王の誕生
正式に王となったなゆた。
今回、なゆたが取った行動の真相。
そして、敵の狙いは────
「で、お前生きてたんかよ」
「そりゃあ、切られたで」
なゆたの黒い霧がなぜか盾になって深い傷は負わなかった。そしてなゆたの言葉…
「そのまま死んだフリをしてて」
こういう事やったんか…ほんま…
「してやられたわ」
ヤマトの手当を終え、なゆたは王座を見る。
「なゆた」
白夜がふわりと近づく。
そして背中を押す。
「俺の負けや」
跪き、頭を下げる。
なゆたは強く1歩を踏み出し王座に座った。
その瞬間、ヤマトも跪き頭を下げる。
「王」
クロガネたちが中に入る。
ゆっくり頭を下げ、
今ここに
新しい王が誕生する。
「王…か…」
ポツリと呟く。
すぐに王座から離れ近づく。
「ねぇ」
ヤマトは顔を上げる。
「ボクが王になっても変わらずいつものように接してほしい」
仰せのままに。
だれもその言葉を出さなかった。
「当たり前だろ」
ヤマトが笑う。
ホッと肩を下ろす。
「で、なゆた。今回こんなことした理由を聞いてもいいか?」
白夜が目を細める。なにかを探るように。
「…まずは勝手なことしてみんなを巻き込んでごめん。そうした理由もちゃんとある」
なゆたは震える。
「なゆた」
名前を呼ばれ顔をあげると落ち着かせるようにヤマトが手を握る。
「大丈夫」
優しい声。
なゆたは息を吐く。
「…白雪。あれは危険だ。本気で殺しにくる」
「白雪…?」
ニコが首を傾げる。
「あの夜、バーに来た女だ」
サクヤが答える。
「そう。だから探りを入れた。サクヤのカラスを使って」
「大事な仲間を勝手に使ってごめん…」
「いや、理由があるなら使ってくれても構わない。あのカラスも嫌なら従わないだろうし、従うってことは嫌じゃないってことだ」
その言葉は少し心を軽くした。
「それで、あの傍観者…」
「あいつは、祢々切丸は特務退魔課で保管してると言った。それは本当だと思う」
「あの時、気を失ってたはずじゃ…」
「だから、カラスを耳と目として使った。傍観者は特務退魔課の人間だ」
「だから詳しかったのか…」
白夜とクロガネは目を合わせまるで分からないというように肩を窄める。
「そしてあの白雪もそのうちの一人。帳が降りた後、追わせた」
サクヤがなにかを察したかのように顔をあげる。
「追わせたってことは…」
「そう。居場所がわかった」
なゆたは持っていたお面を手に取り顔に取り付ける。
「あいつらはこっちまで来てくれていた。だから、次は…」
「ボクたちが出向いてあげようじゃないか」
「でも、なんで私たちを狙うのかしら」
問題は次から次へと出てくる。
黄色の耳が動く。
そして、待ってましたと言わんばかりに手を挙げる。
「はいはーい、俺知ってんで」
ニコニコと楽しそうに笑う白夜。視線が集まる。
「そんな一斉に見られたら恥ずかしいわぁ」
「良いから早く言いなさいよ狐」
「そう急かさんとってやニコちゃん」
「傍観者やけど、狙っとるんは…」
白夜は指を指す。
「なゆたや」
なゆたに向かって。
ここまで見てくださりありがとうございます。
なゆたちゃんと考えてたんだな…




