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異世界最強のチートは強さじゃなくて創造力!  作者:
第2章 エターナルソング
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045 さあ、力比べです


 洋上の鋼鉄の城とも言える戦艦リステインは悠々と波をはねのけながら海を進み、次第に岸からもその全貌がわかるようになってきた。


 誰がどうみてもオーバーテクノロジー。

 明らかに目の前の木造艦隊よりもその姿は堂々たるものだった。

 サラは、戦艦リステインを初めて創った時もそうだが、洋上を船として航行しているところ見ると改めて戦艦大和など多くの戦闘艦を造り出した昔の技術に驚き、そして、かつての大戦の規模の大きさを実感するのだった。



「さ、サラ様?あの船がサラ様の仰っていた最高の船・・・なのですか?」


 あれからしばらくの雑談の末、大きな警笛を聞いて窓の外を見たビクトリアの反応だ。

 まあ、それもそうだろう。


 何しろ、戦後で国を率いているのが生き残った王族の少女なのだ。

 宰相などが代行しているかとも考えたが、密偵からの報告では本当に少女2人で国を動かしているらしい。


 ならば、手助けをと言って一方的に有利な条約を結べる。

 ダメ押しに圧倒的かつ革新的な軍事力を見せつければいとも容易く落ちるだろう。

 そう考えていたのだ。

 そして、最高の船を見せると言われ、リステイン王国の軍事機密でも拝めるかと思っていた。


 しかし、出てきたものは想像をはるかに超える代物だった。

 軍事機密も超軍事機密。

 おそらく、国政の情報なんかよりもはるかに高いレベルでの機密だ。 

 しかし、ビクトリアに出来る事は、馬鹿めと情報を知ることではなく、その存在を知りただただ衝撃を覚えるだけだった。


「いかがですか?」

「あ・・・・・あれは・・・・・・」


 戦艦リステインは、サンドラの木造艦隊を草でも踏みにじるかのようにかき分けながら進み、会談場所からその全貌が見える沖へと停船した。


「で、では、サラ様。お話の続きをさせて頂けますでしょうか?」


 先程までの態度とは一変。

 ビクトリアは些か顔色が良くないようだ。


「いえ、その前に、我が戦艦リステインの力も見てもらってからの方が良いでしょう。その方が、お話もしやすいでしょう。お互いの戦力は把握していた方がいい。ああ、そうです。2席ほど、そちらの船を買い取らせていただけませんか?

 ああ、もちろん、技術の漏えいについてはご心配なく。この場で使い潰しますので。」

「それは・・・?」

「戦艦リステインの攻撃の標的になってもらおうかと。

 無理でしたら、サンドラ王国の王城、とかでも私は構わないのですがね。」

「い、いえ!お売り、いえ、差し上げますとも!」

「あら、そうですか。それはありがとうございます。では、どの船でも構いません。積荷と兵員の退避をお願いします。ああ、ですが、船はもう少し艦隊や陸地から話してください。巻き込みたくありませんので。」

「はい!直ちに!

 ・・・・・・あの、しばらくお時間を頂けますか。連絡を送ってから準備させますので。」

「なるほど。でしたら、こちらをお使いください。」 

「これは?」

「拡声器です。おそらく、あの艦隊に届くくらいには大きくなるでしょう。そのボタンを押して話してください。」


「こ、こうですか?『あー、サンドラ王国艦隊に告げる、私は、ビクトリアだ。その船には、今のところ攻撃はされない。但し、絶対に攻撃もするな。攻撃した場合、その船はサンドラ王国の指揮下を離れるものとする。責任はサンドラ王国は追わない。

 そして、護送艦フィッシャーとネイルは直ちに船を沖に移動し、退避せよ。サラ・リステイン様が軍事演習を見せて下さることなった。標的となりたくなければ急げ。以上だ。』

 まさか、自分の声があんなに大きくなるとは。これも、あの船が?」

「まあ、そうなりますね。」


 この放送、突如目の前に現れた巨大な島・・・いや、動いているから船であるのは確かだが、その得体の知れない驚異がリステインのものだと分かり、ほんの少しの安心を得たが、万が一逆らえば叩き潰すと豪語していたビクトリアからの命令が攻撃開始ではなく、船舶2隻の放棄と待機命令。

