日常回 日野城でのとある一日(3/4)
「松姫様、こういってはなんですが、美人とは言い難いじゃないですか?」
ーーーあ〃あ?
こちらの形相によほどびっくりしたのだろうか、半泣きになりながら
「……無礼講、ですよね?」
「怒らないとは一言も言っていない」
そんなーと、言った相手は抗議の声を上げるが、そんなもんしらん。
無礼講とは上下関係を気にしなくていいよってだけで、無礼を許すとかそんなんじゃないからね?
「………弁明だけ、させて頂いても?」
「………認める」
よーし、まてまてー自分、ステイステイ。
始末するのは、全ての弁明を聞いてからだ。
「客観的な事実ですよ?松姫様って目は大きくて二重ですし、はっきりした顔立ちですし、
身体も鍛えていらっしゃるのか引き締まった体型の方じゃないですか」
………………?
褒めたいのか、貶したいのか、どっちなんだ?
その後の話の内容も「??」といった疑問ばかり。
にしても吹っ切れたのかヤケになったのか好き勝手言ってるな、コイツ。
……ああ、そうか。
これ、あれだ。美醜の認識が違うんだ。
当時は写真がなく絵しか残ってはいないのだが、基本的に女性は
→『細目で切れ長の一重の目、ふっくらとした、またはふくよかな顔、身体』
このような女性の容姿が一般的な美女と言われていたらしい。
体形はそもそも食事がまともにとれない皆が栄養不足でガリガリであった時代のため、
そもそも太れるのは裕福な人達だけであったため、太っているのはプラスのステータスだったとか
なんとか。
絶世の美女と言われた信長の妹のお市の方の肖像画も、そんなイメージ。
誤解を恐れず分かりやすくいってしまえば、『お〇め納豆』のおかめのイメージが近い。
ちなみに松姫の見た目は
→『くりりとした大きい二重の目、しゅっとしたシャープな顔、無駄のない引き締まった身体』
どちらかと言えば、現代的な美女の特性を備えた女性である。
女優で言うと若い頃の松〇菜〇子みたいなイメージ。
松姫がその辺りどう思っているかは定かではないし、今後聞く気もないのだが、
個人的には好みど真ん中のストライクなので全く問題ないと言うか、
他の男が松姫に色目を見る可能性が低いというのは、それはそれで余計な嫉妬を感じなくて
いいので願ったりかなったりとも言えるのだが。
ーーーまあ、それはともかくとして。
「八つ裂きにして晒し首にしろ」
「殿!!??」
あ゛?
俺のマイスイートラブリーエンジェル松姫たんに無礼を働いて、なにを言っているのか。
初めてですよ。ここまでここまで私を怒らせたおバカさんは。
処す?処す?
「ま、まあ殿も冗談が言えるほどに回復されたという事で」
別の近習が場を収めようと会話に入ってくる。
冗談じゃないよ?
俺の松にゃんに不敬働いた奴は族滅よ?
「それはそれとして、実際10日近く経っていますが、
実際松姫様に対し要望や不満などはないのですか?それを聞くのも、我々家臣の務めですので」
「む……」
そう言った言い方をされると少し弱い。
でもなあ、なんでも本当に献身的にしてくれるし、こちらのくだらない話も
楽しそうに聞いてくれるし、今の所なにか要望や不満とかと言われても……
「………あ」
「なにか思いあたったので?」




