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最強の少年聖騎士、転生者を狩る〜研ぎ澄まされた技で、チートを凌駕する〜  作者: 宇奈木 ユラ
第6章 交易都市の死闘(後編)

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201/206

ACT.185 会敵(Ⅰ)

 レジーの住む屋敷の正門で、剣と盾を携えた黒騎士が警備兵たちを蹴散らしながら正面突破を試みているのと同時刻。


「此方へ」


 屋敷へ先行潜入していた|"根"《しじしゃ》の一人である老いた庭師の手引きにより、ベルタは裏口を通って敷地内へ侵入を果たしていた。


「ありがとう、助かった」


 裏門を抜けて庭園の端を歩き、庭師に与えられていた作業小屋の影へ辿り着いたベルタは、庭師へと深々と頭を下げた。

 その姿を見た庭師は慌ててソレを止める。


「よして下さい、貴方様とあろうお方が一介の老人へ」


「それでも」


 そう言って顔を上げたベルタは、老いた庭師を真っ直ぐに見つめた。

 彼の瞳には敬意が籠っている。


「貴方には、私の持ち掛けた協力を断る権利があった。聖教会が関わる案件と分かったのなら、その時点で助力を断りこの土地から逃げるという手もあったでしょうに」


 ベルタが協力を仰ぐ"根"は、志願者のみで構成されている。

 王族である事を放棄した今の彼には、かつての様な権力も権利も無い。


「貴方様には大恩がございます故に」


 それでも多くの人が協力を惜しまないのは、彼の人柄と功績によるモノだ。

 この庭師もまた、かつて王宮に仕えていた際に自身と妻を彼に救われていた。


「──ならば、もう行きなさい。奥方と二人で、よい人生を」


「勿体無き御言葉」


 一度深々と首を垂れた老人が、ベルタへ背を向けて歩き出したのを確認して、彼もまた背を向けて歩き出す。

 本館にある使用人用の裏口の扉を、庭師から貰った鍵を使って開く。

 屋敷正面での騒動に気を取られている為か、遠くで騒がしい声がするのみで周囲に人の気配は無い。


「行こうか」


 袖口からいつでも得物を取り出せる様に気を付けながら、物陰から物陰へと身を隠しながら進む。

 時たまに慌ただしく使用人がすぐそばを通りかかったが、発見はされない。

 よほど正面突破で暴れているライの陽動効果が素晴らしいみたいだ。

 もっとも、ライへの指示は『わかりやすく、目立ちながら屋敷へあがりこめ』だったのでうかうかしていると台風みたいなのがこの場に上陸してしまう。

 その前に、レジーを確保してしまいたいとベルタは考えているのだが。


「それでも、このような屋敷に隠し通路くらいは」


 ついその可能性を口に出した瞬間であった。


「居たぞ、粛清騎士!」


 彼の真後ろ。

 ぱっくりと胸元が空いた衣装を着た、この場ににつかわしく無い容貌の美しい女性が廊下の先で彼を指差して叫ぶ。

 不味い。

 逃げようと脚に力を込めて走り出そうとしたベルタが、再び後方の女性へ視線を向けた。

 その途端、彼は驚きに目を見開く。

 何故なら、此方を見つけて叫んだ女性の更に後方の廊下の彼方から、()()()()()()()()()()()()()が鉈を持って、ベルタ目掛けて一斉に押し寄せて来たからだ。

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