嫌な風
いつも通りの日常を過ごす4人。
その陰で動く特務退魔課。
嫌な風が吹き込む
「で、2人はどこ行ってたの?」
「そこら辺をブラブラしてたんだよ。んで、帰ってなゆたの鍛錬に付き合ってた」
「4人で買い物行くって言ったじゃない!!」
「わりぃって」
なゆたはそっとニコの袖を引っ張る。
「ごめん…ボクがすぐどこにでも行くから…また今度、みんなで行こう」
そんななゆたを見て頭を撫でる。
「楽しかった?」
「…うん」
心の奥から思う言葉。
ニコはただ微笑む。
その中で、サクヤは疲れた顔で座る。
「少し寝る…夜にはまた戻る」
そう言いサクヤはそそくさと自室に戻る。
「お前…どんだけこき使ったんだよ…」
「ヤマトがいたらあそこまで疲れてないんだけどね。さてと、買い出した食材を冷蔵庫に入れてくるわ」
静かな空間は心地が良かった。
「ヤマト」
「ん?」
「また、鍛錬付き合ってね」
口が緩む。
なゆたから誘われるのは素直に嬉しい。
「次も負けないからな」
そんな会話はニコの口角を上げる。
◇◆◇◆
「あの狐…本当に腹が立つ…!」
「まぁ、そうカリカリしないでよ。狐って元から嫌われてる妖怪じゃないか」
手当てを受ける柊は強く机を叩く。
「次こそ…絶対あの忌み子を…」
そこで言葉が途切れる。
「忌み子って言葉はよくないんじゃないかな?」
手当が終わり立ち上がる。
黄泉はただ笑っている。
「俺はなゆたさえ手に入れればそれでいいんだけど」
「そう。なゆた…なゆたさえこっちに来てしまえば全て上手くいく…あなたも、僕も。そして、この組織も」
ドアが開く。
目を向けるとオーラを纏った中年の男が立っている。
「如月隊長!」
「あっはは!なに?柊ちゃん、やられたの?可哀想〜」
いたずらに笑う少女。
「白雪さん…」
「柊」
如月と呼ばれた中年の男が口を開く。
「あまり突っ走るな。貴様は我々、特務退魔課の脳なんだ。人間は心臓が停止しても脳だけは動く。逆を言えば、」
「脳が止まれば、人間は動かなくなる。そんな貴様が死んではこの組織も死ぬと当然」
「申し訳ございません…」
大きく口を開けて笑う。
「良い良い!」
黄泉はただ冷たく笑う。固く口を閉ざしたまま。
「柊ちゃん!次は私も連れてってよ!そのなゆたって子、どんなんか見てみたいなぁ」
好奇心に駆られた目。
「では、行くぞい。白雪くん」
「はぁい!」
ドアが閉じ、柊と黄泉だけの空間。
「俺、あの人苦手なんだよね。声でかいし、威圧的だし。人間とはいえ、少しでも妖怪の血が混ざってる俺を見る目…嫌なんだよねぇ」
「仕方ありません。次の作戦を考えます」
白雪はご機嫌に歩く。
「ねぇ、隊長」
「なんだ?」
「なゆたって子、手に入れれば何してもいいんだよね?」
「んー…そうだなぁ…ダメって言っても、」
「本能で動くのが白雪くんだからな。あの忌み子さえ手に入れれば何してもいい」
「やった!さすが隊長♡ってことで!白雪、潜入に行ってまいりまぁす!」
変わらずご機嫌にその場を去る白雪。
「白雪くんはあの忌み子を殺す可能性がある…まぁ、それはそれで世界平和になると思っていいだろ」
◆◇◆◇
賑やかな店。いつも通りの客。
それが心地いい。
「なゆた、もう酒無くなったのか?」
「今日のやつ美味しい」
ヤマトは嬉しそうに笑い、ニコも笑顔で接客する。
嫌な風が吹き込んでることも知らずに。
ここまで見てくださりありがとうございます。
メスガキだ!!!メスガキが現れたぞ!!!!




