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転生したら本能寺で織田信忠だった・・・・あれ、詰んでない?  作者: ハルラララ
第二章:清州会議

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復路時の会話 前編(秀吉、秀長)

姫路城に戻る途中、秀吉と秀長は再び馬上で会話をしていた。


それぞれ立場が重くなり、自分達の発言に色々責任ができるようになりつつあるため、

こうやって馬を寄せて他人を気にすることなく(視線はあるが)会話ができる場と機会は

貴重になってきているなと秀長は思う。


兄弟とは言え、自分は山陰方面、秀吉は山陽方面の戦線にいたため、会う頻度も減っていたので

こういった機会に認識の擦り合わせもしておいた方がいいのかもしれない。

認識のズレから、取り返しのつかない事も起きるのだから。


「まずは兄者、大幅な加増、祝着至極に存じます。これで領国だけで言えば、織田家筆頭に

なりましたな」


今回の加増により、領地、領国共に羽柴家が織田家内の家臣の筆頭勢力になった事は

間違いないだろう。


それにもかかわらず、秀吉の表情はあまり芳しくない。

どちらかと言えばこれは兄が不機嫌な時の表情だ、と秀長は気づく。


「なんも目出度くもないわ。あんなもの、会議のつま弾きにした詫びみたいなもんだで。

わしの知らんとこであんな大事決めておいて、ようぬけぬけと……」

秀吉はそうぶつぶつ言いながら、不機嫌そうに空を見る。


会議で事前に色々外堀を埋められ、自分のあずかり知らぬ所で様々な事が決められていた事が

相当に悔しかったのだろうなと、秀長は思う。


「確かに、三七侍従様が織田家の筆頭になるのは考慮の外でございましたな……」


信長が亡くなった後に実際に織田家の運営をする予定であった後継者の中将信忠に記憶障害が

ある事が判明した以上、なんらかの対策をする事は分かっていた。

羽柴家としては重臣を始めとした合議制をしく可能性が恐らく高いであろうという判断で、

自分達の与力、近隣の織田家の諸武将にそれとなくこちら側につくように根回しはしており、

結果今回の加増の件もあって、織田家内の羽柴家の与党は大幅に増える結果にはなっているのだが……


「結果として織田家の中枢からは、外されてしまいましたな」

信孝擁立の賛同者にならなかった以上、今後の政権の中枢からは外される事になるだろう


「まあ、それはどーでもいいんだわ」

「そうなのですか?」


秀吉の意外な発言に、秀長は聞き返す。


「あんな雑な会議で無理くり決めた政権なんて、恐らくまともに長続きせんよ」

「まあ、無理に無理を重ねているような気はしますが……」


家督と実権を分けて運営するやり方は他家を見てもない話ではないが、

そのほとんどが当主が幼少で物理的に運営が不可能である場合に限る事が多い。

それであっても同等の権力を分けると権力争いになる事が多いのだ。


鎌倉時代の源頼朝と義経しかり、室町時代の足利尊氏と直義しかり、武家において兄弟で

権力を分散した末路は、あまりろくでもない事が多いのが先例だ。

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