意義
週一投稿頑張ります!
森の奥で爆発音が響く。
ドォォォォン!!
「急ぐよ。」
アルファはスピードを上げた。
アモンも慌てて後を追う。
————————————————————
「先輩!」
「なんだい?」
「勇者代行って何する仕事なんですか!?」
「今それ聞く!?」
「今まで聞く暇なかったじゃないですか!」
アルファは苦笑した。
「えっと、勇者代行とは簡単に言うと。」
木々の間を駆け抜けながらアルファが答える。
「勇者の代わりをする仕事。」
「だからそれが分からないんですよ!」
「パラレルワールドって知ってるか?」
「はい、一応。」
「えっと、異世界みたいなものですよね。」
「あぁそうだ。」
「パラレルワールド…異世界には、たまにイレギュラーと呼ばれる魔王的存在がいる」
「で、そいつを倒すためにその異世界から勇者が出るんだが…たまに勇者が死ぬんだよね。」
アルファは木の枝を飛び越えながら答える。
————————————————————
「勇者ってな、勇者なんだけど人なんだ。」
「普通に怪我もするし、死ぬこともある。」
「……うーん。」
「だから代わりの勇者が必要になる。」
アモンは少し考える。
「つまり、勝手に死んだ役立たずの勇者の穴埋め?」
「だいたい合ってる。」
アルファは笑いながら頷いた。
「でもね、給料は高い。すごく」
「なるほど。」
「その代わり死亡率も高い。」
「なるほど…じゃない!」
————————————————————
数分後。
二人は森を抜けた。
そして。
アモンは言葉を失った。
「うわ……」
小さな村だった。
しかし。
半分以上が燃えている。
家屋は崩壊。
地面には巨大な爪痕。
まるで怪獣でも暴れた後のようだった。
「遅かったか。」
アルファが呟く。
そこへ、一人の鎧を着た中年男性が走ってきた。
————————————————————
「王国の騎士か!?」
「あぁ。」
アルファが答える。
「え?ちょっとアルファ先輩。」
「先輩って王国の騎士だったんですか?」
「あぁ一応な」
「一応って?」
「俺達勇者代行サービスが、いきなりその異世界に急に行くと怪しやまれるだろ?」
「ましてや、どこの馬の骨か分からない奴が魔王を討伐してみろ。怪しさMAXだわ。」
「だから、王国の騎士とかなるべく魔王討伐に怪しまれない所に入っているんだ。」
「そうなんですか…。」
そうアモンがアルファの説明に納得していた時、アルファが聞いた。
「でだ、そこの冒険者状況は?」
「オーガだ!オーガが出たんだ!」
「何体?」
「5体だけなんだが、4体目までは普通に倒せたんだ。」
「でも、残りの一体だけが異常に強いんだ!」
男性は息を切らしながら叫ぶ。
「その一体だけで、助けを呼びに行った俺以外の村の冒険者が全滅した!」
アモンの顔色が変わった。
全滅。
その言葉の重さを初めて実感する。
ゲームではない。
本当に人が死ぬ世界なのだと。
————————————————————
「場所は?」
アルファが再び聞く
「北の丘です。」
アルファは頷いた。
「了解。」
そして、アモンを見る。
「アモン。」
「はい。」
「これは、緊急事態だ。」
「俺から離れんなよ。」
「はい。」
この時のアモンは、状況を甘くみていた。
————————————————————
北の丘。
死体が散乱している所にそれはいた。
身長五メートルを超える巨体。
青黒い皮膚。
巨大な棍棒。
ゲームで何回も見た姿。
オーガだ。
だが、それは普通のオーガではなかった。
オーガには村の冒険者が付けたと思う傷がたくさんあった。
普通は、弱っているはずなのに…。
そのはずなのに…。
だんだんと傷が再生している。
腕にあった傷が。
足にあった傷が。
どんどんなくなっていく。
「なんで…。」
アモンが呟く。
「たぶん再生能力だ。」
アルファが冷静に分析する。
「ヤバいなこれ、少々厄介だ…。」
アルファは表情を引き締める。
オーガがこちらを見る。
赤い目。
普通オーガは知性は低いはずなのに、その目には、知性を感じる。
————————————————————
次の瞬間。
ドンッ!!
地面が砕けた。
オーガが突進してくる。
「速っ!?」
五メートルの怪物とは思えない速度。
しかし、アルファは動じない。
「下がって。」
その声だけで。
アモンは本能的に後退した。
アルファが前へ出る。
オーガの棍棒が振り下ろされる。
轟音。
————————————————————
地面が爆発する。
だが、アルファは紙一重で回避した。
そして、指先がオーガの腕に触れる。
じゅっ。
触れた所から腐敗が広がる。
そして、腐った肉が溶け落ちる。
「グォォォォォ!!」
オーガが絶叫した。
しかし、再生する。
そして、また壊れる。
再生する。
壊れる。
異常な光景だった。
————————————————————
「なるほど。」
アルファが呟く。
「自分のスキルと相性が悪いな。」
その時。
オーガの再生が急激に加速した。
腐敗した腕が一瞬で元に戻る。
「え?」
アモンが目を見開く。
アルファも驚いた顔をした。
「ちょっとそれは聞いてないな。」
オーガが笑った。
まるで人間を嘲笑うかのように。
そして、殺しを楽しむかのように。
アモンは唾を飲み込んだ。
「……ハハ。」
「生き残れるかな…?」
たまに週ニ投稿頑張ります!!




