百鬼夜
家に戻った4人。そこに白夜とクロガネも来る。
6人は今後の作戦を考え、ついた組織の名前は────
「狙いは…ボク…それは、ボクが王家だから?」
「さぁな?傍観者は"なゆたさえ手に入れれば世界平和になる"とか言っとったで」
世界平和…
つまり暴走が原因。
ずっと小さく溢れ出てた黒い霧は出てこない。
完璧。
そう思いたいけど、暴走した時が怖い。
「怖がってばかりじゃダメだね…」
「これからのことを話そう」
なゆたは立ち上がり振り返る。
「白夜とクロガネも一緒に来て」
4人率いる白夜とクロガネもなゆたたちの家に行く。
「ここが…王が住んでる城…」
「なにしてんだよクロガネ。とっとと入らねぇと虫が入んだろ。あと、普通の家な」
ヤマトに急かされ中に入る。
そこでお腹が鳴る。
「なぁ、なんかあらへんの?俺お腹すいたんやけど」
その言葉にヤマトはニヤッと笑う。
「なぁ、ニコ。コイツ腹減ったってよ。なんか作ってやってよ」
「はぁ?!嫌よ!なんでコイツなんかに」
「お前もニコが作る特性のご飯食いたいよな?」
「別になんでもええんやけど…俺、かなりの美食家やで?」
「なら尚更ニコの飯食ってもらわねぇと!なぁ、なゆた」
ハッと気づいたようになゆたは口を開く。
「うん、ヤマトの言う通り。ニコ、お願いしてもいい?」
「ヒメが言うなら仕方なく作ってあげるけど」
ブツブツ文句を言いながらキッチンに向かう。その途中でサクヤが言葉をかける。
「俺たちは腹いっぱいだからこの狐の分だけでいいぞ」
「はいはい」
ヤマトは俯き肩を震わせる。
「へぇー、ニコちゃん料理作れるんやねぇ。そりゃあ楽しみやわ。なぁ、クロガネはん」
「俺はこの身体だから腹は減らん。お前ひとりで食え」
「なんや、みんな遠慮してもーて。なゆたも要らへんの?」
「……お腹いっぱい」
顔を逸らし静かにお茶を飲む。
しばらくして、ニコが戻ってくる。
「はい!残したら許さないわよ。今回のは自信たっぷりなのよねぇ」
白夜は顔を引きつかせる。
目の前に現れたのは、食べ物とは言い難い物体。
「な、なんやこれ…」
「み、見た目はちょっと悪いけど味は大丈夫のはずよ!」
白夜はヤマトを睨む。
(お前、よくも騙したな…!)
ヤマトは意地の悪い顔で笑い、舌を出す。
「あ、味はほんまに大丈夫なんやろうな…?」
息を飲み込み、震える手で1口、口に運ぶ。
「う"っ…?!」
白夜の顔はみるみる紫になっていきその場に倒れ込む。
「あ、死んだ」
「これは死んでるな」
「ご愁傷さま」
「あ、あれぇ…?」
ニコは溢れ出る汗と共に目を逸らす。
「な?ニコ。お前の料理は妖怪も殺す。だから、無理に作ろうとするのはやめろ」
ポンっと肩に手を置く。
「そんなぁ…!」
なゆたは屈み、倒れてる白夜の顔に白い布を被せ手を合わせる。
「白夜の分までちゃんと生きるからね」
「死んでへんわ!!まっっっず!!なんやこれ!!!いくら俺の事嫌いでも毒はあかんとちゃう?!」
「毒なんて入れてないわよ!!」
「ちなみに料理で言ったらサクヤが一番美味い」
「は?じゃあ、最初からサクヤくんの料理食わせろよ」
真顔で「こいつは何言ってんだ」とでも言いたそうな白夜。
「ほんまこの半妖どもは…で、本題やけどこれからどうするん」
なゆたは椅子に腰をかける。
「どうしようか。白夜もボクら4人も敵に顔を知られている」
「そこが問題なんだよなぁ」
「じゃあ、もう正面突破しちゃえば?」
