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ファンタジーな世界ってこんな感じなんですか? ー起こることは現実的で心が折れそうですー  作者: ナツオ


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6-5

「北門に着きましたよ」

「おう、ありがとう」


 レナが北門まで送ってくれた。


 俺たちはドッシュで。

 レナは馬車を用意していて、キースとリオーネも同乗していた。


「世話になったな」

「いえ、こちらこそお世話になりました」

 レナには狩猟祭以降、色々と世話になった。

「長い間ありがとう。勉強になったよ」

「これからの旅も気を付けてね」

 キースとリオーネともここでお別れか・・・

「こっちこそ勉強になったし、世話になった。二人も色々あるだろうけど、お互いがんばろう」


 二人はガーベラさんの配下として仕事をしていくことになる。

 どんな仕事をするかは分からないが、傭兵稼業とは違う大変さがあるはずだ。

 まあ、その分、高い給料を貰えるっていうメリットがあるから、そういうのは考え方次第だろうが。


 トールとジャンと比べて、二人はかなり長い付き合いになった。

 正直、即席パーティだった割には居心地は良かったし、構成も理想的な内容だったこともあって、続いてくれたら助かるなぁって気持ちはあったが、事情がそれなだけに続けられないってのが痛いところ。


 まあ、二人は優秀だし、ここに残っても上手いことやるだろう。

 トールとジャンはそうじゃないって言いたいわけじゃないが。断じて。


「まあ、ガーベラさんが落ち着いたらお役御免ってことも有り得るし、肩肘張らずにがんばりましょ」

「俺はオニキスさんの修行があるからなぁ・・・」

 ・・・キースはちょっと大変かもな。


「結局、あの子はいないわね」


 あの子ってのはジェシカのことか。


 確かに来ない・・・っていうか、見かけない。

 ガーベラさんから報酬を貰った後、姿を消した。宿屋に戻って様子を見に行ったが、すでに部屋は引き払われていた。

 これからは単独で活動するってことだろうか?

 まあ、出会った時からすでに一人だったし、元の環境に戻ったっちゃあそうなんだが。


「あいつはあいつなりに思うところがあるんだろ。別にいいさ」

 ジェシカも二人と同じタイミングでパーティ入りしたわけだし、それなりに世話もしたし、何か一言あってもいいんじゃないかと思ったりしないでもないが、別に強要することでもないし、一人でいたいならそれでもいい。

 なかなか尖ったキャラだったことが印象に残ってるってのが悲しいところだが・・・


「じゃあ、行くか」

 いないヤツのことはどうしようもないし、俺たちもこれからのことに目を向けないとな。

「お元気で!」

「気をつけてな」

「また会いましょう!」

「おう、またな!」

 三人に見送られて、俺たちは首都を後にした。

「長い滞在になったねぇ」

「まあ・・・こればっかりはな」

 元々、そんなに長いこといる予定はなかった。

 調査に必要な期間しか想定していなかったし。


 余計なイベントをこなしはしたものの、そういう意味で言うなら、思ったより短くできたっていう一面はあるかもしれない。


 ガーベラさんたちのおかげで、目指すべき目標が見えた。

 助言がなきゃ、ヴェロニカが魔族だってことを知るのももっと遅れていただろうし、闇雲に首都中を歩き回って調べていたかもしれない。

 その分、狩猟祭で足止めすることにはなったが、それが無かったとしたらもっと早くに出発できただろう。


 それはそれとして、狩猟技術の習得や課題も見えたし、この滞在も無駄じゃなかった。


「ちょっと急ぎで行くか」

 ドッシュの足を使って、可能な限り早く港町に着くようにするか。

 急いだところで船がすぐに出るとも限らないが、ワンチャンすぐに出航できるかもしれない。

 こっちは現代社会と違ってきっちりした出航時間も情報展開もないし、焦っても仕方がない一面はあるが、ヴェロニカの機嫌を損ねないようにしておくほうがいいだろう。

 できることはやっておくに限るってやつだ。


「・・・ありゃ?」


 ヴェロニカが何かを察知した。


「どうした?モンスターか何かか?」

「いや、そういうのじゃないけれど」

 じゃあ何だ?

 ふと周囲を見回してみると、

「・・・何で???」


 そこにジェシカがいた。


「こんなところで何やってんだ?」

 てっきり一人でどこかへ旅立ったとばかり思っていたが、

「あたしも行く」

「・・・はい?」

「聞こえなかったのかよ。あたしも行くっつってんだ」


 どういう展開だ、こりゃあ・・・


「何でそうなるんだよ?」

「うっせぇなぁ。あたしの勝手だろ」

「あのなぁ・・・」

 そういうのは好き勝手できるもんじゃないと思うぞ?

 少なくとも、相手の都合とかがあるわけだし・・・

「いいよ、キリさん」

 意外なことにヴェロニカが受け入れようとしている。

「あ・・・?誰の声だ、こりゃ?」

 ジェシカが辺りを見回している。

 ヴェロニカがテレパシーで声を発していることに気付いていない。

「何となく気付いているみたいだし、ここまで来たら避け続けるのも難しいし苦しいからね」

 ヴェロニカが小さい手を前に突き出して、ジェシカに向けた。


 これは・・・アレかぁ。


「あ・・・?何だ?」

「フレアバレット」


 ドオンッ!!!


 旅立った直後・・・大きな花火が発生した。

 祝砲・・・というにはあまりにも物騒な砲撃。


 ある意味、俺たちらしい展開だった。

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