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④織田勝長という男Ⅰ
織田源三郎勝長。
彼は織田信長の子供の中でも、数奇な運命を辿った一人である。
幼少の頃より自分は東美濃の遠山家の養子になった。
物心ついた頃には既に自分は織田家ではなかった。
そしてすぐに自分の居城であった岩村城は武田家によって攻め落とされ、次の彼の
役割は武田家の人質となって甲府で暮らす事であった。
10年近い歳月を武田家で人質として暮らし、そうして前年、ようやく人質返還で
織田家に戻ってきたのである。
遠山家でも、武田家でも、そして戻った織田家でも、どこか周囲の自分の見る目はよそよそしい。
いじめや無視を受けたわけではないが、どこか身内ではない感覚を、どこでも彼は受けていた。
……自分は一体誰なのか。自分はどこの人間なのか。
勝長にとって、自問自答し続けた人生であった。
『おお、そなたが御坊丸か!よお帰ってきた!よお帰ってきたな!弟よ!!』
ーーーーそう、あの日までは。