ニコの言葉で静かになる。
「それはかなりアリだな」
「やけども、それをするには相手を知る必要がある」
なゆたは考えふと思い出す。
「あの日、帳が降りた日。奴は言った」
「1週間後奪いに行くって」
「奪いに行くって…ヒメのこと?」
静かに首を振る。
「ヤマトのこと」
一斉に視線がヤマトに集まる。
「え、俺?」
「だから、ヤマトを囮にしてやって来た白雪を捕獲する」
「それで情報集めか…」
「なゆた、中々にゲスいこと考えはるんやなぁ」
なゆたはふと笑う。
「ゲスい?だってボクら妖怪でしょ?物語の妖怪は悪者…だったら全力で悪者をやるだけだよ。それに、」
さっきとは違う闇を感じる笑み。
「ボクから兄ちゃんを奪おうなんて何百年、何千年経っても無理なのに。分からせてあげないと」
ゾッとする。
ヤマトに対する執着は底がないくらい深い。
夜は長い。
それを利用していくつも策を練る。
「ねぇ、なんか名前とかあったらカッコイイんじゃない?」
「必要ねぇだろ別に」
ヤマトは面倒くさそうに机に肘を着く。
「えー!ヒメはどう思う?」
「確かに…あった方が簡単に、確実に名前は広がる」
「よし、モタモタすんな。考えるぞ」
「この犬っころ煮て食おうかしら…」
「まぁまぁ、ニコちゃん。せやねぇ…妖怪…鬼の王…」
ふとなゆたは外を見る。星が散る綺麗な夜。
「百鬼夜…」
「ひゃっき、や…?」
「いいんじゃね?百鬼夜。妖怪っぽいし」
「決まりだな。とりあえず今日はもう寝よう」
「そうだなぁ、いつ来るかわかんねぇし備えておかないと…お前らどうする?帰る?」
「えー、せっかく来たんにもう帰れって…ほんま人使い荒いわぁ…」
しくしくとわざとらしく声を出して泣く白夜。
「俺は国が心配だから帰る。朝、またこちらに向かおう」
「ほんなら俺も帰らせてもらうわ」
ヒラヒラと去ろうとする。
そこにニコが駆け寄る。
「狐。ちょっと」
「ん?なんや───」
ふわりとニコが白夜に抱きつく。しっかりと背中に手を回して。
白夜がニコに手を回そうとした瞬間、押される。
「なるほどね…」
「は、え、いや…あの…?」
「ん?もう帰っていいわよ。てか、さっさと帰って」
いつも通り、シッシッと手で払う。
それでも唖然とし動かない白夜の首根っこを掴みクロガネたちは帰っていく。
部屋に戻ろうたすると後ろからヤマトが着いてくる。
「…なに?」
「いや?心配だから」
「もうどこにも行かないよ」
「…」
ただジッと見つめるだけ。
なゆたは目を逸らしどうすればいいか分からないでいた。
「えっと…ボクもう寝るよ…?」
「なぁなゆた」
逃がさない。
まるでそう言ってるかのように壁に押し当てる。
「な、に…」
そっと優しくなゆたの首を掴むように触る。
「お前がいなくなった時、次どこか行ったら首輪にリードつけてどこにも行かせないようにしようとも考えたんだぞ」
ヒュッと喉がなる。
なゆたの顔を見てパッと手を離しニコニコと笑う。
「ま、半分冗談だけどな」
「半分は本気ってこと?」
「あぁ、そうだよ。もう二度と1人にはさせない。おやすみ、なゆた」
踵を返し自分の部屋に戻っていく。
なゆたは自分の首を触り、
「首輪…付けるのは兄ちゃんの方じゃないかな…」
そう言い部屋に戻る。
ここまで見てくださりありがとうございます。
ニ、ニニニニコさん?!
そしてなゆたとヤマトはまじでなに?!お前らほんまに兄妹やんな?!なぁ!!




