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転生したら本能寺で織田信忠だった・・・・あれ、詰んでない?  作者: ハルラララ
幕間:本能寺前後の周辺状況

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天王山の合戦③

「……そなたの本軍が本調子でないならば、休養して兵の回復を待つか?」

「そうしたい所ではあるんじゃがの、日向がそれを許さんじゃろ」


現在の状態で積極的に明智光秀に味方する者などもはや絶無と言っていいだろう。

そして時が経てば各地に遠征に出ている織田軍が集結してくる。

時間が経てば経つほど、彼我の戦力差は広がっていく、

それを理解していない明智光秀ではないだろう。

秀吉軍が疲労している今が、明智側としては最も分の良い状況と言えた。


「時間はこちらの味方であるか」

「時が経てば柴田の親父殿も戻ってくるじゃろーし、三河の徳川殿もいずれは合流できるじゃ

ろうしの。日向からしてみたら、何としてでもここでわしらを倒せにゃ、

あ奴にとっては詰みじゃからの」


ここで明智軍としてはなんとしても織田軍を撃破し周囲に大勝を喧伝し、

現在ここにいない丹後の細川や大和の筒井など形勢を観望している諸武将をこちら側に

引き入れる事を考えているだろう。

不利と見ればこちらの新付の武将が寝返る可能性も捨てきれない。


「……まあ、中川や高山の摂津衆に先鋒を任せれる事になっとるし、勝三郎殿も来てくれたしの。

勝てるかどうかは時の運だでわからんけども、少なくとも大負けする事はないわな」


明智軍も明智軍で本能寺以降東西奔走しており、万全な状態であるわけではない。

秀吉軍を除いた織田軍はその点でも優位とも言えた。


「そう言えば、七兵衛(信澄)殿の旗が見えんけど、どこいったんけ?三七様んとこにおるんか?」

「……ああ、そちは知らぬはずじゃの」


長秀は先日の経緯を説明した。


「……まあ、終わった事じゃしの。わしはそこまで親交あったわけでもにゃーし、

五郎左殿が居てそうなったんじゃから、なんも言わんけどよ。柴田の親父様はうるさいぞ」

「…………分かっておる」


織田信澄の傅役、いわゆる養育係を担当していたのはなにを隠そう柴田勝家なのである。

彼の旧主であった織田信勝の遺児を信長の命で育てる事になった彼は、

それこそ息子以上に厳しく、そして暖かく育てていた。

その手塩にかけて育てた彼の旧主の子供をやむを得なかった自体とは言え手にかけたのだ。

どのような事になっても致し方あるまいとは長秀も思っている。


「……まったく、日向がとち狂ったせいで誰もかれも大迷惑じゃ」

「中将様が京からお逃げなされた事のみが、不幸中の幸いかの」

「中将様が京から脱出できた時点で、もう日向の勝ち筋はほぼなくなっとるわな」


そのおかげで近江、美濃方面でも明智側に付く武将達はほぼおらず、

信忠が日野城にいるために抑えの兵も残さなければならなくなったため、

こちらの戦線も随分と楽になっている。


そちらの対応がなければ直ぐにこちらの大坂に明智軍が攻め入った可能性も十二分にあるわけで、

そういった意味でも、信忠の逃亡は大坂にいる長秀、信孝達にとっても窮地を救う手ではあった。



「逃げるが、勝ちか」

「逃げるは恥じゃが、逃げるが勝ちよな」


はっはっはとあまり面白くない事を言いながら、ではと言い秀吉は自分の陣へ戻っていく。


「……大きくなったもんじゃの」


秀吉が木下藤吉郎と呼ばれていた時から知っている長秀としては、感慨深いものがあった。



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