 これは、自分達の優位性がほぼ無くなったと考えて間違いないだろう。

 そして、あの船の武装がなにかはわからないが、ハリネズミのように突き出ているものが飾りだとは思えない。おそらく、兵器の類だろう。

 であれば、あれと一戦を交えて今の艦隊がどれだけ残るかなど、試したいとは思わない。


「サラ様、退避が完了しました。そのお力、お見せくださいませ。」


「ご覧に入れましょう!戦艦リステインです!さあ、我が切り札、我が力、我が半身。その力を見せてみなさい!」

『了解しました。マスター。』


 実は、この戦艦リステイン。人は乗っていないが、サラたっての希望により、知能を持ち、話すことが出来るのだ。人格は女性である。

 理由?それは、船の代名詞が彼女であるからである。

 この人格こそがサラがセレネティアに空を飛ばす代わりにと提案し、押し通した案だ。


『目標艦ロック。これより、α、βと呼称します。第一射、右舷副砲10門により一斉射、目標α。撃ちます。』


 ドドン!ドン!ドドドン!ドドドドン!!


 戦艦リステインから放たれた砲弾10発が片方の目標艦のある場所に着弾する。

 その水柱は目標艦を飲み込み、水しぶきが晴れるころにはそこに木造船は無かった。

 


「さ、サラ様。これほどとは・・・」

「いえ、ビクトリアさん何を言っているのですか?本番はここからです。」

「なっ!?」


『マスターの目標達成のためには、もう十分かと思いますが、ダメ押しにというのであれば、主砲の斉射をオススメします。』

「弾はまだいっぱいあるし、じゃあ、それでお願い。」

『了解しました。次弾、榴弾。主砲射角調整開始。目標はβ。主砲、斉射致します。』



 ドドーーーーーーン!ドーーーーーン!


 かつて、敵の戦艦を沈めるために作られた史上最大の艦砲。それを神様が「適当」に改良している。

 そんな砲弾が9発も当たれば木造船など跡形もなくなるのは道理である。


 発射の衝撃だけで、近くにいたサンドラの木造船が、風に煽られて流されるレベルだ。しかし、そんなこと誰も気にしていない。

 その耳は発砲音を脳裏に刻み、その目は異様な爆炎と9本の巨大な水柱を捉えていた。


 先程の副砲の砲撃で腰を抜かしていたところにこの斉射だ。

 もう、サンドラ王国の人間は誰も・・・

 いや、リステイン王国関係も含めて誰もが声を出すこともかなわなかった。


「では、ビクトリアさん。あなたがたの力を見せていただけますか?」

「も、もちろんです。具体的には、どうすれば良いでしょうか?」


 そう。断ればサンドラ王国虎の子の艦隊が一瞬で海の藻屑となるかもしれない。

 下手なことをしてもそれは同様だ。

 この際、自分はもう仕方が無い。

 数1000人のサンドラ王国の兵士を死なせるわけにはいかない。


「そうですね。一分間差し上げます。その間、もちろん、その後もですが、戦艦リステインは貴方方への攻撃も回避運動も行いません。全力で攻撃してください。」

「よ、よろしいのですか?」

「ええ。」

「で、では、先ほどの拡声器をお借りできますか?」

「構いません。」

「ありがとうございます。『サンドラ王国艦隊に告ぐ、先程のは見ただろう。今度は、こちらが力を見せる番だ。反撃も回避もしないそうだ。一分間、全力で攻撃しろ。いいか、全力でだ。いいな、行くぞ、攻撃開始!』」


 

 ビクトリアの声の後、直ぐに攻撃が開始される。

 流石は兵士だ。

 腰を抜かして驚いていたのに、回復したらしい。


 数百隻の木造船から放たれる雨のような魔法による攻撃は戦艦リステインに対して全く聞いていない。

 しかし、命令である以上、一分間は死ぬ気でやらなければならないのだ。


 間もなく1分が経とうかという時、サンドラ王国艦隊の戦艦隊が一切に完成した爆裂魔法を放つ。


 放たれた複数の爆裂魔法は吸い込まれるように戦艦リステインへと向かい、炸裂する。


 サンドラ王国の誰もが勝利を確信した。

 自らの艦隊が誇る最高の火力の魔法が大量に着弾したのだ。大魔法で発動に時間がかかり、動く目標を狙うことがほぼ不可能なこと以外はあまり欠点という欠点がないこの攻撃と、戦艦リステインを覆い隠すほどの爆炎に、誰もがやったぞと歓喜した。

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