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月下の半妖  作者: 霜月パラド
半妖の鬼と特務退魔課
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白雪

店に現れた白雪。交戦の際、白雪が取った行動とは。

そして、ヤマトに起きた異変

なんでもない日常が過ぎあっという間に約束の1週間。

ニコたちは軍服を着て営業する。


「ニコ、これ3番テーブル」


「はーい。ほら、狐。これ運んで」


「なんで俺まで…」


白夜は文句を言いながらも4人の手伝いをする。

なゆたはいつも通り、端に座りただお酒を飲む。


…来た


そう思った瞬間、


カラン


扉が開く。

待ってましたと言わんばかりの笑顔でニコは振り向く。


「いらっしゃいませ!」


「こんばんわ♡」


白雪が現れた。

空気を乱さないようにいつものペースで。

まるで来ることを知らないみたいに


「また来てくれたのね」


「前のお酒が美味しかったから」


ヤマトはタイミング良くなゆたの傍に居る。それを見て目を細める。

席に着きメニューを開く。

ふと、金髪の青年に目が行く。


「あれ、今日は新しい人いるんだね」


「えぇ、新人よ。メニューは決まったかしら?」


「うん、決まった」


そっとメニューを閉じ、ヤマトを指さす。


「ヤマトくんを頂戴♡」


足が揺れる。


帳が落ちた。


だが誰1人驚くことなくただ立っている。

そして、なゆたが前に出た。


「すみませんお客様。うちの従業員は売り物じゃないので」


その言葉と共に手を前に出す。


それと同時に、


サクヤとニコが武器を取り出し力強く踏み込む。


「本当に殺してでも手に入れるしかないんだぁ」


ニヤッと笑い札を取り出す。その瞬間、


札は大きな斧の形に変わり振りかざした。


「斧か…厄介だな」


「そうね…でも…っ!」


ニコは一気に距離を詰め爪を振り上げる。


「おっとと…お姉さん。綺麗な顔して意外と危ないんだ」


斧を持ち直し横腹を狙う。


「しま…っ」


「ニコ!」


切られる。


そう思った


誰かに持ち上げられる感覚。

見上げると目の前に白夜がいた。


「あんま突っ込んだら危ないで」


「お、おお下ろしなさいよ!!」


「はいはい。あー重たいわ」


「このまま殺すわよまじで」


「こっわいわぁ…」


ニコを下ろしジッと白雪を見つめる。


「あれが特務退魔課の白雪ちゃんっちゅー子か…あの子、かなり強いで」


「わかってるわ。余裕そうにヤマトのこと見てる」


サクヤと白雪がやり合う。


「なゆたは何しとるんや…」


「たぶん、この帳を解析してるんじゃないかしら」


「そんなことできるんか?」


「なゆたはね、記憶を無いながらにもなにか出来ないかって鍛錬は毎日…人間のことや妖怪の研究をしてたわ」

「あの子は、恐ろしいほどに理解力が高い」


なゆたはゆっくり顔を上げ、武器を持つ。

一瞬だけ、なゆたは白夜と目を合わせた。


「あー…そういうことか」


白夜が目を細める。


なゆたは、まるで分かったかのように


「ヤマト」


その言葉と共に大剣を構える。

2人は一斉に走り白雪に向かって攻撃を開始する。


「やっとヤマトくん来てくれた♡どう?そろそろ付き合わない?お互いのことは付き合ってから知ればいいと思うんだよね」


「生憎だが、俺は恋人を募集していない」


「えー?なんで?なゆたちゃんがいるから?」


「そうだよっと!!」


手は止めず相手と話す。


「ヤマトくん、強いんだ。ますます好きになっちゃった」


まるでなゆたの事が見えていないかのようにヤマトだけを見る。

そこでやっとなゆたを見る。


「ヤマトくんと話したいから邪魔しないでよ」


スっと目が細くなりなゆたの腕を掴む。そのまま飛ばすも地面に大鎌を突き立て速度を落とす。


「ちっ…」


「ねぇ、ヤマトくん」


ふわりと軽く。まるで優しく包み込むように近づき両手でヤマトの頬を包む。


「しまっ───」


「ヤマトくんはやっぱ私と一緒に行こうよ」


一瞬のことだった。


なゆたの目が開く。


ゼロ距離。


白雪はヤマトの口を奪いキスを落とす。


「…っ?!」


強く肩を押し手の甲で拭う。


「その反応、もしかしてファーストキス?」


「てめぇ…何飲ませた…」


「すぐに分かるよ♡ウブな反応可愛いね♡ずっとなゆたちゃんが横にいたら経験も…まだかな?」


「はっ、ウブ?」


ヤマトは鼻で笑う。


「俺のファーストキスも経験もう終わってるよ」


その言葉に白雪は笑みが無くなる。


「俺のファーストキスは昔、なゆたに奪われてっから」


大剣を振るう。


「ファーストキスがなゆたちゃん…?やっぱなゆたちゃんのことそういう目で見てたんだ」


「いや?あのキスは確か…まだなゆたが幼いときか…よくある大きくなったらヤマトと結婚するーっていうキスだな。俺はめちゃくちゃ嬉しかったけど、」

「今は恋人より兄ちゃんの方が嬉しい」


白雪が踏み出そうとすると殺気。

それは動けなくなるほどの。


「…っなに?」


横を見ると大鎌ではなく刀を握るなゆたが立っていた。髪で顔が見えない。けど、怒っていた。


「ヤマトに…兄ちゃんに何をした…」


「こっわ、キスぐらいで怒らないでよ」


その瞬間、なゆたが消える。


「消え…は?」


気づけば腹に刀が刺さる。


「しまっ、た…!」


サクヤはその瞬間を狙う。


「縛れ」


糸が白雪を巻き付ける。


なゆたの身体から大量の黒い霧。


制御できていない…?!


ヤマトは咄嗟に手首を掴むも消えない。


「……は?」


それどころか自分の能力を感じない。


手を離し、そのまま手を見つめる。

汗が出る。


「ふふ…あっはは!」


白雪が笑う。


「何したてめぇ…」


「お薬飲ませただけだよ?妖怪の能力を無いに等しいぐらい弱らせる」

「とっておきの特別なキス」


ペロッと舌を舐め、妖艶に笑う。

ここまで見てくださりありがとうございます。


なんてこった。キスされるし能力なくなるしどうするんですかこれ

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