依存と執着
買い出しに出るなゆたとヤマト。そこで会ったのは白雪。
白雪に図星をつかれなゆたは────
「ちょっと多めに買った方が良さそうだな」
「最近、お客さん増えて休む暇もない…」
2人はメモを見ながら歩く。
ニコに買い物を頼まれ足りない食材の買い出し。
「ヤマト、お菓子買ってもいい?」
「3個までな」
そんな会話をしている。
ドンッ!
ヤマトに衝撃が走る。
ビックリして振り返ると、
「ヤマトくん!なにしてるのー?」
白雪がヤマトに抱きついている。
「昨日の…」
慣れた手つきで抱きつかれた身体を引き剥がす。
「こんにちはっ、もしかしてデート?」
「ちがう。店の買い出し…君こそ何…」
「こっわーい♡そんな顔しないでよ。なゆたちゃん」
「なんで名前…」
顔はどこか余裕で笑っている。
「ねぇねぇ、私も一緒してもいい?一緒にいる人がはぐれちゃったんだぁ」
「…だめ」
「いいじゃん!ね、行こう!ヤマトくん」
腕にしがみつく。
「そのスキンシップやめてくれませんか」
振りほどき少し距離を取る。
「…なゆたちゃんがいるから?」
「そう」
「違うって言わないんだ!でもやめなーい!」
また抱きつこうとするとなゆたはヤマトに抱きつく。
「…やめて」
「そんなに不安?」
目を細め、なにかを捕らえるかのよう。
「…っ」
図星。
「へぇ…今はじゃあやめとこうかな」
女の人がヤマトを口説こうとするのは何回も見た。けど、今までどうも思わなかった。
"なゆたがいるから"
その言葉で諦める人が大半。
けど、この人は違う。
静かに黒い霧が溢れる。
ヤマトが気づく前に、
自分の意思で抑えた。
「あはっ、大丈夫だよ?今はまだ取ったりしないから」
「おい」
ヤマトの低い声が響く。
「あまりなゆたを揶揄うな」
「揶揄いたくもなるよ!こんなに可愛いんだからさ…」
白雪はなゆたの手を取る。
振りほどこうとするも離れない。
「ねぇ、女子トークしようよ」
その瞬間、視界が黒くなる。
なゆたは冷静に目を細める。
帳が落ちた。
なゆたと白雪だけの空間。そこでやっと手を離す。
「なゆたちゃんさぁ…」
「記憶ないんでしょ?」
「なんでそれを…」
「知ってるよ?あなたが居るからヤマトくん、縛られて好きなことできないんじゃない?恋愛とかどこか遊びに行くとか」
「ボクが…いるから…?」
なゆたの目が揺らぐ。その顔を見て満足そうに笑う。
「そ!あなたがいるから。ヤマトくんのこと解放してあげてよ」
「でもボクはヤマトがいないと…」
「その暴走する黒い霧。自分で制御出来始めてるじゃん」
「だったらもうヤマトくん必要ないよね?」
ゆっくりなゆたに近づく。
「だからさ、ヤマトくん頂戴♡」
「…あげない。ヤマトはボクのだ。これまでもこれからも」
「いいの?ヤマトくん、ずっとあなたに縛られてるんだよ?可哀想じゃない?好きなことさせてあげようよ」
「それ、は…」
言葉が出ない。
自分のせい。
そう思えば思うほど、自分の中の黒い霧が暴れる。
「私は欲しいって思ったものは絶対手に入れる。どんな手を使っても…そう、今もあなたを殺すことだって私は平気でできる」
その言葉と共になゆたは大鎌を取り出し構える。
「しつこい。ヤマトは…兄ちゃんはボクのだ。誰にもあげない。兄ちゃんはずっと傍にいるって言ってくれた」
「兄ちゃんは嘘なんてつかない」
「今はやめようよ。1週間後…」
「1週間後にヤマトくんを奪いに行く。それまで待っててねなゆたちゃん」
その言葉と共に、帳と白雪は消えた。
いつもの景色。
「なゆた!!!」
ヤマトが抱きつく。
「急に帳が落ちて…そしたらなゆたがいなくなってて…」
焦り。
そのせいで言葉が覚束無い。
「…ボクは…兄ちゃん…」
ボクがいるからダメなのかな。
ヤマトの腕に抱きつく。
それでも、
「ボクは、兄ちゃんとずっと一緒がいい…」
ここまで見てくださりありがとうございます。
自分事なんですけど、iPhoneのパスワード分からなくなって初期化したんですよね。でもデータ残っててまじで命拾いしました。あ、この小説400話あります。400話全部消えたんかと思ってヒヤヒヤしました。ヒヤシンスなんちゃって




