表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月下の半妖  作者: 霜月パラド
半妖の鬼と特務退魔課
PR
87/102

太陽

軍に入ったニコとサクヤ。そこで出会った総大将、ヤマト。

2人は頂点に立つため、総大将ヤマトと交戦を行う。

「そりゃあ、妖怪も人間も嫌いになるわ」


「でしょ。この先もずっと嫌いだと思ってた。あの方やあいつに出会うまでは」


◇◆◇◆


何年か立ち、ニコたちは軍の練習生として学校に入る。

唯一残された母の遺産。それを使い、練習に励んだ。


軍の頂点になるには2つの方法がある。


1つ目は、新兵から成り上がること


2つ目は、総大将に認められ飛び級すること。


だが、2人は2つ目なんて考えてもなかった。

嫌いだから。

信じられるのはお互いと自分だけ。


軍の練習生を卒業し、新兵に上がる。

入隊式、ほかの新兵と並び前を見る。

そこに現れた、


赤い髪を靡かせる犬の少年。


「ねぇ、あれ私たちと同じくらいじゃない?年齢」


「…確かにそう見えるが年下にも見える。あんな奴がもう総大将なんて」


「…どこぞのお坊ちゃんでしょうね」


入隊式が終わり、ジッと赤髪の少年を見る。


「あんな馬鹿面…どうせ大した腕じゃないわ」


「俺たちは半妖だが2人になれば普通の妖怪と同じだ」


そこに、副将がやってくる。


「貴様ら何しにここに来た?」


大きな身体。威圧的な存在をニコが睨む。


「…なにこのオッサン」


「おい…一応、副総大将だ。変に喧嘩を売るな」


「何しに来たと聞いている」


そこにめんどくさそうに来る赤髪の少年。

サクヤは素早く睨みつける。


「頂点に上がるためよ」

「馬鹿にしてきた奴らを見返してやるの。それだけの理由だと不満かしら」


「いや。理由にしてはいい回答だ。だが、頂点がどんなもんか分からないからそう言ってるんだろう」


副将は赤髪の少年を見た後、


「この総大将と2対1で戦ってもらう」


「は?お、おぉいちょっとまてオッサン。俺はやらねぇぞ?」


赤髪の少年はめんどくさそうに慌てる。


「なんで俺たちがそんなめんどくさい事を…」


「この総大将から1本でも取ればお前ら2人を軍の頂点として認める」


ニコの耳がピクっと動く。

2人は目を合わせた。


「おい待てやコラ。勝手に話進めてんなよ。俺はやらねぇ。勝手にやってろ」


赤髪の少年は踵を返しヒラヒラと手を振る。

ニコはニヤッと笑う。


「あら?もしかして怖気付いちゃったのかしら?」


「…は?」


「確かに2対1なんて卑怯でやりたくないものねぇ。でも、戦いって2対1どころかそれ以上の戦いだってあるのよ?」

「もしかして、戦場に出たことない坊ちゃんなの?」


サクヤは何も言わない。

ニコは挑発上手だ。

相手が嫌がるであろう言葉を言う。

相手は、ニコを睨みつける。


「てめぇ、クソ女。俺の気も知らねぇで」


「やるならさっさとやるぞ。時間の無駄だ」


さっさとこんなくだらん交戦を終えたい。

この総大将とか名乗る少年を倒し、俺たちがト 頂点に立つ。


サクヤはそんな目をして武器を手に取る。

相手は大剣。


「ニコ、懐に入れば勝てる。相手は大剣だ。懐にさえ入ってしまえばこっちのもんだ」


「なんだ。私たちの得意なやり方じゃない。さっさと終わらせましょ」


「始め!」


副将の合図。その言葉と共に走り出す。

懐を狙いニコは低く攻撃をする。

その隙間からサクヤが槍で攻撃。

悪くない戦いだった。


こいつ、なんて隙のない動きなの…っ?!全部読まれてる感じ…


余裕の顔、真剣なニコにとってそれは癪に障る。


「腹立つ顔ね…っ!」


「そりゃどうもっ!っと」


「きゃ!」


交わった大剣と爪。そのまま押され距離を取られる。

けどいい。

隙は作ったわ。サクヤ。


後ろからサクヤが攻撃を仕掛ける。


勝った。


そう思った。


だが、サクヤの攻撃は簡単に避けられ掴まれる。

そのままくるりと回り思い切りサクヤを蹴る。息をする間もなく持ち手の部分で腹を殴られ倒れる。


「ぐぁ…っ!」


「ぐっ…」


こいつ…強い…っ!


余裕の顔。まるで子供の遊び相手をしているかのような。

圧倒的、強者。


「そこまで!」


副将の声が響く。


なんで…私たちは2人合わせれば負け無しだったのに…!


なかなか立ち上がらない2人を見て赤髪の少年は2人の手を引いた。

だが、その顔は先程のふざけた顔ではない。


「俺は地べたを這ってやっと上り詰めた。貧しい環境で地獄のような日々を過ごした」


その目は真剣な眼差しだった。


「簡単に人の人生を笑わない方がいいぞ」


ふと昔の記憶が蘇る。


こいつも一緒の人生を歩んで…


それでも赤く輝いていた瞳は綺麗だった。


同じ環境を経験したと言ったはずなのに、なんでこんな輝いているのよ…


「大丈夫か、ニコ」


サクヤが気にかける。


「えぇ、重い一撃だったけど平気。サクヤは?」


「俺も平気だ」


サクヤは息を吐き手を差し出した。ニコも理解したように何も言わない。


「俺たちの負けだ。あんたに従う。俺はサクヤ。こっちがニコだ」


「よろしく。あんたら強かったぜ」


ヤマトと呼ばれた少年は笑う。


「どの口が言うのよ…化け物でしょあなた」


化け物のように強いヤマトに"強い"と言われ悪い気はしなかった。


サクヤとニコは笑う。

ヤマトという太陽は痛いぐらいに輝いていた。

ここまて見てくださりありがとうございます。


55話のニコ視点です。あの犬神はバケモンらしいですよ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