしいのです」


「わかった。じゃあAボタンを押すね」


 戦闘機の発進は『A』ボタン1つで実行できるようにしてあった。着陸は『B』ボタンだ。『B』ボタンを押すだけで離陸地点に戻り、自動的に着陸を行う。

 この2つのボタン操作だけで、安全に戻ってこられるようにしてあった。


 戦闘機は加速を始め、すぐに地上を離れた。そのまま高度を上げていく。


「大丈夫? ミリアちゃん?」


 湊ちゃんが、前に座るミリアに声を掛けた。

 少しだけ無言の時間があったが、返ってきたミリアの声は明るかった。


「怖く……怖く……怖く……ないの……です……」


「ほんと!? よかった!」


「まったく怖くないのです」


「じゃあ、ミリアちゃんも操縦してみる?」


「やってみるのです」


 ミリアは湊ちゃんからコントローラーを受け取った。

 スティックを倒すことで戦闘機を操作できる。

 左右に倒すとその方向へ旋回し、前後に倒せば上昇と下降を行う。


 ミリアは最初こそ恐る恐る操作していたが、すぐに慣れ、一回転の宙返りまでやってのけた。


「ミリアちゃんすごいね。もう、自在に操っている」


「ミリアはわかったのです。この戦闘機はお姉様の手によるものなのです。その戦闘機が飛ばないわけがないのです。当然のごとく空を飛ぶものなのです。

 そうなのです。お姉様はこのことをミリアに教えようとしていたのです。お姉様は、すべてわかっていたのです。飛行機なんて、まったく怖くもないのだということを」


「さすが、春菜だね」


「さすが、お姉様なのです」


 戦闘機は島から離れ、私たちからは小さくなった。ミリアたちからも、こちらが小さく見えているはずだ。


「お姉様から離れすぎたのです。戻るのです」


「海面すれすれで飛んでみよう」


「わかったのです。了解なのです」


 ミリアの操縦により、戦闘機は高度を下げ、海面から一定の高度を保って飛んでいく。実際には海面すれすれを飛ぶことはできない。墜落を防ぐため、安全な高度を保つように設定されているからだ。


「Rボタンを押すと加速するよ。Lボタンは減速ね」


「了解なのです」


 島の上空を戦闘機が通過していく。湊ちゃんがコックピット内で手を振るのが見えた。ミリアは操縦しているため、真剣な顔で正面を見据えていた。


 旋回して戻ってくると、今度はミリアが手を振ってきた。湊ちゃんと操縦を代わったのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。