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異世界最強のチートは強さじゃなくて創造力!  作者:
第2章 エターナルソング
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041 護衛を手に入れる


「あの嬢ちゃん、大丈夫か?」


 自分を置いて門にいる兵士の所まで行って話をしている。

 全く、何を話しているのやら。

 そんなことを考えつつアイズはサラの元へと向かう。


 アイズは、自分の目を疑った。

 先程まで迷子の対応でもするかのように接していた兵士の様子がおかしいのだ。

 いきなり畏まったように見える。全くどうなっているのかサッパリわからない。



 この対応をした兵士もかわいそうなものだ。

「お嬢ちゃん、どうした?」


 前から歩いて来た少女に声をかける。

 すると、思いがけない返答が帰ってきた。


「あの、グランドまで護送して欲しいのですが。」

「何をだ?」

「私達をです。私、一応冒険者なのですが、依頼主が盗賊が出るから女子1人じゃ危険だと。大人の戦える人がいればいいと言うので。」

「ごめんな。ついて行ってやりたい気持ちもあるんだが、今はサンドラの動きが不審だって言って戦闘準備状態での待機命令が出ているんだ。」

「そうでしたか・・・

 それはちょうどいいです。私をここ司令官に合わせてください。」

「いや、それは・・・」


 無理である。

 身元もわからない少女を、司令官の場所まで連れていって暗殺でも、された時には指揮系統が崩れる。

 

「無理ですか?」

「すまない。お嬢ちゃんを疑っている訳では無いが、今司令官の身に何かあると、指揮が崩れるかも知れない。最も、最近サラ様の提示なされた制度のおかげで前ほどはひどくないと思うがな。

 だから、盗賊が出たと領主軍のところへ行って討伐隊を出してもらうといい。」


 サラは少し考え、ある決断をした。


「お願いです。ここの司令官に!」

「いや、だからそれは・・・」

「いいぞ。」

「し、司令!?」

「そうだ。大丈夫だ。応接室に案内しろ。」

「ですが」 

「私も少し、暇をしていたんだ。協力できるかはわからないが、話は聞こう。」

「ありがとうございます。では、あちらの依頼主の方も一緒にいいですか?」

「あの者は?」 

「アイズさん。私の雇い主で、リーフリース商会の商会主だそうです。」

「あの、リーフリースか!?なら、大丈夫そうだな。」


 という流れで、今に至る。


「私は、ジン・クリース。ここの司令官をしている。では、話を聞かせてくれ。」

「はい。私は、リーフリース商会の商会主をしています、アイズと申します。

 その、彼女が失礼を致しました!申し訳ございません!」

「いや、君が悪いわけではないだろう。」

「いえ、彼女を雇い、大人の誰かを連れてくるように言ったのは私です。どうか、彼女はお許し下さい。」

「いや、本当にいいんだ。それに、いい待機中の暇つぶしになりそうだ。」

「そうですよ。勝手に来たのは私です。それで、盗賊の討伐がてら、私達をグランドまで護送して下さい。」

「そうか。だがすまない。彼から聞いたかもしれないが、我々は軍の指揮官である第二近衛騎士団のバイス殿からの命令を受けてここにいる。つまり、それより高位の命令でない限り動けないのだ。」

「なるほど・・・

 要は、バイスさんより高位の命令があれば良いのですね?」

「え、あ、あぁ。まあそうだが。」

「では、こうしましょう。」


 サラは、アイテムボックスから自分の本当のカードを取り出す。つまり、王族であり軍部及び外交の全権を持つサラ・リステインとしてのカードだ。


「リステイン王国軍部統括サラ・リステインの名の元に命じます。私を護送し、え?」


 目の前で、剣を抜きサラに向けるジン。ほかの兵士も周りを取り囲んで抜刀する。


「貴様!この国を救った英雄たるサラ様の名を語るなど、何なる無礼!打ち首にしてくれる!」


 そのまま振り下ろされる剣。あまりに唐突なことに反応できず、反射的に目をつぶる。


 鉄と鉄が打ち合う音のみで、いつまで待っても衝撃は来ない。

 目を開けると、そこには何故か第二近衛騎士団の紋章の入ったメイド服の女性が短刀でジンの剣を防いでいた。


「なっ!?」

「サラ様、ご無事ですか!?」

「貴様、何者だ!?」

「第二近衛騎士団第三特務大隊特殊護衛部隊所属クロエだ。貴様らを国家反逆罪で拘束する!」

「なんだと!?いや、そんな馬鹿な、サラ様がこんな所に1人で来るなど・・・」

「1人ではない。我々が護衛についている。それに、貴様が今手に持っているミスリルのカードが何よりの証拠だろう。」


 急展開すぎてサラもサラでついていけない。

 そもそも、護衛なんてつけて来なかった。

 

 しかし、目の前にいる騎士・・・と言うよりメイド?は確かに第二近衛騎士団の紋章をつけている。

 偽造?いや、それならば私を守る必要は無い。

 つまり、そういう事だ。


「あなた達はアリスが?」

「はい。万が一の時にと。まさか、自軍の者に斬られそうになるとは思っていませんでしたが。」

「そうですか。まずは、ありがとうと伝えておきます。」

「ありがたきお言葉。そして、女王陛下の命なれど、我々の指揮官たるサラ様に黙っての作戦、申し訳ございません。」

「いいですよ。多分、私を邪魔しないようにという事だったのでしょう。それより、ひとつ聞きたいのですが、冒険者ギルドでの件は見ていましたか?」

「・・・はい。」

「そうですか。では、あの事はあまり広めないようにお願いします。まあ、あなた達なら、私の戦艦も見たのですから、今更だとは思いますが。」

「了解致しました。サラ様、この者達の処分は如何様に?」


 いつの間にか縛られている王国軍兵士達。

 多分、彼らに悪気はなかったのだろう。でも、確認は必要だ。 


「突然押し掛けて身分を話したのは私です。少し注意が足りなかったとも言えなくはないですが、私にも非はあります。今回の件は不問とします。

 クロエさん?達は引き続き護衛をお願いします。そして、ここの王国軍には、任務に試食のない数で構いませんので、私の護衛を命じます。私は、サンドラ王国との会談のため、ボイド侯爵家に向かいます。本当の目的は盗賊の撃滅ではありませんが、精鋭たるあなたがたには造作もない事でしょう。」

「はっ!」

「サラ様、申し訳ございませんでした。この、ジン・クリース。この命に変えてもお守りさせていただきます。」

「ああ、それと、もう一つ。ここの街の冒険者ギルドのギルドマスターに私が依頼を受ける件を伝えてください。」

「はっ!こちらで手を回しましょう。」

「では、今から行けますか?」

「もちろんです。」

「我々は常にサラ様をお守りするだけです。」

「ありがとうございます。では、準備をお願いします。」

「「はっ!」」



 みんなが慌しく動くなか、魂が抜けたようにほうけている人物がいた。もちろん、まさか普通に話していたのが王族だったなんて思いもしてなかったアイズである。

 回復まではもうしばらく時間がかかりそうだ。

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