作戦会議
古の妖怪との戦いを終え、作戦会議をするなゆたたち。その中で知られる真実にヤマトは────
「なゆた!怪我は?」
「無いよ。ヤマトたちは?」
双子に目が止まる。急いで駆け寄り焦る瞳。
すぐに察したサクヤが頭を撫でる。
「大丈夫だ。大した怪我じゃない。ニコ、歩けるか」
「もうちょい」
「ったく…」
ニコを担ぎ直す。ホッと息をつき白夜に目を向ける。
「なゆた、ちょっとええか?」
白夜に呼ばれ行く。
「あの大妖怪の目的やけど…」
「特務退魔課と手を組んでたんでしょ。思った以上に相手は厄介だね」
「知ってたんか?」
首を振る。
「カマかけただけ。そしたら分かりやすく動揺してくれたから…その顔だとなにか知ってる顔だね。教えて」
「中に入ろうか」
百鬼夜は城の中に入り座る。
「怪我してる人、他にいない?」
「大丈夫だ。ニコも休め」
その言葉にニコは座る。
「特務退魔課の目的は王の抹消。妖怪の国を滅ぼす」
「なんで大妖怪たちがそんな事に手を組んで…」
白夜は黙る。
確かにそうや…ろくでもない連中やけど昔から妖怪の国を見ている…なゆたが王になったからか…?いや、もっと…
白夜はハッとする。
「…王になった半妖を殺す代わりに王の座をぬらりひょんに譲る…」
「なによそれ…矛盾してるじゃない。滅ぼそうとしているのになんで王をまた誕生させようとしているの?」
「こういう約束を交わしたとしたら?今の妖怪を殺し新しい妖怪をまた作り上げ新しい妖怪の国を作り上げる…それだと協力したっていうのには辻褄が合う」
「傍観者は俺に言ってたわ。新しい国を作らないか…と。なゆたの言うことは合ってると思う」
「でもなんで…」
「ボクの暴走…」
その言葉に全員が口を閉じる。
「ボクの暴走には何かしらの力がある。それを利用とするならボクを狙うのは自然」
「そして、ボクの兄…黄泉は特務退魔課にいる。もしボクらを恨んでいるなら──」
その瞬間、
ヤマトが勢いよく立つ。
「ま、待てよ…何言ってんだなゆた…」
声は震えている。なゆたは落ち着きながらヤマトを見る。
「黄泉が特務退魔課にいる…?冗談だろ…?だって、あいつは俺の腕の中で死んだはずじゃ…」
「ヤマト、落ち着いて」
袖を引く。だが、瞳の揺れは収まらない。
「落ち着けるわけがない…俺はやっと前に進めたのに…っ」
サクヤはジッとなゆたを見る。それに気づいたなゆたはサクヤに目線を合わせる。
「なゆたは、なぜ兄のことを聞いた?」
「知るべきだと思ったから。あの日、ボクが家を出た時…あの人がいた」
「なぜそれを言わない」
「そんな重要人物だと思わなかったから。いや、思えなかった。それはボクの中にあるなにかがそう思ったからだろうね」
胸に手を添え俯く。
「問題はなぜ、黄泉が人間の組織と手を組んでいるのか。なぜ生きているのか。ヤマトはそれを知りたがってる。祢々切丸より先にそっちを優先したい」
「けど、それだとヤマトの能力は後回しって言ってるものよ?」
「ヤマトは自分の能力と黄泉、どっちが優先?」
目線はヤマトに集まる。
「…っ、俺は…」
拳を強く握る。それでもなゆたは震えるヤマトの手を優しく握る。
「兄ちゃん」
その言葉にハッと意識が戻る感覚。
真っ直ぐ見つめられる金色の瞳の奥はヤマト。
「俺は…黄泉を探したい」
「じゃあ、決まりだけど意見ある人いる?」
静かに手を挙げる白夜。
「ちょっと聞いてて思ったんやけど。祢々切丸はそこにあるんやろ?同時に進めたらあかんの?」
「問題が大きすぎる」
「なゆたとヤマトは黄泉様を。他は祢々切丸探しに分ければええんとちゃう?仲間なんやろ?」
その言葉になゆたは黙る。
「敵が強いから心配?そんな心配はいらへんわ。全員強くなってってる。仲間を信じられへんのか?」
「たしかに…その方がいいかもね。そうしよう」
「なゆた…」
「なに?兄ちゃん」
なんで、実の兄を知ったのに俺を"兄ちゃん"と呼ぶんだ…
そんな言葉は喉から出てこなかった。
「もう少し、特訓してから帰ろう。念には念を。あ、」
全員なゆたを見る。
「今日は疲れたしやっぱ明日にしよ…」
ニコたちはその言葉に口が緩む。
ヤマトと白夜を除いて。
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