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「随分すごいことに巻き込まれているんだねぇ、キリさんは」
「な?すごいだろ?」
アポロのこと。アイオロスのこと。アイラのこと。アルテミナのこと。
そして、ビューラ大陸にいるであろう頭のおかしいヤツのこと。
ざっくりとだが、一通り全員に教えた。
「敵の位置を正確に分かるのも、アポロという神獣のおかげだったんですね」
「そういうこと」
「シルフィでの特訓も、アイオロスっていう人が課した試練だったわけか」
「人じゃなくて狼だけどな」
突然、パスポートで得られる以上の能力を発揮したり、急に特訓をすると言い出したり、今までなかったことをするもんだから、思うところはあったらしい。
その理由が分からなかったから言わなかっただけで。
「え、いや、ちょっと待て・・・え?お前が異世界人で、神は本当にいて、んで?は?」
ジェシカはあまり理解していないようだ。
いや、こいつはこれでいい。これがいい。
全員すぐに理解してくれるってのはそれはそれでありがたいが、それはそれでバランスが悪い。大体、熱血漢が一人、冷静なヤツが一人、天然が一人、おバカが一人みたいな感じの組み合わせがちょうどいいんだ。
ウチのパーティでおバカ枠はこいつ。それでいいんです。
「テメェ、あたしのことバカにしたろ?あ?」
「してねぇよ。何も言ってないだろ」
相変わらず察するな、こいつ・・・
俺、顔に出てるのかなぁ。
「それで、ここですることはあのユニコーンに関係しているんだよね?」
「ああ、そうだ」
具体的に何をするかは教えてもらってない。
ただ、何となく分かる。
「ミルクは私のほうで作って飲ませておきますので、キリヤさんはご自身の用事を済ませたほうがいいかもしれませんね」
「とりあえず、火を起こすわ」
石で組んだ釜土に薪と枝を入れて、
「フレアバレット」
火の玉を撃ち込む。
細い枝にすぐに着火した。
「ここで油断すると消えるんだよなぁ」
枝を入れ、様子を見て太めの薪をくべる。
魔法での着火は確かに強力だ。
薪の太い細い、樹種を問わず、一気に着火させられる。
本来必要な要素を不要としない。特殊な条件があるなら話は別だが、ある程度無視して発動できる。それが魔法なんだろう。
それ故にか、とにかく強力な力を発揮する。
俺の未熟な火球でさえ、薪に着火できる。以前、ヴェロニカは一発で消し炭にしかけていた。水でも氷でも雷でも、使うヤツ次第で一撃必殺になり得る。
「よし、ユニコーンを探す」
火が安定したし、お話を聞きにいくとしますか。
まずはバードアイでユニコーンの位置を掴んで・・・
『戻りました』
こっちが探す前に戻って来た。
「おお、探す手間が省けたぜ」
『少し周辺を見回ってきたのです』
「・・・この辺りにも何かいるのか?」
この森は地元民も立ち寄らないようなところだ。それに加えて、動物の個体数もそこまで多くはない。
トラブルなんか起こりそうには思えないが・・・
『森に侵入してくる者たちがいます』
「・・・ほう」
ここに俺たち以外の誰かが来たのか。
進入じゃなくて侵入って意味合いを使う辺り、歓迎しているわけじゃあなさそうだ。
『数は四つ・・・ヒト族です』
相手は人間か・・・
『男が二人、女が二人』
パーティを組んでいる・・・冒険者か?
「キリさん、あの人たちだよ」
「何?」
「―――この辺りだ」
金髪の剣士。
黒髪ロングの女。
キツめのピンクのボブヘアーの女。
槍持ちのイケおじ。
「・・・またあんたらかぁ」
もう見飽きたよ、こいつら・・・




