13-1
「キリ、いたよ。もう少し前に気配がある」
「おう」
俺とヴェロニカ、マーベルさん。
三人でパワードグリズリーを担当する。
まあ、三人ってのは名目上。
「本当にキリさん一人で大丈夫かい?」
「任せときなさいって」
今回は俺一人で狩る。
ヴェロニカとマーベルさんはあくまでもバックアップだ。
面倒な話だが、神様連中の課題がある。
どうやらちょい格上で、ボスゴブリンとは比べ物にならないくらいパワーが強いらしい。課題の相手としてはちょうどいいって判断だ。
こっちはこっちでスキルを充実させてきたし、武器もパワーアップさせている。
自分なりに立ち回りを考えてきてはいるし、狩れない相手じゃない・・・とは思う。
熊の一頭や二頭狩れないようじゃあ、先は知れているってのも分からない話でもないし、やらざるを得ない。
万が一、俺がやられそうになったらヴェロニカが仕留めてくれる。
そうなったらアイオロスが面倒なことになるんだろうが、命には代えられない。
そもそもの話、アルテミナの頼みも聞く必要もないっちゃあないんだが、なんか知らないけど巻き込まれちまったからなぁ・・・
「・・・っし」
ここでうだうだ考えても仕方がない。
やることをやらにゃあ帰れん。
「二人はグリズリーを捉えられるくらいの位置で待機しててくれ」
「危なそうなら手を出すってことでいいんだね?」
「おう」
ドッシュを降りて、
「頼みます」
「はい」
手綱をマーベルさんに手渡す。
「キリさん」
「ん?」
装備の確認をしていると、
「またわたしも分からない相手と話をしていたようだけど」
・・・朝一の話か。
「大丈夫なんだね?」
まあ、今の置かれてる環境上、相当レベルが高いことはヴェロニカも分かってる。
この世界の上位種らしい魔族だって分かったわけだし、当然と言えば当然とも言える。
そんな存在でも分からない存在・・・気になるのも分かる。
朝一のターゲット選定の件も気にしていたんだろう。
「やってみるさ」
だが、今は話してやれない。アポロはどうしようもないならって条件を付けてくれているが、今はまだ誤魔化せる。
「じゃあ、行ってくる」
「気を付けてね」
「必要であれば、すぐ呼んでください」
「了解」
二人から離れて、先に進む。
『いよいよ限界か?』
アポロも誤魔化しきれないと思っているか。
「さあね」
『あの娘・・・一般的な魔族とは一線を画す能力だ』
アイオロスも驚くってことは、やっぱり相当なもんなんだろう。
だからこそ気になる。
何で森に捨てられていたのか・・・?
『やはり魔族の本拠地に向かうしかなかろう』
鍵はそこしかないか。
「簡単に言うじゃないか。遠いぞ?」
魔族はビューラ大陸に国を構えている。
大陸間移動は避けられないし、飛行機みたいな乗り物もない以上、相当時間が掛かる。
『そのことは後ほど考えるとしよう。今は目の前のヤツを狩ることに集中せよ』
「・・・あいつか」




