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ファンタジーな世界ってこんな感じなんですか? ー起こることは現実的で心が折れそうですー  作者: ナツオ


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3-1

「何でテメェらがここにいるんだよ」

「あんたには関係ないでしょぉ」

 手甲を装備して臨戦態勢に入るジェシカと、それを見て鼻で笑う語尾が怪しい女。

「関係ないってのはそうかもしれないが・・・えーっと、あんたの名前何だったっけ?」

「・・・物覚えが悪いのは致命的だな」

「ああ、悪い悪い、覚えてるよ。ただおちょくっただけだって。な?ケビン」

「・・・やはり、斬り捨てるべきだな、お前は」


 ダメだ。おちょくり過ぎた。

 でもまあ、狩猟祭の時も大概面倒なことになったし、これくらいおちょくらせてもらってもいいんじゃないかと思うんだが。


「お前たちを追ってきてみれば、まさかレアモンスターに遭遇できるとはな」

「関係ないって言う割にゃあ喋ってくれるんだな」

「構ってほしいのでしょう」

「うるさいわねぇ、関係ないヤツはすっこんでなさいよぉ」

 俺たちを追ってきたって段階で無関係じゃ済まないんだが、あのお頭じゃ理解できないか・・・

「レアモンスターってのは・・・こちらの方のことをおっしゃってる?」

 頭と語尾がおかしい女は一旦置いておくとして。

 悠然と大地に立っているアイラに視線を向けると、

「それ以外に何がいる?」


 やっぱそうなるよなぁ。

 ユニコーンってレアなのか。神獣ってくらいだし、そりゃまあそうなんだろうが。


「滅多に出会えんモンスターだ。雑魚の始末はいつでもつけられる。まずはあいつをやるぞ」

 マイコ―が剣を抜いた。

「・・・おいおい、やめとけって」

「うるさい。モンスターを前にして武器すら出さないような腰抜けに言われる筋合いはない」

「一応、忠告してやってんだぞ、こっちは」


 相手は神獣だぞ?

 そんな簡単に倒せる相手じゃないと思うんだが。


「というより、ユニコーンと遭遇して何故戦闘にならない?」

 おっ。イケおじ、イイところに目を付ける!

 できる男は違うなぁ、やっぱり。

「大方、ユニコーンが威圧しているか、こいつらがビビッて動けないかのどちらかだ」


 威圧・・・ってほどじゃないにしても、醸し出す雰囲気に息をのむってのはある。種類は違っても、そういう点は否定しない。

 最初っから戦うつもりもないし、それどころか教えを乞うために接触しているわけだから、ビビる必要もない・・・ってのが正解なんだが、こいつらにはそれは分からないことだし、そう思われても仕方がないか。


『随分好戦的な人間もいたものですね』


 アイラが一歩だけ動いた。


「面白い。やる気を出したか」

 マイコ―が剣を構えると、魔術師も杖を構えた。

「おい、マイケル、よせ」

「神獣に手出しをして無事に帰った人は少ないっていう話だけど・・・」

 アルバートとヒーラーは一歩引いた。

「ビビるな。過去、倒せた事例もある。なら、俺たちにもやれるはずだ」

「・・・そうなのか?」

 アイラも・・・というより、ユニコーンも神獣の仲間っていう認識だ。

 アポロとアイオロスが戦っている様を見たことがないから何ともだが、神獣ってのは強いわけじゃないのか?

『確かに倒された同胞はいます。ただし、力の未熟な子供でしたので、仕方がないところはあります』


 子供の個体だったか。

 倒されたユニコーンがいくつくらいの子なのかは分からないが、余程特殊な例じゃない限り、人間の子供も力は未熟だし、良い判断も下せない。

 やられても仕方がないところではあるが・・・


「ユニコーンの素材は高く売れる。あの額の角を武器にすれば、万物を斬り裂けるという噂だ。ここで討伐して素材をいただく」

 神獣の素材って加工できるのか。

 マンガとかゲームでもよくある話だし、不思議には思わないが・・・

『否定はしませんが、こちらも命を落としたくはありませんので、戦うしかありませんね』

 アイラがまた一歩前へ。

『キリヤ。今はあなた方だけに声が聞こえるようにしています』

 神獣お得意のテレパシー。

 今回はうちのメンバー全員に聞こえるようにしているようだ。そっちのほうが説明の手間が省けるから助かる。

『あなたの課題はアルテミナ様だけでなく、アポロやアイオロスからも聞いています。わたくしの戦い方を目に焼き付けなさい』


 アイラの角が少し光る。

 眩く光るんじゃなく、じんわり、温かさを感じるような輝きだ。


『わたくしからあなたに教えられる戦い方はそう多くはありません。ですが、これができれば大型モンスターとも十分に渡り合うことができましょう』


 そんな戦い方があるのか・・・?

 ヴェロニカみたいな圧倒的な火力を出すわけでも、オニキスみたいに接近しきっての一撃必殺みたいなことでもなく?


「来るか・・・!」

『わたくしも神獣の端くれ。あなた方のような俗物にやられるほど、落ちぶれてはおりませんよ』


 アイラを中心に風が発生している。

 風を自分に引き付けるんじゃなく、まるで身に纏うような・・・


「行くぞ!!!」

 マイコ―が剣を構えて踏み込んでいく・・・!

 そして、

『良いでしょう。相手になります』

 アイラは軽快に駆けていき、

『細切れにして差し上げましょう』


 ・・・怖いこと言ってる・・・

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