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異世界最強のチートは強さじゃなくて創造力!  作者:
第2章 エターナルソング
13/49

013 契約


「えっと、何ができるの?」


 そう。実は、いろいろ聞いてはいたものの、正直よく分かっていない。

 それもそのはず。サラはこの世界の神と言うものについての知識が無いのだから。

 それは当然、エミールについても知らないわけである。



「お主、本当に何も知らんな。

 それでも王女か?」

「うん。まぁね。そうなってる。

 ちょっと特殊な、だけど。」


「まあ、いい。

 私はさっきも言ったように闘神、乃至は軍神いくさがみと呼ばれている。

 そして、月と夜の神だ。少し前にもう1人の夜の神であり、親友であるルナがいた。私は彼女の歌が好きだった。

 少し前、ルナと喧嘩をしてな、激闘の末私が勝ったのだ。

 もちろん、私は親友を殺す気はなかったから止めを刺さなかった。

 が、奴は手を差し伸べた私に呪いをかけた。

 そして、奴はこう言って私を天界から降した。

『貴女は闘神でありながら優しい。貴女の力が必要なのは今じゃない。しばらく現し世に降りていてください。』

 と。初めは腹が立った。

 だか、今は自分を情けなくすら思う。

 親友と思っていたが、幻想だった。ルナからすれば私は邪魔者だったのだ。」


 少し間を開けてから、何かを吹っ切ったように笑って見せた。

 が、その笑顔は決して心から笑っているものではない。空元気だと。中身の無い空っぽの笑顔だと感じた。だから、サラはこう言った。


「私を信じろとは言わない。でも、私はあなたを信じるよ。エミール。」

「そうか。いや、ありがとう。と言うべきなのだろうな。」

「うん、これからよろしく。

 で、最初の質問何だけど・・・」

「ん?おお、すまん、忘れていた。

 それで、先ほど言ったように私はルナに呪いをかけられた。

 そして、その呪いは私が月から神力を得られる夜のうちにほとんど解呪したが、ほんの少し終わらぬ内に朝になってしまった。

 普通なら、一週間以上全力で戦い続けても神力がきれる事はないんだが、何しろルナは正面戦闘より呪術などを得意とする。

 だから、解呪するまでにかなりの神力を使い、その間もどんどん神力を奪われていくのだ。

 つまり、今の私には神力がほとんど残されていない。恐らく、お前と契約して得られる神力もたかが知れているだろう。

 だから、今の私には普通にここに留まるので精一杯だ。」

「えっ!?

 大丈夫!?」

「ああ、もう暫くは持つ。そうすれば、お前の神力と夜に月から得られる分で徐々に回復出来る。」

「どれくらい?」

「そうだな、ほとんど使い切っているからな。それでも、天界なら3ヶ月とかからないが、今の私にはそれも出来ない。ここの世界ならば月から得られるものもそう多くない。この体を維持するのに消費するとすると、まあ、100年もあれば充分だろう。」


 サラは、耳を疑った。

 いや、サラで無くとも、恐らくほぼ全ての人が同じ事をしただろう。


「ひゃ、100年!?」

「なに、そんなに驚く事でもなかろう。確かに、暇ではあるが、お前といればそう退屈せずに済みそうだ。」

「いや、エミール?

 私、100年もしたら死んじゃうよ?」

「何故だ!?

 誰かに殺される約束でもあるのか?」

「いや、普通に寿命だから。」

「あ、あぁ、そうだったな。やはり、お前は人なのだなぁ。」


 確かに寿命を世の中の理不尽と考える人もいるかも知れないが、こればかりは仕方が無い。

 人間、いや、生物とはそういうものなのである。

 サラは、改めて目の前にいる『エミール』という存在が神であり、自分とは全く別の存在だと感じた。


「ま、まだそう悲しむな。案外、お前の神力が高くて早く回復するってこともあるかもしれない。」

「そうだね。それに期待しようかな。

 なら、早くその契約とやらをやろうよ。」

「うむ。では、目を閉じてリラックスをして、私を思い浮かべろ。

 そして、私を受け入れるのだ。」


 サラは目を瞑り、言われた通りにする。

 一方、エミールは如何にも厨二病なセリフを吐きはじめた。


「我らの主、創造神セレネティアよ。我は今、貴女が定めしことわりに従おう。我が魂、我が運命、汝、サラ・リステインと悠久の時を共に。如何なることがあろうとも我らは一つであろう。そして、我らの正義のため、この世の衡を打ち破らんとす。我が命、この者、サラ・リステインと共に。」


 次の瞬間、2人は光に包まれ、否、エミールの背中から生えた光の翼に包まれていた。 

 そして、次の瞬間・・・




 

 バタリ




 

 不意にエミールが倒れた。


「えっ!ちょ!エミール!?大丈b」

「お」

「お?」

「お、お、す・・・・ぎ」

「はぁ?大杉?」


「いや、まあ冗談だけど、多すぎってどうしたの?」

「お前、な、何者だ?」


 息を荒くしながら途切れ途切れに声を発するエミール。

 そして、サラはエミールにならさっき契約みたいなことしたし、神様っぽいしという理由で全てを話すことに決めたのだった。

 彼女がここまでくる。それよりも昔。

 転生する時の話を。


「エミール、あなたを信用していい?」

「む?さっきの言葉は嘘だったのか?」

「そうだね。じゃあ、落ち着いて聞いて。

 まず、私はこの世界の人間じゃない。」

「ほぅ」


 想像以上に薄いエミールのリアクションにサラは戸惑ったが、そのまま続けた。


「私は、まあ、簡単に言うと理不尽な事故に巻き込まれて前の世界で一回死んでるの。

 それで、私を殺してしまった事のお詫びとしてここに転生させてもらったの。」

「そんなこと、創造主にしか・・・」

「創造主?

 そう言えば、さっきエミールは創造神とかなんとかって言ってたよね?」

「あぁ、セレネティア様の事か?」

「あぁ、そう。それ。その人。

 その人が私を転生させたの。」

「・・・・・」


 エミールは何言わない。

 しかし、驚いていないわけではない。

 驚きすぎて声も出ないのだ。


「わ、私はとんでもないのと契約をしてしまったのか?」

「人をとんでもないもの呼ばわりとは失礼な。」

「わ、わるかった。

 いや、わるかったです?

 うーん、わたくしめが悪うござんした?」

「いや、最後の可笑しくない?

 普通でいいよ。私はあなたの友だちになりたいし。」

「そうか。なら、そうさせて貰おう。

 それとなぁ、もう一つ。

 私は、お前の学校に入るぞ。

 もちろん、謎の美少女転校生としてお前のクラスにな。

 お前が、男なら面白かったのになぁ。」


 サラは背中がゾクッとした。

 自分が男だった時の事を想像してしまったからだ。

 

 朝、学校に転校してきた美少女が紹介され、そして、いきなりあることない事ベラベラと喋られて大変なことになる奴だ。と。

 

 そして、女の子でよかったと心の底から思ったのだ。


 読んでくださっている方、ありがとうございます。

 第1章まで、少し暴走してしまいましたが、ここからしっかりやって行こうと思います。


 これからも頑張ります!

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