↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【悲報】レベル1の妹。兄の装備でダンジョン配信を始める。(84億円相当の激レア装備で最下層スタート、未確認ドラゴンに遭遇した模様)  作者: 高瀬ユキカズ
大統領の依頼

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
228/392

第228話 状況把握

「春菜! 春菜! 春菜あぁー! 落ちる! 落ちる! 落ちるよーー!」


 湊ちゃんが悲鳴を上げる。

 ドラゴンは傾きながら揺れていた。高度が下がっていくのがわかる。


「大丈夫。しっかり掴まっていて。私がなんとかするから。タブさん。Su-57ってなにさ。なんなの?」


「春菜! そんなのも知らないの!? 戦闘機だよ。ロシアの!」


 誰よりも先に湊ちゃんが叫ぶ。


『まあ、知らないのはいい。ともかく、回避行動を取らせるのだ、主(あるじ)よ』


 タブさんは相変わらず冷静沈着だ。

 私はドラゴンに命令を伝える。


「フレイムドラゴン! 急いで加速! 逃げて! めいっぱいに加速ね! ミサイルが飛んできたら避(よ)けて!」


「ええ!? 加速!?」


 目を見開いて顔を引き攣らせている湊ちゃんをよそに、ドラゴンはぐんぐんと加速していく。


『まあ、戦略としては間違ってはいないが……。Su-57の最高速度はマッハ2。こちらの最高速度はマッハ4。逃げるが勝ち……か……?』


「逃げるんじゃない。距離を取って状況を把握するの。まず、フレイムドラゴンの被害状況。ダメージの確認から」


 私はドラゴンをパーティとして設定する。

 被害は予想を超えていた。ダメージはHPの減少率として把握できる。現在のHPは66.6%。ミサイルの1撃で3分の1のダメージを受けたことになる。つまり、あとミサイル2発でドラゴンは倒されてしまうということだ。


「急いで回復が必要。ありったけのポーションを使う。幸いにもここは口の中。喉の奥へ放り込めばいい」


 片手でタブレットを操作しながら、ポーションを実体化させ、次々に喉の奥へと投げ込んでいく。


「冷静すぎるよー!! 春菜ーー!!」


「ぎゃあぎゃあ、喚かないの。よく考えて。こっちはドラゴン。向こうはただの鉄の塊。鉄の塊に負けるはずがない。なぜなら、鉄は空を飛ばない」


「鉄じゃなくて、アルミとか合金のジュラルミンとか、セラミックやカーボンだよー。空を飛ぶんだよー、飛行機はぁぁ! しかも、戦闘機いぃぃ……」


「戦闘機だろうがなんだろうが、こっちに分がある。ダメージを受けてもポーションで治せばいいし、ここはドラゴンの口の中。これほど安全な場所はない。ロシア軍だろうが何軍だろうが、守り切れるよ。戦闘機程度でこのドラゴンを落とそうとは舐められたもの」


「どこからそんな強気な発言が出てくるのよおーーー」


 これ以上ないほどの大きな声で、湊ちゃんは嘆いていた。

 おそらくそんな湊ちゃんを見て逆に冷静になったのだろう。春日井君が静かに訊ねてくる。


「それで筑紫。さっきは逃げるんじゃなくて、状況を把握すると言ったよな? こっちから攻撃はするのか?」


「その判断をするための状況把握なんだよ」


「なるほど、そうか……」


「タブさん、今の状況は?」


『我ではわからぬ。ドラゴンと視覚共有をしたらどうかな?』


「よし、視覚共有だね!」


 タブレットを操作しようとした私の手が止まる。


「………………。どうやって?」


 ひとまずダンジョンシミュレーターを起動する。

 そして、私は湊ちゃんの顔を見る。


「え!? 私!?」


 私は無言で湊ちゃんに向かって頷き、目で合図を送る。湊ちゃんはまっすぐこちらを見返してくる。


「もしかして、春菜……」


――こくん。


 私は再度、頷く。


「わ、わかったよ……」


 湊ちゃんは渋々といった感じでスマホを操作し始めた。片手だからなかなか進まない。やっとのことでアイテム画面を表示させた。


 貴重なレアアイテム、覚醒の種。


「違う違う。そっちじゃなくて」


 私は湊ちゃんの手を取り、代わりにその指をスマホの画面上で滑らせる。そのまま魔法の一覧を選択した。


「湊はアクア属性の魔法が使えるようになったでしょ。レベル58ともなると、新しい魔法を獲得しているはずだよ」


「新しい魔法……」


「ほら、回復魔法(ヒール)の強いやつも使えるようになっているし、今回使いたいのはこっち」


「視覚共有(リモートビューイング)……」


「少し離れたところにいるパーティメンバーと視覚を共有できる。遠距離はまだ難しいけれど、まさか、こんな近距離で使うことになるとはね」


「これでフレイムドラゴンの視覚を共有すればいいんだね」


「そう、お願い」


 会話をしながら、湊ちゃんはいつもの調子に戻っていた。戦闘に参加してもらったほうが落ち着くのかもしれない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。